<ブギウギ ・戦後編>16週~19週までの解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第82回のレビュー
昭和22年のお正月。愛助(水上恒司)が大阪に戻って1ヶ月。ひとりさみしく三鷹の家にいるスズ子(趣里)のもとへ、山下(近藤芳正)がおせちを持って訪ねてくれました。
ささやかなお料理ですが、山下の気遣いが染みます。昆布巻は「養老昆布」で「よろこぶ」。不老長寿や子孫繁栄の願いのこもったお料理。山下が、愛助の回復と無事出産を祈っているのだと感じます。
スズ子は「ジャズ・カルメン」の稽古を進めています。
羽鳥(草彅剛)は「恋をしている人が歌うと違うね」などとノリノリ。周囲も心配していたけど、小島プロデューサー(田村裕)も満足。
ええ? そうなの? ぽっこりお腹が大きい妊婦がカルメンを歌い踊る姿はそんなに魅力的でしょうか。妊婦さんを差別しているわけではなくて、心配になってしまうからです。かすかなお腹の膨らみならまだしも、ドラマだとかなりぽっこりしているので。
笠置シヅ子さんの自伝によりますと、妊娠6ヶ月で「スイング・カルメン」をやっていました。ただ、”スカートとショールと扇でカムフラージュして”と書いてあります。ドラマだと、お腹をあえて目立たせて売りにしているように見えます。
当時は目立たせないようにして、妊婦に労働させていたのでは……という芸能界の過酷さを感じたりなんかもします。
その公演前に週刊誌の記者・鮫島鳥夫(みのすけ)が稽古場に潜入し、写真を撮って雑誌に「父親は誰?」というような記事を掲載しました。
記者が逃げていくとき、小島が言う「こっちはもみ消しのプロだ」っていうセリフが芸能界と週刊誌の抗防はこの頃からあるのだなあと感じます。
雑誌に写真が載ったことで、愛助もスズ子の最近の姿を見ることができて、不幸中の幸いだったかもしれません。
愛助はなんとしても「カルメン」を見に行こうと思っていますが、なかなかそうもいかず……。
トミ(小雪)に命じられ、愛助の世話をしている矢崎(三浦誠己)だけはマスクをしているところが正直者であります。ほかの人達はなぜかマスクをしないので。それは愛助に気を遣っているのでしょうけれど。
それにしても、愛助がこんなに具合が悪いのに、結婚を認めてあげないトミの意地っ張りもどうかしている気がします。元気になってほしいなら、楽しい気持ちにさせてあげるのが一番なのに。
そして、本番、ヒロインはお腹が大きいけれど、共演者や演出や照明が本格的で、とてもかっこいいステージになりました(演出:荻田浩一先生)。遠くの席だったらお腹に気づかないかも? ちなみに、この記事のサムネイル写真はちょうどお腹が見えないようになっていて、とてもかっこよく見えます。
趣里さんも、紫の衣裳や黒いハットが妖艶でお似合いでした。目線が決まってた!
趣里さんはこういうちょっと陰影のあるもののほうが似合う気がします。
※この記事は「ブギウギ」の各話を1つにまとめたものです。
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