<罠の戦争>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第3話ストーリー&レビュー
第3話のストーリー
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鷹野(小澤征悦)の調べによると、泰生(白鳥晴都)の一件は当初、事件として捜査されていたが、何者かの圧力により事故扱いになったという。そのうえ、バスの中で老女に席を譲るよう泰生に促された男が、泰生を追うようにしてバスを降りたことが分かる。
永田町では、亨(草彅剛)が虻川(田口浩正)に変わって政策秘書へと昇進し、一方で、民政党幹事長の鶴巻(岸部一徳)が、幹部たちを集めて次の総選挙が早まりそうだと通達していた。鷹野からその話を聞いた亨は、犬飼からすべてを奪うチャンスがきたと奮い立ち、犬飼の政治生命を絶つために必要な材料を集めようと、虻川の裏帳簿のコピーを調べ始める。すると、事務所資金が俊介(玉城裕規)のために私的流用されていることが判明。お坊ちゃん気質なうえに気が短い俊介は、逆上してあちこちで暴力沙汰を起こし、そのたびに示談金を支払って解決していたのだ。
俊介が逆恨みで暴力を振るったことを知った亨は、すぐさま泰生の事件を思い出し、その脳裏には、ある疑惑が。そこで、毎日犬飼と行動をともにし、ときに犬飼と俊介の親子げんかに巻き込まれて閉口している運転手の牛尾(矢柴俊博)に目をつけ、事件当日の犬飼親子の様子を聞き出そうとするが…。
第3話のレビュー
なんと、3話にして犬飼大臣(本田博太郎)が失脚! 鷲津(草彅剛)のファインプレーにより、過去の収賄疑惑が暴露された犬飼は、とうとうその座を追われることになった。心筋梗塞で病院送りになった彼が「こんなことでは終わらない」「突き落とした犯人を知りたいか? 俺も知らないんだよ、バーカ」と捨て台詞を残したのは気になる(+腹が立つ)が、確かに、これで鷲津の復讐が終わったわけではないだろう。
犬飼大臣、おまけに彼の息子・俊介(玉城裕規)を破滅させるのが目的だった鷲津。その両方が叶ったわけだが(俊介も暴行事件が明るみに出て警察に連行された)、当の泰生(白鳥晴都)を歩道橋から突き落とした真犯人は、わからずじまいだ。
真犯人を割り出すヒントは、ひとつ。犬飼の運転手・牛尾(矢柴俊博)から得られた。彼はかつて、犬飼が電話で話しているのを聞いていたのだ。「面倒な話だが、これで大きな貸しが作れる」と。
SNS上でも考察が飛び交ったポイントである。犬飼が「大きな貸しが作れる」と喜ぶ相手は、限られてくるだろう。竜崎総理大臣(高橋克典)か、鶴巻幹事長(岸部一徳)か。ただ、ここで大きな貸し借りができたにしては、あまりにも二人からの犬飼に対する評価が低い&扱いが軽いのが気になるところだが……。
総理か幹事長の関係者が、泰生を突き落とした(あるいは誰かに突き落とさせた?)。それを隠蔽するため、鷲津の面倒を20年みている犬飼に白羽の矢が立った。今のところ、違和感のない流れではある。
問題はここからだ。犬飼、息子の俊介はもう破滅したも同然。「二人を徹底的に暴く」という鷲津の目論見は達成したことになるが、真犯人を見つけ出す道は、半ば閉ざされたことになる。鷹野(小澤征悦)の計らいにより、次の総選挙に出馬することになりそうな鷲津が、次に打てる一手とは?
それにしても、平常時は淡々としつつ、感情が揺れる場面ではしっかりと全力で表現し切る、草彅剛の演技が映えるドラマである。「権力に立ち向かうためには、力を持つべき」とする流れに、彼が演じる鷲津はどのように乗っていくのだろうか。
爽快な復讐劇も見ていてスカッとするが、ここにきてミステリとしての面白さも感じられるようになってきた。泰生を突き落とした真犯人とは、いったい? SNS上で毎週のように考察合戦が繰り広げられるさまも、楽しんで見守りたいところだ。
※この記事は「罠の戦争」の各話を1つにまとめたものです。
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