ドラマ「DIVE!!」第12話までのネタバレ感想:気持ちのいいドラマをありがとう!
第12話あらすじ&感想
第12話あらすじ
試合中に富士谷要一(作間龍斗)が倒れてしまった!
体調不良を隠し、大会に参加していた要一に父親でもあるコーチ・敬介(村上淳)はある決断を下すがー。
要一と敬介、親子である前に選手とコーチとして、共に戦ってきた2人が出した答えとは...。
一方、沖津飛沫(髙橋優斗)は祖父が観客を魅了した幻の“スワンダイブ”への挑戦へー。
恋人の恭子(藤原さくら)が見守るなかプラットフォームに立つ!
また、坂井知季(井上瑞稀)はコーチの麻木夏陽子(馬場ふみか)のアメリカ行きに動揺し、なかなか本調子を出せずにいた。
このままでは、先に進めない知季は夏陽子の元へー。
果たして知季は4回半を成功させ、優勝争いに食い込めるのか?
様々な想いを抱えた運命のラストダイブー。
オリンピック行きを手にする1人は誰だ!?
“青春の全て”を1.4秒に賭けた高校生たちの最後の戦いの結末はー!
第12話の感想:気持ちのいいドラマをありがとう!
試合前日、知季、要一、レイジ、そして飛沫の4人だけの帰り道。大きな試合を控えている高揚感からだろう、異常なくらいハイテンションだ。でも、そこから4つに分かれる道。これは何の暗示だろうか。なんとなく切ない匂いを感じて、泣いても笑っても今日が最終回なのだと寂しくなる。
飛び込み台に立ち、「負けるわけにはいかねんだ…」と腰をさする飛沫。痛みがあるのだろうか? 祖父がかつて人々を魅了した“スワンダイブ”を見事に成功させた。ひねりも回りもしない潔さが、飛沫の人柄ともリンクする。どよめく会場が心地よい。
一方、廊下で倒れこんでしまった要一。父親の富士谷コーチは、「ここまでよくやった」と棄権を促す。立ってもいられない状況なら仕方ない。だけど、それでも、と思ってしまう。「オリンピックは4年後も8年後もある」と富士谷コーチは言うけれど、彼らにとっての“今”がどれだけ大事なものなのかと考えると胸が締め付けられる。だからこそそこで、「自分のために飛べ」と言ってくれたコーチの、父親としての愛情の大きさが刺さった。思わず「お父さん…」ともらした要一にも、それは十二分に伝わっていた。
さらに、飛び込み台に立った時。なかなか飛ばない要一にざわつく観客たちに向かって、「うちの息子が飛ぶんです!」と叫ぶ。父親である前にコーチでいなければならないという状況、それはこの人の心にどれだけの仮面をかぶせていたんだろう。家庭内では奥さんにあんなにも柔和な表情を浮かべていた。ものすごく愛情深い人であることは間違いないはずだ。要一がこういう状況になってしまったことは決していいとは言えないが、素直に、1人の親として、我が子の飛び込みを見られるのは、この人にとってもよかったことなのではないだろうか。そしてその思いに呼応するかのように、要一も会心の飛び込みを見せる。
そして、麻木コーチがアメリカに行ってしまうかもしれないという動揺から調子の上がらない知季は、ついにコーチを呼び出し、問い質す。返ってきた答えに、まぁそんなところだろうと視聴者としては思っていたが、熱量の高い知季の告白に、見ているこちらまで恥ずかしくなってしまう。
すっきりしたし、あとは飛ぶだけ。ものすごい集中力で飛び込み台の先端に立つ知季。見事、悲願だった4回半を回り切り、水の中へ。この時の気持ちはどんなものだろうと想像する。早く点数が見たい、喝采が聞きたい…どれほどの人たちが驚いてるんだろう、割れんばかりの拍手だろうか?
…と、思いきや、突然2か月後にシーンが飛ぶ。
代表ジャージを着ている要一。だが、種目が違うらしい。
飛沫は英語の練習をしながら空港にいる。こちらは、麻木コーチが手配してくれたアメリカ行きを決意し、腰の治療をしながら飛び込みを続けるようだ。傍らには恭子の姿も。余談だが、この2人の夫婦漫才、テンポが回を追うごとによくなっていて、最終回はまさに完成型といっても過言ではなかった。
ということは、である。代表の座を手にしたのは知季だった。
なんというサクセスストーリー。でも、すごく納得のいく展開だったと思う。
描かれていなかった2か月の間、それぞれに色んな感情が渦巻き、葛藤があったことだろう。でも、最後はみんな笑っている。それがすべてだ。久しぶりに、気持ちのいいドラマを見たなという気持ちになった。いい最終回だった。
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(c)2021 森絵都・角川文庫刊/ドラマ「DIVE!!」製作委員会