「ゆるキャン△2」第12話までのネタバレ感想|実写化の稀有な成功例が描いた「ドラマだけ」のこと
第2話あらすじ&感想
第2話のあらすじ
ソロキャンプが趣味の女子高生・志摩リン(福原遥)は年越しソロキャンプで静岡を訪れていたが、路面凍結の影響で3日まで家に帰れないことに。そんな中、なでしこ(大原優乃)から浜松にある祖母の家に誘われる。到着するとなでしこの幼なじみの綾乃(石井杏奈)もいて、昔話や最近のキャンプの話で盛り上がる3人。なでしこの意外な過去も明らかに!?そして夜は3人でなでしこ思い出の展望台に行くことになり…。
第2話の感想
『ゆるキャン△』という作品の売りはキャンプを中心とする野外活動と女子高生の日常なのだが、もう一つの大きなテーマが「コミュニケーション」なんじゃないかと思っている。たとえば、いつもハイテンションでグイグイ迫ってくるような印象のあるなでしこだが、実際はリンをはじめとする友人たちに対して丁寧に距離をはかりながら接している。相手の意向を尊重し、相手が大切にしている世界を踏み荒らしたりしない。その上で自分の希望もやんわりと伝えている。
一見、クールな感じのするリンも、なでしこたちから送られてくるメッセージを無視したりしない。義務感に駆られることも面倒がることもなく、自分なりにコミュニケーションを楽しんでいるようだ。
『ゆるキャン△2』の第2話には、なでしこの地元の幼馴染である綾乃(石井杏奈)が登場した。
友達の地元の友人って、なんだか難しい。自分よりも友人とは付き合いが長くて詳しいわけだし、共通の話題で盛り上がっているのを見ると疎外感を感じる。だからといって張り合うのもなんだか違うし、こちらが下手に出るのもおかしい。つまり、距離感が難しいのだ。
せめて明るくてとっつきやすい人ならいいのだが、綾乃はなんだかブルージーな雰囲気を漂わせている。……なんだか難しそうだ。
だけど、リンと綾乃はすぐに、しかも無理なく打ち解けていく。まずは共感ポイント(なでしこが美味しそうにものを食べるところ)をリンが見つけ出し、綾乃がなでしこの過去のエピソードを教えて距離を縮めていく。
さらに、綾乃がなでしこのほっぺたをつまむと、「リンちゃんもさわってみ」と誘い、リンもすぐに誘いに乗って、ふたりでなでしこの両方のほっぺたをぷにぷにとつまむ。共感と共通体験を通じて三人はものすごく自然に打ち解けていった。夜の展望台で3人が並んだ姿は、まるでずっと友達だったかのように調和がとれている。
彼女たちにはマウンティングも疎外感も無縁。ごく自然にコミュニケーションを楽しんでいる(二人羽織なんてコミュニケーションの遊びの最たるものだろう)。
コミュニケーションのコツは2つ。無理に「仲良し」をアピールしないことと、相手の世界を否定しないことだろう。アニメ『ゆるキャン△SEASON2』にゲスト出演した人気番組『水曜どうでしょう』の藤村忠寿ディレクターは、『ゆるキャン△』の人間関係について、こんな風に語っている。
「なにも『私たち仲良しだよね!』と大声で言っているわけではない。ほら、そういうのって、見る方もなんとなく気が引けるじゃない…?
みんなでワイワイやるのも楽しいけど、それが唯一の価値じゃない。ひとりで行くキャンプも楽しさも認めている。
そういう『違い』を尊重し、認めているところに価値があるんだと思うんだよね」
(BUSINESS INSIDER 2月5日)
彼女たちは、こんなコミュニケーションを自然に、楽しみながら、とれる。だからこそ、穏やかで優しく楽しい世界をつくっていけるのだろう。
とまぁ、いろいろ書いたが、夜中に食べるカレーヌードルが、実にうまそうでうまそうで仕方なかったのが本当のところである。
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(c)ドラマ「ゆるキャン△」製作委員会