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2022年07月19日

<鎌倉殿の13人・源平合戦編>第1話~10話までの解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

<鎌倉殿の13人・源平合戦編>第1話~10話までの解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

第2話ストーリー&解説

第2話のストーリー

罪人・源頼朝(大泉洋)を処断しようと兵を率いて迫る伊東祐親(浅野和之)。しかし、北条義時(小栗旬)の父・時政(坂東彌十郎)が頼朝をかばって対立。両勢力が一触即発の状態となる中、平清盛(松平健)を後ろ盾に相模の武士団を束ねる大庭景親(國村隼)が現れる。一方、目まぐるしい展開に振り回される義時は、姉・政子(小池栄子)らの助けを受けて頼朝と富士の山すそにいた。だがそれもつかの間、弓矢が放たれ緊張が走る……

第2話・超簡潔ストーリー解説 

第2話「佐殿の腹」の物語を一言で表すならば、

役者名で表現すると
→小栗旬、今度は板挟みの受難!再会を巡る「大泉洋⇔新垣結衣」、挙兵を巡る「大泉洋⇔片岡愛之助」の意見相違に翻弄される!

歴史的に表現すると
→北条義時、巻き込まれの次は板挟み!再会を巡る「源頼朝⇔八重」、挙兵を巡る「源頼朝⇔兄・宗時」の意見相違に翻弄される!一方で普段本音を言わない佐殿=源頼朝だが、その腹の中では、「打倒平家」を考えていたことが明らかになる。

そんな物語である。

そもそも論だが、第1話の最後は何も決着が付いていなかった。

北条の館では伊東祐親率いる伊東家と、北条時政、北条宗時ら北条家がにらみ合いをしたままだった。

このままどうなるのか。そんなところに、(都合よくと言うと失礼だが)両家とも「この人の話なら頭を下げてちゃんと訊く」有力者が現れた。

その名は大庭景親。

大庭景親は相模の有力者であり、伊豆半島の有力者である伊東祐親でさえ全然太刀打ちできぬ人物である。彼により仲裁が行われることとなった。

その場で大庭景親は、伊東祐親にもさまざまな落ち度があったのでは無いかと指摘する。言われてみれば当然だが、監視役がちゃんと監視をしていなかったから源頼朝と愛娘・八重との間に子供が生まれる事態となったわけだ。

そうなると、喧嘩両成敗ではないが、条件を付けて和解をするしかない。

条件はそれぞれ痛み分けとなるよう2つ。

(1) 源頼朝は、北条家で預かる(=伊東はもう源頼朝と関わらない・追わない)

(2) 八重と源頼朝は二度と合わない(=伊東はもう2人の仲を心配する必要はない)

これが取り決められた。

一方、富士の麓まで逃げた北条義時と源頼朝

そこで、源頼朝の乳母をしていた人物を母に持つ、山内首藤経俊と出会い、今後のサポートなどが取り交わされた。

夜遅くになり、北条家へ帰還した2人であったが、大庭景親の仲裁により源頼朝は客人扱いとなった。

これで「晴れて挙兵じゃ!」などとなるわけではなく、この源頼朝の客人扱い=自由の身であることを一番喜んだのは間違いなく北条政子であった。


第1話でもそうだったが、はしゃぐ政子も面白いが、それを冷めた目で見る妹の実衣が個人的にはツボだったりもする。

ひとまず、第1話から続いてきた小競り合いはこれにて終了である。

ここからは、第2話のタイトルである「佐殿の腹」=源頼朝の本音が表に出るまでの話を振り返っていこう

佐殿の本音が現れるまで

その後の物語だが、前述の通りで主人公・北条義時は板挟みとなる。

まずは「源頼朝⇔八重」の板挟みについて。

八重は、大庭景親の仲裁により源頼朝との仲を引き裂かれ、別の者(江間次郎)の元へ嫁ぐこととなった。しかし、八重は最後にひと目源頼朝に会いたいとのことで、兄・宗時に頼まれその密会の場を義時がセッティングした。

しかし、肝心の源頼朝は行かない・会わないと言ったのだ。

「今更、会ってどうなる。時の流れに逆らうものではない。わしは行かぬ」

結果この密会は実現せず。兄に頼まれ仕方なくセッティングしたのに、板挟みとなった上に、プランすら崩壊する。義時相変わらずかわいそうである。

義時の受難はそれでは終わらない。兄・宗時は、源頼朝に挙兵してもらい平家討伐への第一歩を期待していた。源頼朝はそんな宗時の願いを把握しており、義時経由でその気はないと伝言を頼んだ。

「そなたの兄に伝えてほしい。わしに多くを望むな。わしは、兵など挙げん。戦は苦手じゃ」

第1話と合わせての話になるが、義時はここまで完全に巻き込まれているだけである。自分の意思で密会の場を作ったわけでもなく、挙兵なんて1ミリも願っていない。

なのに全部義時に負荷がかかっている。「佐殿の腹」とのタイトルの第2話だが、「義時またしても受難」でもいける内容だと文章を紡ぎながら思った次第である。

その後、源頼朝は心変わり早く、北条政子と三島へデートへ出かけた。

そこで源頼朝は心の内を少し明かした。

源頼朝「父が戦で死んだ後、14で流罪となった。八重だけが支えてくれたが、結局は苦しめてしまった」

北条政子「あの方の代りはできませぬ。でも、佐殿を私なりにお支えしとうございます」

2人の気持ちが通い合った瞬間と言っても過言ではないだろう。

改めて義時に戻ろう。義時は気が進まぬも、兄・宗時に伝言を伝えた。しかし、宗時は落胆することもなくこう言った。

「武家の棟梁になるお方は、本心を明かさぬな」

一見楽観主義の兄に映るが、これは完全に伏線であった。

その後、義時が北条の館へ戻ると、父・時政の新しい妻・りくが到着していた。

りくは今後存在感を増していくことになるだろう。

一方で、北条政子は伊東の館へ出向いていた。八重と対面し、完全なる宣戦布告というか通達を行った。

北条政子「佐殿が必要としてるのは、私であり八重殿ではない」

八重「思いを断ち切ることはできない。だが思いを断ち切る努力はする」

北条政子の気の強さ、八重の悲しき境遇、双方の人物像が掘り下げられた緊張感のあるシーンであった。

・伊東家と北条家の和解

・源頼朝が自由になる

・二重で板挟みになる義時

・源頼朝と北条政子が結ばれる

・北条政子が八重に一種の勝利宣言

様々なことが起きた第2話であったが、その最後の締めは緊張感のあるものであった。

源頼朝「伊東家は期待外れに終わり、幸い北条家が現れた。わしは挙兵して清盛を倒し、この世をただし、法皇さまの役に立つことだ。そのためには、政子が北条が欠かせぬのだ」

第1話でも源頼朝の恐ろしい一面は垣間見えたが、義時が直面したのは初めてである。

義時の心が初めて大きく揺れた瞬間であったことは間違いないであろう。

まだ伊豆半島を中心とした小さな物語であるが、世を動かす平清盛と後白河法皇は蜜月の関係も終焉が見え始めた。

大きな物語と小さな物語が徐々に結びついていく。それが結びついた後、平家の世が滅びるカウントダウンが始まり、鎌倉殿へのカウントダウンも同時に始まるのだ。

コメディ要素を中心に否定意見も垣間見られるが、映画もドラマも好きな人が好きに楽しむべき娯楽だ。楽しんでいる身からすればワクワクが止まらない。来週も楽しく視聴したい次第だ。


※この記事は「鎌倉殿の13人」の各話を1つにまとめたものです。

→元記事はこちら

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