『スター・ウォーズ』完結までの約40年間を振り返る
シリーズ最高傑作の
誉れも高い『帝国の逆襲』
『スター・ウォーズ』の世界的ヒットにより、ジョージ・ルーカスの9部作構想は現実的なものとなり、『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』が製作されることになりました。
(初公開時はまだ『エピソード5』のサブタイトルは入っていません。また本作の公開に合わせて『スター・ウォーズ』第1作は『スター・ウォーズ/新たなる希望』と表記されるようになり、後に『帝国の逆襲』などと同様にエピソードの数字も加えられていきます)。
アメリカは1980年5月21日、日本は6月28日と、今度はほぼ同時期の公開。
監督をベテランのアーヴィン・カーシュナーに委ねての第2弾で、シリーズ最高傑作と讃える声は昔も今もよく聞くところです。
このときの盛り上がりは前作以上で(国際版ポスターのイラストを日本人の生賴範義が手掛けたことも話題になりました)、特に宿敵ダース・ベイダーの正体に関しては、その後の父と子をめぐるドラマツルギーに大きく影響していった感もありますが、一方で日本の子供たちは石ノ森章太郎の漫画などでそういった世界観は割かし慣れ親しんでいたので衝撃こそあれ、さほど違和感はなかったようにも思います。
クライマックスのレイアとハン・ソロが交わす“I LOVE YOU” “I KNOW”の台詞も、当時リア充をめざすべく腐心していた若者たちの心を大きく揺さぶったものでした。
なお、この年の夏休み映画は『スター・トレック』『ファイナル・カウントダウン』『復活の日』『ヤマトよ永遠に』などSFメインの錚々たるものの中に『二百三高地』『翔んだカップル』(同時上映はアニメ版『まことちゃん』)などもあったりして、当時高校2年だった私などは映画代捻出のため小遣いの工面に苦労したものです。
『エピソード5/帝国の逆襲』では『リオ・ブラボー』などの名脚本家で小説家(そしてエドモンド・ハミルトン夫人)リー・ブラケットが本作の第1稿を書き上げた直後に亡くなり(ローレンス・カスダンが後を受け継ぎました)、美術監督ジョン・バリーもクランクイン直後に病死しています。
アーヴィン・カーシュナー監督も2010年に死去しました。
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