『スター・ウォーズ』完結までの約40年間を振り返る
華やかに盛り上がった
『エピソード6/ジェダイの帰還』公開の1983年夏
シリーズ第3弾、リチャード・マーカンド監督の『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』は1983年に公開されましたが(米:5月25日、日:7月2日)、初公開時の邦題は『スター・ウォーズ/ジェダイの復讐』でした。
これは当初告知されていた原題が“STAR WARS REVENGE OF THE JEDI ”だったためで、その後公開直前になって“RETURN”に変わったものの、日本は変更が間に合わず『復讐』のまま公開し、2004年のDVD発売の際に『帰還』と改題されたといういきさつです。
これによって本作をどうしても『ジェダイの復讐』と呼んでしまうリアルタイム世代、『ジェダイの帰還』と呼ぶことに抵抗のない21世紀世代が分かれるという現象も起きています(私自身は初公開時より「どうして『帰還』にしないのだろう?」と思いつつ、時を経ていざ改題されてしまってからは、妙に居心地の悪いものを感じています)。
その『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』は9部作構想の中でルーク・スカイウォーカーを主人公とするシリーズ中盤エピソード3部作の完結編ということで、その期待度はハンパではありませんでした。
今は無き新宿プラザで先行オールナイトを見ようと思い、午後の早い時間に現地へ赴くと既に大行列ができていて、ようやく夜が更けて上映が始まった瞬間、満場の客席からはあふれんばかりの拍手喝采! といった大盛況ではありました。
ただし前作『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』の心揺さぶらせる素晴らしいラストを見て以降、3年もの間ずっと期待に胸を膨らませ(過ぎてしまっ)ていたこちらの想いに、この第3弾がフィナーレとしてどこまで応えてくれていたか?
正直、鑑賞後のファンの間では賛否の意見が飛び交うことになるとともに、その分シリーズ前史となるエピソード1~3の製作を渇望することになっていくのですが、このあたりから送り手であるルーカス・サイドと受け手であるファンの間で徐々にズレが生じていきます。
それを語る前に、1983年夏公開の映画は『スーパーマン3 電子の要塞』『007オクトパシー』『フラッシュダンス』『南極物語』『探偵物語』『時をかける少女』など、映画街は華やかな賑わいに満ちていました。なお、この年の春に『宇宙戦艦ヤマト完結編』が公開されています。
この後、何とリチャード・マーカンド監督は1987年に49歳の若さで脳梗塞により死去。また撮影監督のアラン・ヒュームは2010年に亡くなっています。
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