<TOKYO MER~走る緊急救命室~>最終回まで全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第11話ストーリー&レビュー
第11話ストーリー
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最愛の妹・喜多見涼香(佐藤栞里)を亡くし、失意のどん底にいた喜多見幸太(鈴木亮平)はMER脱退を告げる。都知事の赤塚梓(石田ゆり子)は意識不明のまま生死の境をさまよっていた。そして、音羽尚(賀来賢人)は大物政治家・天沼夕源(桂文珍)に逆らえないまま、遂にMER解散が決定しようとしていた…。
そんな中、エリオット・椿(城田優)による連続爆破テロで東京中が炎上!多くの負傷者が出るが、喜多見も音羽も出動せず、ERカーの使用も禁じられてしまう!
最大のピンチを迎えたメンバー。しかし、その時…喜多見の心を震わせる「言葉」が響いた。
TOKYO MERの最後の出動の物語。
第11話レビュー
何の罪もない涼香(佐藤栞里)の命が理不尽に奪われた前回の「TOKYO MER」。あまりの衝撃的な展開に、しばらく茫然自失とした視聴者も多いだろう。MERの運用が正式に認められ、新たな一歩を踏み出す兄・喜多見(鈴木亮平)や音羽(賀来賢人)らの姿を誇らしげに見る涼香——そんな最終回を誰もが期待していた。
裏切られたような気分にしばらく陥っていたが、喜多見を演じる鈴木亮平が自身のTwitterで発した「先週は、皆様と同じく我々にとっても辛い回でした。しかし、描かなければいけない回でした。この喪失の先にきっと『命を救う仕事』を選んだ者たちの矜持を、人間の崇高さとも呼べるものを見ていただけると信じるからです。」というコメントにハッとさせられる。
どんな暗闇の中にも、いつしか道を照らす“希望の光”が差し込むはずだ。そう信じて、「TOKYO MER」の最終回を見届けよう。
自分が紛争地に行かなければ、テロ組織LP9の一員である椿(城田優)を助けなければ、涼香は今もここにいたかもしれない。「ただ純粋に目の前の命を救う」という自身の正義を信じられなくなった喜多見は、MERの解散を決意する。一方、持病を抱える赤塚(石田ゆり子)は生死を彷徨い、音羽も政治の圧力に逆らえずにいた。
そんな中、闇献金疑惑のある天沼(桂文珍)に世間の批判が集まり、それを契機としたLP9による同時多発テロが発生。MERのメンバーは最終審査会よりも救助を優先し、現場に駆けつける。涼香という大切な存在を失った音羽も、喜多見の言葉を思い出し、審査会でこう証言する。
「このチームがいるというだけでみんなが安心する。TOKYO MERはそういう存在に成長しました」
そこからは日曜劇場らしい、目頭が熱くなるような展開が続く。「最後に、純粋に人の命を救う政治がしたかった」という赤塚の言葉が、ずっとMERの敵だった白金(渡辺真起子)の心を動かした。MERの正式認可を下ろし、全員が足並みを揃えて“死者0”という使命を全うする。
第11話はまさに、みんなが主役の回だ。
喜多見が不在の中、音羽、弦巻(中条あやみ)、蔵前(菜々緒)、ミン(フォンチー)、冬木(小手伸也)、徳丸(佐野勇斗)、そしてレスキュー隊の千住(要潤)という頼もしいメンバーが爆弾に巻き込まれた人々を救い、危機管理対策室では赤塚の代わりを担った白金と駒場(橋本さとし)が中心となって現場を動かす。お馴染みの「死者はゼロです!」というセリフに、思わず小さくガッツポーズを取ってしまった。
この国にはたとえ注目されなくとも、たくさんのヒーローたちが存在する。コロナ禍という厳しい現実の中、医療従事者たちが多くの命を救ったように。
最後は喜多見が妹の命を奪った張本人である椿を再び助け、「命を救えて良かった」とつぶやく。椿は、数としてはただの“1”でも誰かにとって生きる全てだった尊い命を奪った罪を生きて償わなければならないのだ。
この物語は決して、綺麗事ばかりではなかった。いつの世界にも暗闇で覆い尽くすような悲劇が時として訪れる。それでも悪意に飲み込まれず、希望の光を探し続けたい。「TOKYO MER」はそんな風に感じさせてくれる、大作だったと言えよう。
※この記事は「TOKYO MER」の各話記事を一つにまとめたものです。
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(文:シネマズ編集部)
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