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2023年02月18日

<罠の戦争>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

<罠の戦争>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

最終話ストーリー&レビュー

最終回のストーリー


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鷲津(草彅剛)を陥れるために怪文書をばらまいた犯人は眞人(杉野遥亮)だった。その動機が、亡くなった兄の陳情を鷲津が取り合わなかったことだと察した梨恵(小野花梨)は、眞人に当時の状況を説明。しかし眞人は、納得するどころか、秘書として尊敬できる先輩であり、ひそかに思いを寄せる梨恵が、真実を知りながら鷲津をかばっていたことにショックを受け、もう誰も信じられないと、ある場所へ向かう。

一方、副大臣のポストを逃したことで鷹野(小澤征悦)と決裂した鷲津は、総理官邸に呼び出される。竜崎(高橋克典)によると、すっかり欲深くなった鷹野が、現在のポストに飽き足らず、さらなる権力を手にしようと竜崎の周辺をかぎまわっているという。竜崎から、鷹野を黙らせるだけのスキャンダルをつかめと命じられた鷲津は、今後のためにもなんとか総理に恩を売ろうと、早速、梨恵に鷹野の身辺を探るよう指示。すると梨恵は、やりきれない表情で、ある人物に相談を持ちかける。

息子・泰生(白鳥晴都)の事件をきっかけに、永田町にはびこる悪しき秩序を排除すべく国会議員にまで上り詰めた鷲津。しかし、次第に権力という名の魔物に取りつかれ、さらなる力を欲するようになると、代議士・鷲津亨を支えてきた秘書や、志を同じくして闘ってきた鷹野や由貴(宮澤エマ)、そして可南子(井川遥)との関係にも異変が!? 権力にとらわれた鷲津に待ち受ける未来とは――!?

最終回のレビュー

鷲津(草彅剛)の闇落ちが止まらない。怪文書の犯人が蛯沢(杉野遥亮)とわかるや否や彼を解雇、ついていけなくなった蛍原(小野花梨)にも「退職届、書いといて」と言い渡し、ついには可南子(井川遥)との関係も破綻してしまう。

熊谷記者(宮澤エマ)にはとっくに愛想を尽かされ、どんなときも話を聞き、力になってくれた鷹野(小澤征悦)とも決裂してしまった。竜崎総理(高橋克典)側についた時点で、鷲津は破滅への道を歩み始めてしまったのかもしれない。

権力の味を覚え、どんどん悪の方向へと舵を切る鷲津。彼の目を覚まさせてくれたのは、可南子から離婚届を突き出された瞬間、そして、自分の教えを守りイジメられっ子を助けた息子・泰生(白鳥晴都)の存在だろう。

鷲津は本来、泰生の事故をきっかけに「弱い者のために権力に立ち向かう力をつけたい」と思ったからこそ、議員を志したのだ。それがいつしか、鶴巻幹事長(岸部一徳)が言ったように「人を救うことに気持ちよさを覚える」ようになってしまった。

家族のために立ち上がったはずの鷲津が、いつの間にか、自分自身が家族を傷つける立場になっている。引き返すには、もう遅いかもしれない。味方が誰一人残っていない状態だ。

ここで思い出されるのは、鷲津が蛯沢から聞いた、滅多に咲かない真竹の花の話。

彼が花が咲いたあとの竹の行く末を調べたのは、いつ、どのタイミングだったのだろうか。

竹の花が枯れたあとは、古い竹藪はなくなり、まっさらな土地に日光がさす。そして、また新たな竹が生え始める。古いものは淘汰され、新しいものが芽吹く。

自分がすべきこと、本来やろうとしていたことを思い出した鷲津は、すべてを公にするために記者会見の生中継を決行。

「中継が切れる前に本当のことを伝えておきたい!」

「私は罪を犯しました!」

当然、総理側の妨害に遭ってしまうが、場所を議員室に移しネット配信に切り替え、これまで掴んできたさまざまな不正を暴露した。鷲津を演じる草彅剛の真骨頂、進化し続ける表現力が垣間見えたシーンである。

「不正を隠蔽しなければ守れない? そんな政治、壊れちまえばいいんだよ!」

壊れたっていい。必死に守ろうとして、足掻かなくたっていい。だって、壊れてもまた再生できるから。すべてを無に帰して、ゼロからやり直したほうが、上手くいくこともあるから。

可南子、泰生、鷹野、蛯沢、蛍原、熊谷……これまで支えてきてくれた仲間を裏切り、信頼を失った鷲津だからこそ、自らゼロになることを選べたのかもしれない。

すべてを告白した鷲津は、蛯沢にこれまでのことを詫び、警察へ出頭。女性支援のために政界に打って出た可南子は見事当選を果たし、なんと、その秘書として鷲津がおさまった。

なんとも綺麗な幕引きで、大団円という言葉がピッタリ当てはまる。犬飼元大臣(本田博太郎)が1シーンだけ登場し、あの独特な「鷲津っ!」を聞かせてくれたのも、嬉しい展開だった。

しかし最後の最後で、ちゃっかり総理になった蛭谷(小野了)と鶴巻(岸部一徳)の姿が……。エンドクレジットで「また、どこかで」と出ていたあたり、もしや劇場版が期待できるのでは? と嬉しい勘ぐりをしてしまう。

「銭の戦争」「嘘の戦争」に続く戦争シリーズ「罠の戦争」が完結。またどこかで、彼らに会えるのを楽しみに待ちたい。


※この記事は「罠の戦争」の各話を1つにまとめたものです。

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