<TOKYO MER~走る緊急救命室~>最終回まで全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第10話ストーリー&レビュー
第10話ストーリー
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喜多見幸太(鈴木亮平)がテロ組織への関与を疑われ、出動禁止を命じられたMER。そんな中、ある大学で爆破事件が! 救助のため駆け付けた喜多見と音羽尚(賀来賢人)だったが、それは更なる爆破テロを仕掛けたエリオット・椿(城田優)の罠だった。爆弾を仕掛けた校舎内で重傷者のオペを行う2人だったが、SNSの噂を信じ込んだ学生達は喜多見をテロリストと疑い、とんでもない行動に…2人を襲う最大の危機。そしてついに、初めての死者が発生する…!?
第10話レビュー
まさかのラストに震えが止まらなかった。予告で一瞬流れた「死者1名」の文字。どんなに願っても救えない命はあるとわかっていたが、それでもいち視聴者として心が追いついていかない。
「TOKYO MER」第10話では、とある大学に爆破予告が届き、MERが出動。テロ組織に関与していたと報道され、世間からバッシングを受けていた喜多見(鈴木亮平)と音羽(賀来賢人)が現場に駆けつける。しかし、それはテロ組織LP9の椿(城田優)による罠で、予告とは異なる場所が爆発。2人は数人の医学部生と校舎内に閉じ込められてしまった。
そこからはパニック映画さながらの展開が続く。SNS上に拡散された「喜多見はテロ組織の一味」という噂に生徒たちは惑わされ、喜多見を薬品管理室に閉じ込める事態へ。
「くだらない噂に振り回されていないで、あの人が何をするのかその目で見て判断しろ」
音羽が生徒たちに訴えたこの言葉は、私たち一人ひとりに向けられたものでもある。現実世界でも日々SNS上には不確かな情報が流れ、いとも容易く信じてしまう人が多い。でもそれは本当に真実なのか、信じるに値する情報なのか。誹謗中傷する手を一旦止め、自分の目で見たものだけを信じることの大切さを音羽の言葉に教えられた。
そして、生徒たちも必死で戦う喜多見と音羽の姿を見て協力することを決意。椿に内通していた女子生徒の心をも動かし、全員で校舎から脱出することができた。この時点で、ドラマの放送はあと20分。私たちも「死者1名」という空目した文字に踊らされているだけかもしれない……と思った矢先、新たな爆破が起きてしまう。
かつて喜多見に命を救ってもらったと語る椿から、涼香(佐藤栞里)に手渡された水筒が爆弾だったのだ。どこまでもお人好しでまっすぐな涼香の命は、たった1人の「世の中は不条理だってことを分かってほしかった」という身勝手な思いによって奪われる。鈴木亮平をはじめ、目の前で大切な人を失った絶望を表現する役者たちの迫真の演技に涙が止まらない。
「死者1名」。その数の分だけ、積み重ねられたストーリーがある。幼い頃にテロで両親を失い、兄を側で支えながら共に生きてきた涼香。エレベーターに閉じ込められた際には自分よりも患者の命を優先し、誤解されやすい音羽にも優しい眼差しで向き合ってきた。この先、喜多見やMERのメンバーに見守られながら音羽と結ばれる……なんて未来もあったかもしれない。そんな希望が一瞬にして打ち砕かれてしまった。
次週、「TOKYO MER」は最終回を迎える。あと1話で、本作はそれでも前を向く理由を私たちに教えてくれるのだろうか。
※この記事は「TOKYO MER」の各話記事を一つにまとめたものです。
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