<罠の戦争>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第2話ストーリー&レビュー
第2話のストーリー
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泰生(白鳥晴都)が歩道橋から突き落とされた事件をもみ消そうとする犬飼(本田博太郎)に、激しい怒りの炎を燃やす亨(草彅剛)は、息子の命を軽んじた犬飼を失脚させようと決意。私設秘書の梨恵(小野花梨)、新人秘書の眞人(杉野遥亮)の協力を得て、まずは大臣の懐刀である、政策秘書の虻川(田口浩正)を排除する作戦に打って出る。
女性秘書に対するパワハラ、釈明会見での原稿ミスと、犬飼のイメージを失墜させるミスを立て続けに起こした虻川だったが、それでも地位は盤石。亨によれば、虻川は事務所の金庫番で、犬飼も知らない金の流れをすべて把握しているため、うかつにクビにはできないという。亨は、虻川の生命線ともいえる裏帳簿を何とかして手に入れようと画策。その思惑に気づかれないよう、眞人には虻川の動きを見張ってほしいと頼む。
翌日、眞人は仕事を教わる名目で、朝から虻川と一緒に犬飼の地元へ。亨に言われた通り、犬飼失脚のため、虻川の行動に目を光らせるが、そこには、今は亡き大切な家族への思いが秘められていた――。
一方の虻川は、亨が自分を陥れようとしていることをすでに察知していた。そして、亨が雑誌記者の熊谷由貴(宮澤エマ)と手を組み、犬飼の息子・俊介(玉城裕規)の不正を暴こうとしていることを知った虻川は…。
第2話のレビュー
息子・泰生(白鳥晴都)を突き落とし、意識不明にさせた真犯人を探し出すべく、行動を開始した鷲津(草彅剛)。そのためには、犬飼大臣(本田博太郎)の失脚が余儀なくされる。鷲津が最初に定めたターゲットは、犬飼事務所の政策秘書を務める虻川(田口浩正)だ。彼が、セクハラ・パワハラ当たり前&言動に難ありまくりの問題児であることは、1話の時点で周知のとおり。多くの視聴者が「なぜクビにならず事務所に留まっているのか?」と思っているに違いないが、虻川が持つ最終兵器のために、大臣はなかなか彼を切れない。
それは、裏帳簿である。
犬飼でさえ把握していない金銭の流れを、アナログで記録した茶表紙の手帳。それがあるかぎり、虻川自身も「そう簡単に俺のクビは切れない」とたかを括っているのだ。これまで彼がやりたい放題だった理由は、これだったのかもしれない。
「大臣を潰すために、まずは虻川を排除する」
暗い目でそう宣言する鷲津を見て、蛯沢(杉野遥亮)は鼓舞されつつも、少し恐怖を抱いたようだ。
しかし、蛯沢も犬飼に対して強い恨みを持つ側である。彼には兄がいた。潰れかけた会社をなんとかしてもらおうと、犬飼に対し陳情したにも関わらず、「善処します」の一言で流されてしまった兄が。最終的に、兄は過労の末、亡くなってしまう。こっそり会食に紛れ込み、生卵をぶつけるくらいでは晴れない恨みのはず。
蛍原(小野花梨)も、強い味方だ。2話では活躍シーンが控えめだが、大臣に対し激昂しそうになる蛯沢をスマートになだめたり、虻川に対し「救いようがないよなあ、自覚のないクズって」と煽ったりしてみせる。彼女の立ち振る舞いは、油断するとドロドロしすぎてしまう復讐劇を、良い塩梅に中和して見せている。
鷲津は、虻川を陥れるため、あらゆる罠を仕掛ける。会見用の原稿をすり替える、「虻川が、犬飼大臣失脚のネタを週刊誌に売ろうとしている」と噂を流す、挙げ句の果てには暴行事件をきっかけに警察に連行までさせた。なかなか容赦がない。
すべては、泰生を歩道橋から突き落とした真犯人を、虻川の口から明らかにさせるためだった。しかし、鷲津が与えた「最後のチャンス」に対し、虻川は「知ってても言わねえ」の一辺倒。
最終的には、最後の切り札・裏帳簿が見つかってしまい、大臣の手によってクビにされてしまった。鷲津の計画が、すべて上手い具合に運んだのである。
しかし、裏帳簿を見つけたのも、暴行事件を起こすために友人を生贄にしたのも、蛯沢だ。鷲津と蛯沢、このタッグはなかなかに悪どい。
晴れて虻川を破滅させられたのは良いものの、真犯人が誰かはわからずじまいだ。
しかし、視聴者にはヒントが与えられた。事件当日、泰生はバスのなかで、とある男性から目をつけられた可能性が浮上。満員のなかに立つ高齢女性を気遣い、優先席に座る男性に「席を譲ってあげたらどうか」と提案したのが火種だった。
バスを降りる泰生、そのあとを追う男性。両者を目撃した証言も出てきたことから、泰生が恨みを買ってしまった線は濃厚である。この男性=犬飼大臣の息子・犬飼俊介(玉城裕規)だと仮定すると、今回の一件に綺麗な筋が通る。
手強かった虻川はいなくなった。次なる障害は、いったい誰か?
どうか、強い立場にいる者が権力を振りかざして終わるのではなく、弱い立場にいる者が気持ちよく勝つ姿を見せてほしい。
※この記事は「罠の戦争」の各話を1つにまとめたものです。
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