ドラマ「DIVE!!」第12話までのネタバレ感想:気持ちのいいドラマをありがとう!
第2話あらすじ&感想
第2話のあらすじ
ミズキダイビングクラブ(通称:MDC)に所属する高校1年生の坂井知季(井上瑞稀)は新コーチの麻木夏陽子(馬場ふみか)から「一緒にオリンピックを目指してみない?」と声をかけられ、戸惑う知季。
後日、改めてMDC全員の飛び込みを見た夏陽子は、「基礎がなっていない」とMDCのエース・富士谷要一(作間龍斗)以外の全員に厳しい陸上トレーニングを課す。
トレーナーの小宮静人(大東駿介)による厳しい練習が始まるが、知季は夏陽子から「そろそろあなたの本気が見たい」と言われ…。
一方、MDCの絶対的エースである要一はコーチに目をかけられている知季に複雑な思いを持っていた。さらに、知季と仲の良かった丸山レイジ(望月歩)、大広陵(佐久本宝)たちともギクシャクしてしまう。そんな中、夏陽子がクラブに沖津飛沫(髙橋優斗)という謎の少年を連れてくる…。
第2話の感想|青春時代の心の機微って、繊細だ
登場人物たちの紹介的な1話を経て、じわりと物語が動きはじめた第2話。前回も思ったけど、飛び込みや筋トレのシーンなど、このドラマはカットの入れ替わり方がすごくおしゃれだ。見ていると、こういう描写にも知季の心の揺らぎが表現されているように感じる。知季の心の揺らぎ、それが今回のテーマだろう。馬場ふみか演じる麻木コーチの「そろそろあなたの本気を見せてくれない?」という挑発ともとれる言葉に対して、ひたすらに困惑する知季。自分はチームの中でも落ちこぼれと思っていたようだから、その反応はごもっともだ。そんな中、突如はじまる俺専用メニュー、その名も“オリンピックへの道”。いやいや、正直こんなの本気で困ると思う。学生スポーツはたしかに大きな目標を持つことに意味があるとは思うけど、夢を見るにしたって限度がある。コーチ、頼むからあなたが知季をそこまで買っている理由を先に教えてあげてくれよ…と突っ込んだ視聴者も多かったのではないか。
でも、そんな知季をたきつけようとしたのか、はたまた余裕の表れなのか、「お前が無理って言うなら無理だろうな」と要一。君たち、ほとんど年の変わらない高校生ですよね? と、大人すぎる要一に驚きつつ、すごくいいことを言うじゃねーかと感心してしまう。
MDCメンバー間のいざこざにしてもそうだ。知季、レイジ、陵の仲良し3人組だったが、知季に別メニューが与えられたことで亀裂が入ってしまう。きっと彼らは、知季のことを、横並びかあるいは少し下に見ていたんだろう。だから特別扱いが許せず、嫉妬が生まれた。高校生たちの心って、本当に繊細だ。だが、ここでも要一は「朝練のひとつでもやってから言え。トモはやってたぞ」とさらりと口にする。本人はもしかしたら不平不満ばかりの奴らにイラっとしただけかもしれないが、フラットなものの見方と歯に衣着せぬ物言いは結果的に知季を救う。
…はずなのだが、それに対する知季の態度が余計に切なかった。「俺を強化してチームを底上げしなきゃって思ってるんだよ」。こともあろうに、なぜ自分のことを卑下してしまうのか…。麻木コーチは知季の性格を見越した上で、この弱く優しい心根を正そうとしているのかもしれない。いや、そうであってほしい、と思う。
3人組のわちゃわちゃが少なかったのは残念だったが、笑いの量とテンポ感が変わらず楽しめたのは、今回から登場した大東駿介演じるトレーナー・小宮のおかげかも。あまりにハイテンションでコメディ要素も強く驚いたが、個人的にはセリフのテンポが上がって好きだ。関西弁もいい。
今作の特徴ともいえる細かいカット割。その中で度々挟まれる、水中を浮遊する知季は、まさに今の心の状態を表しているのだろう。ここから彼はどうやって浮上してくるのか。その時にどんな顔をしているのか、今後の成長に期待が高まる。
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(c)2021 森絵都・角川文庫刊/ドラマ「DIVE!!」製作委員会