<TOKYO MER~走る緊急救命室~>最終回まで全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】


第3話ストーリー&レビュー

第3話のストーリー



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凶悪犯が重病の少女を人質に立てこもる事件が発生!
繁華街に飛びかう銃弾…現場に急行したTOKYO MER・喜多見幸太(鈴木亮平)は、少女に薬を渡さないと命に危険があると主張するが、メンツを気にして口を出すなという警察と対立する。

発作の危機が迫る少女の命を守るため、看護師の蔵前夏梅(菜々緒)は自ら身代わりを志願する。娘を育てるシングルマザーの夏梅には、少女を救いたいという強い思いがあった。しかし、そんな中、犯人は夏梅に発砲する!激しい銃撃戦の極限状態の中で、命をあきらめない喜多見は最前線での緊急オペを決行する!

第3話のレビュー



5日連続で東京都の新型コロナウイルス感染者が1000人を超えた7月18日。この日「TOKYO MER」では、今なお最前線で戦う医療従事者に敬意を払った内容が放送された。

看護師でシングルマザーの蔵前(菜々緒)が娘のあおい(北平妃璃愛)を保育園に送り届ける場面からスタートした第3話。これまで言及されていなかったが、今回のドラマはコロナ禍という設定のようで、医療従事者である蔵前が他の保護者からいわれなき差別を受けている様子が描かれた。

理不尽な扱いに顔をしかめるTOKYO MERのメンバーたち。そんな中、品川樹(川島潤哉)が6歳の娘・日葵(加藤柚凪)を人質に立てこもる事件が発生し、彼らは現場に直行する。そこには犯人に包丁で腹部を刺され、重傷を負った女性が。その女性は酷いDV夫だった品川から逃げてきた日葵の母だったのだ。

しかも、一型糖尿病を患っている日葵はインスリン注射を打った直後に食事を摂らないまま人質に取られ、低血糖で発作をおこしてしまった。ただでさえ、犯人が拳銃を所持している危険な現場に緊張感が走る。そんな状況で立ち上がったのが、娘を思う母の想いに共感した蔵前だった。

蔵前は一人で血糖値を上げるブドウ糖を持って、日葵の元へ。アレルギーであるアーモンドが含まれるチョコレートを与えられ、アナフィラキシーショックを引き起こしていた日葵は隙を見て突入した捜査一課特殊犯捜査係(SIT)に無事保護される。しかし、たまたまつけたテレビの報道でそのことを知った品川は逆上。SITのメンバーである中野(濱正悟)が撃たれ、再び蔵前が人質に取られるという最悪の状況に陥ってしまった。

警察上層部が自分たちの面子ばかりを守ろうとする中、蔵前の勇気ある行動に心動かされ、人命救助のために一体となっていく現場。映画並みのスケールで描かれるスリリングな展開に、手に汗握る。

そんな中、東京都知事・赤塚(石田ゆり子)が放った「職業、性別、年齢。そんなものは関係ありません。みんな同じ命です。全ての命を守るのがMERの使命です」という台詞にハッとさせられた。

人々の安全や命を守っている警察官や医療従事者たちにも一人ひとり、大切な人がいて、大切に思う人がいる。それでも今回のように、凶悪犯に立ち向かっていかなければならない時があるかもしれない。コロナウイルスだけでなく、いつ命を脅かされるような感染症にかかってしまうかもわからない。

そんな状況下で、彼らは日々戦っていることを私たちは忘れてはいけない。犯人確保後、SITのメンバーが蔵前に向けた敬礼はこのドラマから全ての医療従事者に送られたものだろう。

医療従事者の健闘、権力との対立、報道規制。日本が直面している数々の課題を1時間に詰め込み、うまく着地させた“日曜劇場”スタッフ・キャストの手腕に唸る回となった。


※この記事は「TOKYO MER」の各話記事を一つにまとめたものです。

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