CINEMAS+ライターが選ぶ!<2022年下半期ベスト映画“10選”>


2022年の下半期も、たくさんの名作&話題作が公開されました。CINEMAS+ではライターにアンケートを実施し、「2022年下半期のベスト映画」を集計しました。

10位:この子は邪悪

(C)2022「この子は邪悪」製作委員会

<ストーリー>
かつて一家で交通事故に遭い、心に傷を負った少女・窪 花。心理療法室を営む父・司朗は脚に障害が残り、母・繭子は植物状態に、妹・月は顔に火傷を負った。そんな花のもとに、自分の母の奇病の原因を探る少年・四井純が訪れる。やがて花は純と心を通わせていくが、ある日突然、司朗が5年ぶりに目を覚ました繭子を連れて家に帰ってくる。司朗は“奇跡が起きた”と久々の家族団欒を喜ぶが、花は”あの人はお母さんじゃない”と違和感を覚える。その時、街では謎の奇病が広がっていた……。

<基本情報>
出演者:南沙良/大西流星(なにわ男子)/桜井ユキ/渡辺さくら/桜木梨奈/稲川実代子/二ノ宮隆太郎/玉木宏 ほか

監督:片岡翔

公開日:2022年9月1日(木)

<CINEMAS+ライターの口コミ>

ミステリ小説も執筆する片岡翔監督の周到な伏線がバシっと決まったサスペンス。玉木宏の怪演にもゾクゾクした。

9位:ある男

(C)2022「ある男」製作委員会

<ストーリー>

弁護士の城戸(妻夫木)は、かつての依頼者である里枝(安藤)から、里枝の亡くなった夫「大祐」(窪田)の身元調査という奇妙な相談を受ける。里枝は離婚を経て、子供を連れて故郷に戻り、やがて出会う「大祐」と再婚。そして新たに生まれた子供と4人で幸せな家庭を築いていたが、ある日「大祐」が不慮の事故で命を落としてしまう。悲しみに暮れる中、長年疎遠になっていた大祐の兄・恭一が法要に訪れ、遺影を見ると「これ、大祐じゃないです」と衝撃の事実を告げる。愛したはずの夫「大祐」は、名前もわからないまったくの別人だったのだ…。「ある男」の正体を追い“真実”に近づくにつれ、いつしか城戸の中に別人として生きた男への複雑な思いが生まれていく……。

<基本情報>
出演者:妻夫木聡/安藤サクラ/窪田正孝/清野菜名/眞島秀和/小籔千豊/坂元愛登/山口美也子/きたろう/カトウシンスケ/河合優実/でんでん/仲野太賀/真木よう子/柄本 明    

監督:石川慶

公開日:2022年11月18日(金)

<CINEMAS+ライターの口コミ>

大変よかったです、観ながら自分とは何者かも考えてしまった。窪田正孝さんの、もはや一人二役のような演技が素晴らしかったです。不穏な展開になりつつ、真実が明らかになっていくドキドキ感もありつつ、最後のほうで安藤サクラさんが言ったセリフに納得しました。切ないけどよかったな、みたいな感じ。

>>窪田正孝×石川慶対談「自分を形成しているのは自分じゃない」、『ある男』の撮影を振り返る

>>妻夫木聡が演じる“徹底的なリアル”の魅力

8位:ONE PIECE FILM RED

(C)尾田栄一郎/2022「ワンピース」製作委員会

<ストーリー>
世界で最も愛されている歌手、ウタ。素性を隠したまま発信するその歌声は“別次元”と評されていた。 そんな彼女が初めて公の前に姿を現すライブが開催される。色めき立つ海賊たち、目を光らせる海軍、そして何も知らずにただ彼女の歌声を楽しみ にきたルフィ率いる麦わらの一味、ありとあらゆるウタファンが会場を埋め尽くす中、今まさに全世界待望の歌声が響き渡ろうとしていた。
物語は、彼女が“シャンクスの娘”という衝撃の事実から動き出すー。「世界を歌で幸せにしたい」とただ願い、ステージに立つウタ。ウタの過去を知る 謎の人物・ゴードン、そして垣間見えるシャンクスの影。音楽の島・エレジアで再会したルフィとウタの出会いは 12 年前のフーシャ村へと遡る。

