<鎌倉殿の13人・源平合戦編>第1話~10話までの解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第7話ストーリー&解説
第7話のストーリー
平家に幽閉された我が身を嘆く後白河法皇(西田敏行)。丹後局(鈴木京香)へ救出に名乗りを上げない源氏への不満をもらす中、平清盛(松平健)から挙兵した源頼朝(大泉洋)が石橋山で大敗したと知らされ悔しさで顔がゆがむ。その頃、房総半島で再起を図る頼朝は有力豪族を味方に付けようと、千葉常胤(岡本信人)のもとへ安達盛長(野添義弘)を、上総広常(佐藤浩市)のもとへ和田義盛(横田栄司)と北条義時(小栗旬)を送り込む……第7話・超簡潔ストーリー解説
第7話「敵か、あるいは」の物語を簡潔に整理するならば、
・佐殿勢も大庭勢も上総広常を引き入れたい
・上総広常は佐殿の運試しをする
・亀とイチャイチャしてた事でなぜか敵の刺客を回避
=上総広常が佐殿側に付き、軍勢が一気に2万以上に膨れ上がる
このような話であった。石橋山の戦いでの惨敗した佐殿勢であったが、上総広常を引き入れたことで一気に形勢が逆転し、次週の「いざ、鎌倉」で話が進んでいくこととなった。
その1:上総広常がキーとなる
「上総広常はどちらに付くか」が第7話のキーとなっていた。これは兵力を見れば一目瞭然。佐殿軍(源頼朝軍)=300人(※石橋山の戦い前)
三浦義澄軍=1000人(※安房へ渡る前)
大庭景親軍=3000人
上総広常軍=20000人
大庭景親側から見るとわかりやすく、仮に上総広常がどちらにも付かなければ大庭の優勢は変わらず。しかし、佐殿軍に付いてしまえば一気に形勢逆転となってしまう。
つまり、大庭景親からすると「上総広常は味方に付かなくても良いが、佐殿にだけは付かれると困る」ということである。
上総広常が「この戦、俺が付いたほうが勝ちだ」と発言していたが、自惚れでも何でも無く事実なのである。
その2:上総広常に交渉、意味深な梶原景時
そうなると、佐殿軍に限らず、大庭軍も上総広常を引き入れるために交渉する事となる。佐殿軍の交渉役は主人公・北条義時と和田義盛。大庭軍の交渉役は梶原景時である。
この交渉シーンで、上総広常は態度を保留にした。しかし、その後のシーンで梶原景時は「敵か味方か」どちらとも取れる態度を示した。義時は思わず「佐殿の元にきませんか」とスカウトする始末であった。しかし、史実ではこの後本当にそうなり、梶原景時は13人の合議制の13人に入るのである。
その3:伊豆山権現での一騒動
一方で素性を明かさず伊豆山権現に匿われている北条政子ら。政子の元に佐殿が無事であるという文が届き、同時に佐殿の異母兄弟である阿野全成も初登場となった。しかし、平穏な時間は束の間で刺客が登場し、政子らを連れ去ろうとした。ここは仁田忠常の抵抗で難を逃れたが、やはりまだ劣勢下に佐殿がいることを象徴するシーンとなっていた。
その4:苛立つ佐殿
話の舞台は改めて安房へ。上総広常は未だに返事を出さない。NoならNoと言ってほしい佐殿は苛立ちを隠せず、兵を前に進めることとした。そしてそんな中で漁師の一妻に過ぎない亀と出会った。なお、史実では佐殿が伊豆にいる時から仕えていた侍女との説もあるが、今回は安房の一漁師の妻という形で登場。シナリオブック等を参照すると、政子VS亀の女の争いの後の「焼き討ち」はしっかり描かれそうである。有名な歴史的事象であるため、今後期待したいシーンだ。
その5:運試しされる佐殿
上総広常は義時が発した「あのお方(佐殿)は天に守られている」という言葉が引っかかっていた。そうであるなら運試しをしようではないかとなった。上総広常の元には平家側の動きが逐一伝えられている。その晩、大庭方の人間が佐殿を襲撃する計画であり、「もしも天に守られているのであれば助かるだろう」と義時の言い放った。
結果として本当に運に味方された。
大庭方の刺客が襲撃する前に、前述の亀の夫が「うちの妻と寝てんじゃねえ!」と言わんばかりで殴り込みに来たのだ。それを佐殿の側近安達盛長が事前に察知し部屋を脱出。
亀の夫らが佐殿を探しているところに、大庭方の襲撃部隊も到着し、その2グループで交戦となったのだ。佐殿のやってることは最低だが、真に強運である面を見せつけた一件であった。
その6:わざと遅刻する上総広常
佐殿が運に味方されているというのであれば、と上総広常は佐殿軍への参陣を決めた。しかし、上総広常はわざと遅刻し、佐殿の出方を探った。結果として佐殿は上総広常にブチギレた。その堂々とした立ち振舞に上総広常は感動し頭を下げた。
こうして上総広常を引き入れた佐殿軍は鎌倉を目指すこととなったのであった。
※この記事は「鎌倉殿の13人」の各話を1つにまとめたものです。
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