<ブギウギ ・戦後編>16週~19週までの解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
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2023年10月2日より放送スタートしたNHK連続テレビ小説「ブギウギ」。
「東京ブギウギ」や「買物ブギー」で知られる昭和の大スター歌手・笠置シヅ子をモデルにオリジナルストーリーで描く本作。小さい頃から歌って踊るのが大好き、戦後の日本を照らす“ブギの女王”となっていく主人公・福来スズ子を趣里が演じる
CINEMAS+ではライター・木俣冬による連載「続・朝ドライフ」で毎回感想を記しているが、本記事では、戦後、楽団を解散したスズ子に転機が訪れる16週~19週までの記事を集約。1記事で感想を読むことができる。
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もくじ
第72回のレビュー
第16週「ワテはワテだす」(脚本:櫻井剛)は、スズ子(趣里)は新たなターンに突入、俳優に挑戦することになりました。新キャラとして、喜劇王・タナケンこと棚橋健二(生瀬勝久)が登場します。この人がなかなか曲者のようで……。
楽団解散から3ヶ月。いろいろ変化が起こっています。小夜(富田望生)が付き人を辞めて姿を消し、愛助(水上恒司)は大学を卒業し、村山興業に就職し、宣伝の勉強中。
髪型がぱりっとしてスーツ着て帽子かぶった姿はかっこいい。
小夜のことも、今はそっとしておいたほうがいい。気の迷いということもあると助言するところなんて、大人の配慮です(でもそのせいで、スズ子が家を見に行ったときにはすでに小夜は家を出てしまっていたのですが……)。
愛助に対して、スズ子は「これ、朝ごはんなんやから新聞閉じ」なんて、お母さんみたいです。ネクタイは窮屈と緩めているところも、母の前で息子がじれているみたいに見えました。
見た目や声は少女のようなのに、ちぐはぐなところがスズ子らしさなのかもしれません。
なにしろ「コペカチータ」という謎の歌を、羽鳥(草彅剛)に託されるのですから。不思議なリズムはスズ子にしか歌えないと羽鳥は期待をかけます。
「コペカチータ」がスズ子のモデルである笠置シヅ子の持ち歌です。「コペカチータ」とは「ラッパと娘」のなかの「バドジズデジドダ」みたいな、意味をもたない謎のワードでしょうか。羽鳥はいったいどんな曲を作ったのか、聞くのが楽しみです。
さて。タナケンこと棚橋健二は、笠置シヅ子と共演していたエノケンこと榎本健一がモデルなのでしょうか。公式ではモデルとはうたっていませんが、名前が似すぎているし、「孫悟空」や「猿飛佐助」はエノケンの代表作でもあるのです。
モデルと公言したりしなかったりの違いは何なのか気になります。以前、ある番組で聞いた話は、遺族や関係者と連絡がとれないときはボカしていたようです。「ブギウギ」のスタンスがそうかはわかりません。
それはそうと、エノケンの劇団には菊谷栄という座付き作家がいまして。「ブギウギ」で山下マネージャーを演じている近藤芳正さんは三谷幸喜さんの傑作「笑の大学」で菊谷栄をモデルにした人物を演じています。山下がものすごく熱心に、タナケンの芝居にスズ子を出させようとする様子に、「笑の大学」の近藤さんを思い出してしまうのです。
山下にタナケンとの仕事を勧められたスズ子ですが、実際に会ったタナケンは気難しく、無礼な印象。スズ子は怒りを前面には出さないながらも、断る気満々でしたが、羽鳥が音楽監督で、新曲「コペカチータ」を用意しているものだから、やるしかなくなります。
怒っていても、我慢して感情を小出しにしているスズ子は立派だなあ。
※この記事は「ブギウギ」の各話を1つにまとめたものです。
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