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2021年06月18日

「ゆるキャン△2」第12話までのネタバレ感想|実写化の稀有な成功例が描いた「ドラマだけ」のこと

「ゆるキャン△2」第12話までのネタバレ感想|実写化の稀有な成功例が描いた「ドラマだけ」のこと


第12話のあらすじ&感想

第12話のあらすじ



初めてのソロキャンプを終えたなでしこ(大原優乃)は一人の良さも、皆で行うキャンプの楽しさも知り、ますますキャンプにはまっていく。

そしてまたクリスマスの時のように野クル(野外活動サークル)、リン(福原遥)、斉藤(志田彩良)皆でキャンプに行こうと計画する。すると顧問の鳥羽(土村芳)が今度はテスト後の3月に伊豆はどうかと提案し、伊豆キャン計画が決定する。

それぞれにテスト勉強とバイトに励み、今度は皆で伊豆へ…

第12話の感想

「ゆるキャン△2」が最終回を迎えた。最終回はソロキャンを終えたなでしこ(大原優乃)が日常に戻った様子が描かれたが、野クルの千明(田辺桃子)とあおい(箭内夢菜)、そしてリン(福原遥)、恵那(志田彩良)、野クル顧問の鳥羽先生(土村芳)も巻き込んで、新たに伊豆キャンプの計画が語られるなど、シーズン3への期待もたっぷり含んだものになっていた。

「ゆるキャン△」は「漫画原作のテレビドラマ化の中でも特筆すべき成功例」と言われているが(文春オンライン 6月18日)、それは何よりも原作と先行したアニメ版にリスペクトを持ち、ひたすら忠実に実写化したからに他ならない。同じロケ地を使うのは当然のこと、小道具も忠実に再現、キャストはアニメ版の声優の声の出し方を研究し、ドラマのテンポやトーンも原作やアニメ版が持っていた絶妙なバランスを保つために細心の注意が払われていた。

独自の解釈や飛躍などを入れないのは、「ゆるキャン△」ファンの気持ちを大切にするため。その上で食べ物や雄大な風景など実写ならではのアドバンテージを加えて制作したことが「成功」へとつながったのだろう。
 
では、「ゆるキャン△2」の最終回が、単にシーズン3へのつなぎだったかというと、少し異なる印象を受けた。エンディングでは、5人が学校からの帰り道、駅の前でそれぞれ分かれて帰途につく。映像はスローモーションになり、それぞれの生き生きとした表情がアップで映し出される。5人の心の中は、テスト明けの伊豆キャンプでいっぱいだろう。だけど、それぞれの別れ道が「やがて大人になっていくこと」を示唆しているような気がしてならなかった。

「ゆるキャン△2」のオープニング曲、LONGMAN「Hello Youth」とエンディング曲、門脇更紗「わすれものをしないように」は、音楽のジャンルも曲調も何もかも違うのだが、どちらにも歌詞の中に「大人になる」という要素が含まれている。前者は「大人になって賢くなって夢広がって楽しくなって」「まだ行かないで何も終わってないよ」と歌い、後者は「大人になりすぎても変わらずいたいよね」「明日のことばかり考えてわすれものをしないように」と歌う。大人になっていく中で、一瞬のきらめきである青春の楽しさ、大切さ、はかなさを歌っているように聞こえる。

ドラマ版の「ゆるキャン△」が原作、アニメ版ともっとも違うところは、出演者が年齢を重ねていくところだろう。彼女たちは、どうしたって大人になっていく(正確には5人とも20歳を過ぎているので、すでに大人なのだが)。原作、アニメにリスペクトを持ちつつ、キャスト5人の大切な一瞬をとじこめた作品がドラマ版「ゆるキャン△」なのかもしれない。

で、何が言いたいのかというと、シーズン3を制作するなら早めにお願いします、ということに尽きるのである。



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(c)ドラマ「ゆるキャン△」製作委員会

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