<鎌倉殿の13人・源平合戦編>第1話~10話までの解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
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2022年のNHK大河ドラマは「鎌倉殿の13人」。三谷幸喜 脚本×小栗旬 主演で描く北条義時の物語。三谷幸喜曰く「吾妻鏡」を原作としており、そこに記されきれていない部分を想像と創作で補い、唯一無二のエンターテイメント大作に仕上げているという。
cinemas PLUSでは毎話公式ライターが記事を執筆しているが、本記事では源頼朝の挙兵から源平合戦幕開けを中心に描いた1話~10話までの記事を集約。1記事で解説を読むことができる。
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もくじ
・第1話ストーリー&解説・第2話ストーリー&解説
・第3話ストーリー&解説
・第4話ストーリー&解説
・第5話ストーリー&解説
・第6話ストーリー&解説
・第7話ストーリー&解説
・第8話ストーリー&解説
・第9話ストーリー&解説
・第10話ストーリー&解説
第1話ストーリー&解説
第1話のストーリー
1175年、平清盛(松平健)が大権力者として君臨していた日本。伊豆の地では、北条義時(小栗旬)が兄・宗時(片岡愛之助)、姉・政子(小池栄子)らとのんびり暮らしていた。しかし、流罪人・源頼朝(大泉洋)が義時の幼なじみ八重(新垣結衣)と恋仲になり、男児が生まれたことで状況は一変。清盛から頼朝の監視を任されていた八重の父・伊東祐親(浅野和之)は激怒する。頼朝が姿をくらます中、北条家にも捜索命令がくだり……第1話・超簡潔ストーリー解説
第1話「大いなる小競り合い」の物語を一言で表すならば、以下のような物語である。役者名で表現すると
→大泉洋をとっ捕まえる事を巡って、おっさんたちが小競り合い。それに意図せず巻き込まれる小栗旬。
歴史的に表現すると
→源頼朝を巡り、伊東祐親らと北条宗時らが対立。何の意思もなく、宗時の弟で主人公の北条義時は巻き込まれていく。
本作の主人公は北条義時だが、源頼朝を巡る物語から始まる。
事の発端は、源頼朝が八重との間に子を授かったことから。八重は新垣結衣が演じる。
それにブチギレたのが、伊東祐親という人物。八重の父親である。
実は源頼朝は、流刑によってこの地に流れてきた罪人である。しかもその罪人の監視役が伊東祐親だったのだ。
つまり、自分の娘と、自分が監視する罪人が、自分が留守にした3年の間に(=上洛してお仕えしていた間に)子を授かっていたわけである。
うん、私でもこれはブチ切れる。
で、どうなったかと言うと、源頼朝の所在が不明に!北条宗時ら、源頼朝を密かに慕う人物たちが匿っていたのだ。
ここで初めて「北条」が出てきたわけだが。
北条宗時は、主人公北条義時の兄である。彼らの父、北条時政は伊東祐親の娘と結婚し、生まれたのが、北条宗時、北条政子、北条義時(=主人公)、北条実衣である。
つまり、主人公のお祖父ちゃんは源頼朝を追い、主人公のお兄ちゃんが源頼朝を匿っているのである。しかも伊東祐親の次男である伊東祐清は、源頼朝を匿うことに協力している。
伊東家と北条家という親戚関係にあるふたつのお家が、源頼朝を巡って「大いなる小競り合い」をする。そんな状況などつゆ知らず、主人公の北条義時は、兄の宗時に半ば命令されて源頼朝の保護に駆り出される。
これが「鎌倉殿の13人」の超簡潔ストーリーである。地獄絵図とはこの事かと言わんばかりである。
第1話・歴史事象を交えた解説
超簡潔ストーリー解説である程度の概要は理解頂けたと思うが、少しばかり歴史的な事象も肉付けしていきたい。
伊東祐清は、なぜ監視役だったのか
第1話の「大いなる小競り合い」は、1175年(安元元年)の話である。この頃、京の都では朝廷の治天の君・後白河法皇と良好な関係を築いた平家(平清盛)が全盛期と言っても過言ではない勢いで世を支配していた。その平清盛の嫡男(息子)・重盛の家人であったのが伊東祐親なのだ。つまり、平清盛には忖度どころか何でも従う。それが伊東祐親である。
1159年(平治元年)の平治の乱で源頼朝は捉えられ、伊東の地へ流刑となった。それを行ったのは平清盛。つまり、平清盛が、自分の息子に仕えていた伊東祐親に「監視せよ」と命じたため監視役となったのだ。
なお、当時の流刑は牢獄に捕らえるというものではなく、制限下で生活をさせるというもの。そのため、源頼朝には生活をある程度自由にする権利は与えられていた。ただ、まさか自分の娘と子を作るようなことは想像していなかったはず。
ブチギレたのも無理はない。
源頼朝は、なぜ人々を魅了したのか
源頼朝は、八重だけでなく人々を魅了させるだけの華があった。実際この後、主人公・北条義時の姉の政子と結婚する運びともなった。北条政子は一目惚れで「ぞっっっっっこん」となっていた。
また男女の中に限らず、北条宗時や北条時政らも、源頼朝に心酔。第1話ではまだイマイチ魅力に気付いていない、北条義時も結果として仕えていく流れとなる。
これはやはり源氏の血を引いているその厳かさが要因と考えられ、実際第1話の映像を見ても、ギャグ要素を挟みつつも北条家や伊東家にはない魅力を感じた。「祐親を殺せ」というシーンなどでの威厳は相当なものであった。
おそらくこの魅力は第1話のみではまだ説得力を完全には持たない。今後の積み重ねで我々視聴者にも説得力を持って示されるはずだ。
その後、源頼朝や八重、子供はどうなったのか
源頼朝と八重は、第2話以降複合的な要因で離れる事となる。問題はその子供の千鶴丸、彼は殺されてしまった。八重には出家させたと嘘がつかれているのはせめてもの救いか。
ただ、主人公・北条義時は八重の事を好いていたが、源頼朝にぞっこんな一面を見せつけられ不憫だなと思った次第だ。
第2話へ向けてどういう動きとなったのか
第1話の最後は、源頼朝を逃すところで終了した。物語的には主人公・北条義時が予期せぬ出来事に巻き込まれる序章が描かれた格好だ。それはもちろん、今後の「鎌倉殿の13人」の主人公に達していく序章という意味合いだが、世の中的にも大きな渦が巻き起ころうとしていた。
第1話では、平清盛と後白河法皇は蜜月の関係だったが、この関係も後に悪化する。
また、奥州では藤原秀衡の保護のもと、頼朝の異母兄弟である源義経が暮らしていた。
全てはここから動き始める。
そんな期待を感じさせる第1話であった。
※この記事は「鎌倉殿の13人」の各話を1つにまとめたものです。
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