<鎌倉殿の13人・源平合戦編>第1話~10話までの解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第3話ストーリー&解説
第3話のストーリー
治承4年(1180)4月、源頼朝(大泉洋)と引き離された八重(新垣結衣)は伊東祐親(浅野和之)の家人・江間次郎(芹澤興人)の元へ嫁がされていた。対岸の江間館を見つめる北条義時(小栗旬)。そんな折、頼朝の叔父・行家(杉本哲太)が北条館を訪ねてくる。怪しがる政子(小池栄子)。しぶしぶ対面する頼朝だが、行家は平清盛(松平健)へ反旗を翻した後白河法皇(西田敏行)の御子・以仁王(木村昴)の令旨を携えていた……第3話・超簡潔ストーリー解説
第3話「挙兵は慎重に」の物語を一言で表すならば、役者名で表現すると
→ジャイアンの声優でもある木村昴から大泉洋へ挙兵のお誘い。でもこれはうまくいかないと思って大泉洋は却下!その後、「釣りバカ日誌」ハマちゃんこと西田敏行からのお誘いには大義名分があるとそれを受諾!第4話はいよいよ戦に突入していく。※「釣りバカ日誌」で西田敏行さんは、往年の三國連太郎さんとのタッグではハマちゃん役。その後の濱田岳さんとのタッグではスーさん役です。
歴史的に表現すると
→以仁王と源頼政からの挙兵の誘いに、佐殿(源頼朝)は乗らず。その後、後白河法皇直々の誘い(お助け願い=密旨)には乗ることに。タイトル通り慎重に挙兵を検討する回となった。
今回の第3話は伊豆半島ではなく京での動乱がきっかけとなる。
蜜月関係を築いていた平清盛と後白河法皇との間に隙間風どころか突風が吹き荒れ、後白河法皇は幽閉されることに。
これを契機に、後白河法皇の子である以仁王の挙兵が起きるなど世が不安定になっていくことに。
以仁王の挙兵には源頼政がサポートに入っていた。源氏の中でも平家寄りの人物ではあったが寝返る形に。こうなると当然佐殿(源頼朝)に挙兵の誘いが来るのは自然なことである。
ちなみに、なぜ蜜月だった平清盛と後白河法皇との見解が悪化したかと言うと、一日〜二日で悪化したとかそういう話ではない。
実は、平清盛の妻と後白河法皇の妻は姉妹であった。
こうなると、お互いがお互いを不満に思っていてもなかなか手出しはできないものである。
しかし、ある日後白河法皇の妻である平滋子が亡くなる。そして後白河法皇側の人間たちが平家の横暴を抑制させねばと集まった「鹿ヶ谷の陰謀」も明らかとなり、平清盛側からすると後白河法皇を丁重に扱う意義が無くなった。
歴史的にはここを数万字で語っても面白いのだが、「鎌倉殿の13人」ではサイドストーリーではあるため超要約で恐縮だが、こういった一連の流れで幽閉へと話が進んだわけである。
そんな平家の横暴と実の父を幽閉されたことから挙兵したのが以仁王である。以仁王は下記の家系図の通り天皇になれなかった人物だ。それ故に挙兵で自らの地位の向上も考えていたと推測がされる。結果は後ほど改めて記すが失敗に終わり悲劇の人物と言っても過言ではない。
そんな以仁王からの挙兵の誘いを受けた佐殿だが、慎重に検討した結果挙兵には応じないことに。
理由は大きく2つ。
(1)源頼政では人はついてこない(以仁王をサポートしている源氏方)
(2)挙兵するなら棟梁として自ら率いる(第2話で義時に伝えた通り)
その後、この挙兵は平家方に早々にバレてしまい鎮圧。源頼政は自害、以仁王も命を落とすこととなってしまった。
佐殿からすると自らの判断が正しかったということで胸をなでおろす展開となった。
二度目の挙兵検討(Go! )
そんなある日、佐殿はその後正夢となるような夢を見た。後白河法皇が「一日も早く、わしを救い出せ。 清盛の首をとって、平家を京から追い出すのだ」と自らに助けを求める夢である。
当時の夢は神からのお告げとも考えられており、この夢を見た佐殿は自らの叫び声で飛び起きることに。
(今回はコミカルなシーンが少なそうだと思っていたが、ここは完全に三谷作品のアレだった)
その頃、三浦義澄が後白河法皇からの密旨を携えて京から北条の館へ。佐殿に仕えている安達盛長にその密旨を渡す。
しかし、三浦義澄も安達盛長も、その場にいた北条時政もこの密旨には懐疑的。とりあえずは安達盛長がそのまま所持することとなった。
そんなある日、街で平家の横暴を説く僧侶が。名前は文覚。宗時が北条の館へ連れていき、佐殿に会わせることになった。
文覚からの挙兵の誘いもあったが佐殿は応じなかった。彼は今回はちょい出しであったが今後幾度となく登場する人物なので頭の片隅に記憶しておくと良いだろう。
ここまで「挙兵は慎重に」の姿勢を崩さない佐殿だが、義時も政子も「で、どうするの?」という疑問を抱く事態に。
政子に「座して死を待つおつもりですか」に言われるほど。
義時は、木簡に記されている内容から米の量をはかり、民の人数を割り出し挙兵に協力してくれる人数を割り出そうと打診。概算では、伊東と大庭の軍勢に勝る勢力を築けるとも説いた。
※このシーンは今後の義時の頭脳明晰な立ち回りの片鱗としての演出と考えられる。
しかし、それでも佐殿は慎重だった。
「そんなの絵に描いた餅だ」と言い、大切なのは大義名分だと説いた。後白河法皇から直々の密旨でもあれば…ともこぼし、これに安達盛長は驚愕!
所持していた密旨を渡し、それにより佐殿は遂に挙兵を決意するのだった。
今回は慎重に慎重に挙兵が検討された回であった。それ故に「これで一気に平家討伐!鎌倉幕府へ進むのか!」と思われる方もいらっしゃると思うが、ここからが大変だ。
今後負け戦も挟み、様々な思案と尽力の元で世が動いていく。第1話と第2話ではあくまでも伊豆半島の小さな話と京を中心とした世は別の話であった。しかし、この第3話を契機に一つのうねりとなっていく。
今後の展開に期待が高まる第3話であった。
※この記事は「鎌倉殿の13人」の各話を1つにまとめたものです。
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(C)NHK