<基本情報>
声の出演:田中真弓/中井和哉/岡村明美/山口勝平/平田広明/大谷育江/山口由里子/矢尾一樹 /チョー/宝亀克寿/名塚佳織/Ado/津田健次郎/池田秀一/山田裕貴/霜降り明星(粗品 せいや)/新津ちせ

監督:谷口悟朗

公開日:2022年8月6日(土)

<CINEMAS+ライターの口コミ>

これまでのONE PIECE映画とは一味違う作品で、まさに新時代の音楽映画という感じ。ストーリーやキャラクターはもちろんのこと、Adoが歌唱を担当したウタの歌声がいつまでも心に響く。ライブ感覚で何度でも観たい作品。

ONE PIECEがまさかの音楽映画に。バトルシーンの迫力とウタの魅力に見入ってしまった。

>>まさに新時代!『ONE PIECE FILM RED』は“音楽映画”だった

>>『ONE PIECE FILM RED』4DXの「5つ」の絶賛ポイントを解説!


7位:線は、僕を描く

(C)砥上裕將/講談社 (C)2022 映画「線は、僕を描く」製作委員会

<ストーリー>
砥上裕將著の同名小説を映画化。大学生の霜介(横浜流星)の世界が、アルバイト先で出会った水墨画によって変わり始める。喪失感を抱えていた霜介の心はどのように変化していくのか。喪失と再生を描く。

<基本情報>
出演者:横浜流星/清原果耶/細田佳央太/河合優実/江口洋介/三浦友和ほか

監督:小泉徳宏

公開日:2022年10月21日(金)

<CINEMAS+ライターの口コミ>

青春映画の新マスターピース。

迷っていた自分の背中を押してくれた作品。出来るか出来ないかじゃなく、やるか、やらないかだというセリフが心に響いた。横浜流星の演技をもっと見たい!

>>『線は、僕を描く』小泉徳宏監督インタビュー 横浜流星との話し合いで掴めたことは?

>>頼りになる男・江口洋介の笑顔|『線は、僕を描く』公開記念!



6位:RRR

(C)2021 DVV ENTERTAINMENTS LLP.ALL RIGHTS RESERVED.


<ストーリー>
舞台は1920年、英国植民地時代のインド。英国軍にさらわれた幼い少女を救うため、立ち上がるビーム(NTR Jr.)。大義のため英国政府の警察となるラーマ(ラーム・チャラン)。熱い思いを胸に秘めた男たちが”運命”に導かれて出会い、唯一無二の親友となる。しかし、ある事件をきっかけに、それぞれの”宿命”に切り裂かれる2人はやがて究極の選択を迫られることに。

<基本情報>
出演者:N・T・ラーマ・ラオ・Jr./ラーム・チャラン/アジャイ・デーブガン/アーリアー・バットなど

監督:S・S・ラージャマウリ

公開日:2022年10月21日(金)

<CINEMAS+ライターの口コミ>

音楽、ダンス、アクション、ストーリー…どれも素晴らしく、何度でも観たくなる作品。

創造神ラージャマウリ監督の新たな伝説。ストーリーテラー、ビジュアリストとしてラージャマウリ監督を超える人はいないのでは?

>>『RRR』主人公は2人だが1+1は2じゃない。オレたちは1+1で200だ!10倍だぞ10倍!どころではない100倍付けの面白さ

5位:映画 ゆるキャン△

(C)あfろ・芳文社/野外活動委員会

<ストーリー>
故郷の山梨を離れ、名古屋のちいさな出版社に就職し一人暮らしをしている志摩リン(声:東山奈央)。ある週末、ツーリングの計画を立てていたところ、高校時代の友人・大垣千明(声:原紗友里)から唐突にメッセージが届く。「今、名古屋にいるんだが……」山梨の観光推進機構に勤める千明は、数年前に閉鎖された施設の再開発計画を担当していた。やがて、リンの何気ない一言から動き出す千明。そして、東京のアウトドア店に勤める各務原なでしこ(声:花守ゆみり)、地元・山梨の小学校教師となった犬山あおい(声:豊崎愛生)、横浜のトリミングサロンで働く斉藤恵那(声:高橋李依)。かつてのキャンプ仲間が集まり、キャンプ場開発計画が始動する……。 

<基本情報>
声の出演:花守ゆみり/東山奈央/原紗友里/豊崎愛生/高橋李依/黒沢ともよ/井上麻里奈/伊藤静 ほか

監督:京極義昭

公開日:2022年7月1日(金)

<CINEMAS+ライターの口コミ>

社会人に沁みる優しさに感涙!

