<インフォーマ>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第10話ストーリー&レビュー
第10話のストーリー
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冴木(森田剛)に火だるま殺人を指示した元・国土交通大臣の石上兼人(石橋蓮司)の目的は、木原(桐谷健太)を誘き出し、木原と冴木という、幼い頃から可愛がってきた二人を闘わせるという歪んだ愉悦を得ることだった。だが、それを知った冴木は石上を銃殺する。
一方、岡林(田島亮)が冴木に殺された現場に居合わせた三島(佐野玲於)は、遅れて到着した木原に、すべての黒幕が石上だったことを話す。
愛之介(横浜流星)のための復讐を石上に利用された——。情報源として信頼しつつもどこか予感していたことが確信に変わった木原は、冴木と決着をつけると覚悟を決めて…。
夜、人気のないある場所に、冴木がやって来る。壁に貼られた古い新聞記事の前で立ち止まり、そこに写った幼き日の自分と、当時、自分がいじめっ子たちから幾度となく助けた、ひとりの少年の姿に思いを馳せる。すると、背後から「久しぶりやな、にいちゃん」という声が。振り向くと、そこに立っていたのは木原で…。
木原と冴木、因縁の二人による闘いのゆくえは……。そして、ポンコツ2号として木原を追い続けた記者・三島が最後にとった、ある行動とは!?
第10話のレビュー
黒幕とも言える石上(石橋蓮司)が冴木(森田剛)に銃殺される。石上の行動には正義も信念もなかった。ただの娯楽のため。
自分がかわいがっていた冴木と木原(桐谷健太)を闘わせるという趣味の悪い娯楽。
三島(佐野玲於)は木原を目的地に連れていく道中で真相を聞く。
冴木とは同じ施設で育ったこと。
石上は木原にとって重要な情報源だったこと。
信頼しつつも、石上に対する疑いはあったこと。
冴木が自分を信じる心。木原の愛之介(横浜流星)のための復讐。
それらを利用した石上の行動は最悪である。
そして木原は冴木と決着をつけるため、かつての自分たちの児童養護施設へ。廃墟となった建物の中。
そこで2人は再会する。
「兄ちゃん」と呼びかける木原。
ここに来て、ようやく冴木に表情が感じられる。空虚だった冴木の瞳に動きが出た、気がする。
自身の手で父代わりであった石上を殺した冴木に、木原は「本当の両親を探しに来たんか?」「情報が欲しければ、力ずくで奪ってみろ」と煽る。
そして冴木も木原のことを思い出してきた、と言う。
「ここにいるときもよく泣いてたね」
どっちも煽るなあ……。
(余談だが「泣いてたね」って……「泣いてたな」じゃなくて「泣いてたね」って冴木みたいなキャラクターが言うの、個人的に刺さる)
ドロドロになりながら、殴り合う木原と冴木。
そこで木原は冴木に気持ちを吐露する。
施設を去る冴木に行かないでほしかった、と。
幼いときの冴木は木原に言い聞かせる。
「強くなれ。大丈夫だ」と。その言葉が木原の中にはずっとあったのかもしれない。
そして、「兄ちゃんを見つけるために情報屋になったんじゃ!」と叫ぶ木原。
そうだったの!? と驚いてしまったが、そうだったらしい。
泣きながら、冴木を殴る木原。別に、殴りたくて冴木を探していたわけではないのに。辛い。
そんな木原に冴木は銃口を向ける。が、その銃を木原に握らせ、銃口を自分に向ける。
「殺れよ」「殺れ」
「ごめんな、兄ちゃん」
響く、銃声。
1週間後。
それぞれの日常が戻りつつあった。
三島が書いた記事が世の中に出た。
警察に圧力をかけていた勢力にも捜査の手が伸びる。
デスクの箱崎(山中崇)も復帰した。無事でよかった。
そして、行方知れずだった木原と三島の再会。それも三島がナナ(北香那)といい雰囲気のときに。
もちろん、木原は手ぶらではない。何やら重要な情報を持って。もちろん知ってしまうと命が狙われるようなヤツだ。
早速やってきた追手から逃げる三島と木原だが、心なしか楽しそうである。生きろ、2号くん……!
ラストシーンは、のどかな町のベンチで煙草を吸う冴木の横顔。生きてた!!
木原は冴木を殺さなかった。木原が引き金を引いたあと、どのようなやりとりが2人の間であったのか。
ただ、木原のベースには子どものころの冴木がいる。きっと、木原は冴木のように「誰か」の「兄ちゃん」になりたかったのだろう。
それにしても、一連の事件に関しては、探すまでもなく正義がなかった。
正義などくそくらえ、ぐらいの勢いで行動を起こす人間もいるのだということは、心に刻んでおきたい。
そしてそういう人間は、恐ろしい。
※この記事は「インフォーマ」の各話を1つにまとめたものです。
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