<下剋上球児>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
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鈴木亮平主演の日曜劇場「下剋上球児」が2023年10月15日放送スタート。菊地高弘の「下剋上球児」(カンゼン刊)を原案に、新井順子プロデューサーと塚原あゆ子演出のタッグが帰ってくる。弱小高校野球部を舞台に繰り広げられる下剋上ストーリーに期待だ。
CINEMAS+では毎話公式ライターが感想を記しているが、本記事ではそれらの記事を集約。1記事で全話の感想を読むことができる。
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もくじ
第1話ストーリー&レビュー
第1話のストーリー
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2016年、3月。三重県立越山高校では、生徒や保護者からの人望も厚い社会科教師・南雲脩司(鈴木亮平)が、次年度から野球部の顧問兼監督に打診されていた。しかし、肝心の野球部は1名の部員を除いてやる気のない幽霊部員ばかり。さらに南雲は妻・美香(井川遥)と二人の子どもとの家庭での時間を大事にしたいと思っており、顧問への就任を頑なに拒んでいた。そんな中、家庭科担当の教師・山住香南子(黒木華)が越山高校へ赴任してくる。南雲と一緒に野球部を強くしたいとやる気満々の山住は、スポーツで実力がある中学生たちを受験前から勧誘。地元の有力者・犬塚樹生(小日向文世)の孫で名門クラブチームのエースだった翔(中沢元紀)も強豪校への受験に失敗して越山に入学してくることに!
なし崩し的に野球部の手伝いをしていくうちに、穏やかだった南雲の生活が大きく変わっていく・・・。
第1話のレビュー
想像以上に、驚いてしまうほどの、弱小っぷりだ。越山高校の“ざん”は残念の“ざん”と言われてしまうほど、どこか惜しい空気が漂う高校。勉強に部活に、やりたいことを見つけて全力投球できるはずの高校生たちは、どこか人生を斜めに見ていてやる気がない。放課後は遊びかバイト、家に帰ってゲームをするか……。
とくに越山高校の野球部はひどいもので、部員はたったの一人。キャッチボールさえできずにいる日沖誠(菅生新樹)は、それでも腐らず、毎日丹念にバットを振っている。
この物語のタイトルは「下剋上球児」。ここから這い上がっていくサクセスストーリーをみせるためには、いつか訪れる勇姿とのギャップが深ければ深いほど、良い。そう考えると、2016年当時の越山高校野球部の状態は、これ以上ないほどの“底辺”である。
そんな底辺の弱小野球部に風穴を空ける存在。それが、このドラマの主人公である社会科教師の南雲脩司(鈴木亮平)だ。
元高校球児の過去をもつが、とある因縁により野球からは遠ざかっていた。野球強豪校から転任してきた家庭科教師・山住香南子(黒木華)の必死の説得により、条件付きで野球部の監督を務めることになる。
南雲を取り巻く“過去の因縁”の全貌は、1話の時点ではまだ見えていない。
高校球児だった南雲は、当時の恩師・賀門英助(松平健)の元で練習に励んでいた。しかし、努力の果てに立った甲子園の舞台で、「卑怯な勝ち方をしている」と酷評を受ける。賀門に直接「正々堂々と戦いたい」と部員全員で直談判し、自分たちの野球をやろうと意気込むが、結果は敗退。
この過去が、南雲を野球から遠ざけている原因に思えたが、どうやら違う。おそらく賀門とのあいだに、まだ見えていない確執がある。そしてそれが、彼に「教師を辞めようと思っている」と口にさせる原因でもあるようだ。
秘密を抱えた野球部監督と、ようやく揃った部員たち。投げては打たれ、おもしろいほどに打てない彼ら。しかし、これほどまでに弱小の野球部でも、不思議と「2年後の勇姿」が見える。
土の味を感じるリアルな野球シーン、そして新井順子プロデューサー&塚原あゆ子演出の味でもある、スローモーションを効果的に駆使したドラマチックな画面の見せ方。必死に組んだ練習試合では2点しか取れなかったが、それでも、2点“も”取れたと思うくらいには、彼らは“底辺”だったのだ。
日沖や、エース選手・犬塚翔(中沢元紀)を筆頭に、越山野球部はどんどん強くなる。2年後、甲子園に行く彼らの背中を見ることになる。そして、野球部の生徒を演じるキャストたちは、ほとんどがまだ名が広まる前の状態だ。野球部が強くなるのと比例して、次世代の映画・ドラマ界を担う存在が生まれてもおかしくないだろう。
※この記事は「下剋上球児」の各話を1つにまとめたものです。
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