大人になって忘れてしまいそうな大切なことを教えてくれる。とにかく目標に向かって奮闘するなでしこたちが愛おしくて元気がもらえる!

>><ネタバレ解説>映画『ゆるキャン△』社会人に沁みる「5つ」の絶賛ポイント

4位:ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー

(C)Marvel Studios 2022

<ストーリー>
国王とヒーロー、2つの顔を持つティ・チャラを失ったワカンダ国。海の帝国の脅威が迫るなか、ティ・チャラの妹であり天才科学者のシュリ(レティーシャ・ライト)たちは、この危機に立ち向かおうとしている。そして、新たな希望となるブラックパンサーは、誰が受け継ぐのか?

<基本情報>
出演者:レティーシャ・ライト/ルピタ・ニョンゴ/ダナイ・グリラ/ウィンストン・デューク/ドミニク・ソーン/フローレンス・カスンバ/ミカエラ・コール/テノッチ・ウエルタ/マーティン・フリーマン/アンジェラ・バセットほか

監督:ライアン・クーグラー

公開日:2022年11月11日(金)

<CINEMAS+ライターの口コミ>

主役を失ったシリーズがどうなって行くのかという不安と新たな展開への期待が入り交じったまま見ました。現実(制作者)と物語(登場人物)が、悲しみを乗り越えどうして行くべきなのかという部分でリンクしている感じで、これからの展開前の追悼映画という意味でベスト1。音楽も良かったです。

MCUのフェーズ4としての作品として最後ということもあり、とても濃厚かつ、社会的意義のある作品だと感じました。前作主演だったチャドウィック・ボーズマンの死を受けて、作品の中でも同様の展開がされるところから始まるのは胸が熱くなりました。国王がいなくなった世界の中で、悲しみや不安などが蔓延している国がどうやって立ち上がっていくか。ヒーローものの映画としても良かったですが、展開の設定としても十分にパワーをもらえる作品に仕上がっていて、大切な人と観たいと思えるものだと思います。

>>『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』3つのポイントで紐解く「誠実さ」

>>『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』音楽から紐解く“母性の物語”

3位:こちらあみ子

(C)2022「こちらあみ子」フィルムパートナーズ

<ストーリー>
あみ子はちょっと風変わりな女の子。優しいお父さん、いっしょに遊んでくれるお兄ちゃん、書道教室の先生でお腹には赤ちゃんがいるお母さん、憧れの同級生のり君、たくさんの人に見守られながら元気いっぱいに過ごしていた。だが、彼女のあまりに純粋無垢な行動は、周囲の人たちを否応なく変えていくことになる。誕生日にもらった電池切れのトランシーバーに話しかけるあみ子。「応答せよ、応答せよ。こちらあみ子」―――。奇妙で滑稽で、でもどこか愛おしい人間たちのありようが生き生きと描かれていく。

<基本情報>
出演者:大沢一菜/井浦新/尾野真千子ほか

監督:森井勇佑

公開日:2022年7月8日(金)

<CINEMAS+ライターの口コミ>

目の前に広がる世界は、思っているより意地悪で、たくさん傷ついたりする。劇中映画の「フランケンシュタイン」が明示するように実はかなりホラー的な題材を、森井勇佑監督の鋭敏すぎる音楽と映像センスで普遍的なドラマに構築させてしまう技量に戦慄。掛け値なしの大傑作。

言葉では表現しきれない映画ならではの奇跡が散りばめられた一作だった。積み重なる悲劇の連鎖ですら喜劇に変えてしまうあみこ。その揺るぎない眼差しに心底救われた。


2位:すずめの戸締まり

(C)2022「すずめの戸締まり」製作委員会

<ストーリー>
九州の静かな町で暮らす17歳の少女・鈴芽(すずめ)は、「扉を探してるんだ」という旅の青年に出会う。彼の後を追うすずめが山中の廃墟で見つけたのは、まるで、そこだけが崩壊から取り残されたようにぽつんとたたずむ古ぼけた扉。なにかに引き寄せられるようにすずめは扉に手を伸ばす。やがて、日本各地で次々に開き始める扉。その向こう側からは災いが訪れてしまうため、開いた扉は閉めなければいけないのだという。迷い込んだその場所には、すべての時間が溶けあったような空があった。不思議な扉に導かれ、すずめの“戸締まりの旅”がはじまる。

<基本情報>
声の出演:原菜乃華/松村北斗/深津絵里/染谷将太/伊藤沙莉/花瀬琴音/花澤香菜/松本白鸚 ほか

監督:新海誠

公開日:2022年11月11日(金)

<CINEMAS+ライターの口コミ>

新海誠監督の最高傑作。

「ダイジンは鈴芽の子にはなれなかった。鈴芽の手で元に戻して」で泣きました。

>>『すずめの戸締まり』新海誠監督の優しさが沁みる「10」の考察

>>『すずめの戸締まり』新海誠が国民的作家であることを高らかに宣言した、記念碑的作品

>>『すずめの戸締まり』神木隆之介の“芹澤朋也”に感じた『君の名は。』瀧くんとは異なる魅力

1位:THE FIRST SLAM DUNK

(C)I.T.PLANNING,INC. (C)2022 SLAM DUNK Film Partners

「スラムダンク」について
週刊少年ジャンプ(集英社)1990年42号から1996年27号まで連載された、井上雄彦による少年漫画。高校バスケを題材に選手たちの人間的成長を描き、国内におけるシリーズ累計発行部数は1億2000万部以上。その影響からバスケを始める少年少女が続出し、テレビアニメ(1993年10月~1996年3月)やゲームなども製作された。2006年、若いバスケットボール選手を支援するための「スラムダンク奨学金」が設立される。2018年、全カバーイラスト描き下ろし、物語の節目ごとに巻を区切り直した新装再編版(全20巻)刊行。2020年、イラスト集『PLUS / SLAM DUNK ILLUSTRATIONS 2』刊行、連載開始から30周年を迎えた。

<基本情報>
出演者:声の出演:仲村宗悟/笠間淳/神尾晋一郎/木村昴/三宅健太ほか

監督:井上雄彦

公開日:2022年12月3日(土)

<CINEMAS+ライターの口コミ>

TVアニメ、原作で味わった楽しい体験を、まさかこんな最高な映画という形でまた体験できるとは思ってなかったため。今油断するとすぐにファーストスラダンの話をしてしまう。

公開まであらすじや詳細などが明かされず、若干炎上気味だったが、公開してみると多くの人たちが大絶賛。既存の漫画、アニメの作品とはいえ、初めて観る人、もちろん既存のファンも大納得の作品。また、作品のクオリティも非常に高く、何度も観たいと思わせる情熱が注ぎ込まれていました。2022年末の締めくくりの映画としてはベストではないかと思いました。

漫画がアニメになる高揚感がドッと試合に雪崩こみ、バスケットボールをドリブルするように伸縮自在な時間の魔法で紡ぐ、ゲームに燃え上がる者たちの群像劇にスラムダンクのことを全く知らない私の心も鷲掴みにされた。

>>【興行収入分析】『THE FIRST SLAM DUNK』徹底的なシークレット宣伝の結果は?

>>『THE FIRST SLAM DUNK』を褒めちぎりたい理由、そして思い知る原作の偉大さ

ランク外でも……おすすめしたい作品


『ブレット・トレイン』 日本を舞台にした小説原作の海外作品。日本の描写には"海外ならでは感"がありつつも、狭い車内でのアクションシーンを始め、特にサスペンス要素がふんだんに取り入れられて、先の展開が読めないところが面白かったです。ブラッド・ピット主演とは言いつつも、そこまで主演感もなく、様々な展開が繰り広げられる中で登場する全員が主演と言って良いほど。小説とアクション映画の良いところ取りという感じ。

『手』 なんと生々しい恋愛映画なんだろうか。ロマンポルノなのでどぎついシーンもあるんだけど、全然嫌な感じがしないのが松居大悟監督の手腕かなぁ。

『雨を告げる漂流団地』 子どもたちの心理描写がうまい!

『その声のあなたへ』 故・内海賢二の声を聞きながら育った世代なので涙涙。

『アフター・ヤン』 映像がとにかく美しい。AIと人間の絆の強さと儚さに涙が止まらなかった。




アニメーション映画がやや強い下半期となりました。
後ほど、年間ベスト映画の記事も公開します! そちらもぜひお楽しみに。

(文:シネマズ編集部)

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