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2021年06月16日

「大豆田とわ子と三人の元夫」第10話までネタバレありで魅力解説|「大豆田とわ子は最高だってことだよ」

「大豆田とわ子と三人の元夫」第10話までネタバレありで魅力解説|「大豆田とわ子は最高だってことだよ」


第8話あらすじ&感想

第8話あらすじ



しろくまハウジングが外資系ファンド・マディソンパートナーズに買収されてしまった。さらに、その責任者で“企業買収の悪魔”と呼ばれる人物が、最近親しくなったばかりの大史(オダギリジョー)だと分かり、とわ子(松たか子)は驚きを隠せない。

ところが、社長のとわ子に退任要求を突きつける一方で、ビジネスとプライベートは別だと言い切る大史。仕事以外では、今までと変わらずとわ子と親しくしたいという。とわ子もまた、大史と過ごした楽しい時間を忘れられず、その申し出を受けることにする。

そんな元妻の恋心を敏感に察した慎森(岡田将生)は、鹿太郎(角田晃広)をけしかけ、2人でとわ子のマンションへ。「好きな人、できた?」という直球質問にとわ子は…。

一方、大史は自社の社長からの「ある命令」に従うため、とわ子に相談を持ちかける。恩義を感じている相手からの指示とはいえ、あまりにも“自分”がない大史の姿勢に納得できないとわ子は、大史をマンションに招いて説得を試みることに。しかし、そこへ慎森と鹿太郎、さらには八作(松田龍平)もやってきて…。

第8話感想

毎朝のラジオ体操の場で出会った小鳥遊という男性。とわ子にとって思わず気分がウキウキしてしまう対象となっていたが、蓋を開けたら相手は自社を買収しようとしている先の本部長だった。

公園や喫茶店で話すときは穏やかなのに、役員会で顔を合わせると途端に豹変する小鳥遊。「退任すべきなんじゃないですか、大豆田さん!」と怒鳴るシーンは、あまりにもプライベート時と格差がありすぎて、またもや引いてしまった……。

なぜそこまで、エアコンのスイッチをON/OFFで切り替えるように、鮮やかにプライベートとビジネスの顔を変えられるのだろうか。それには、小鳥遊の過去が関係していた。「17歳から31歳まで、人生がなかった」と話す彼。家族の介護のために大学進学もできず、途方に暮れていたという。

そんな中で、今の会社に拾われた。学歴はないけれど出世できたのは、なんでも社長の言うことを聞いて動いてきたからだ。仕事ができるのは確かだけれど、同時に社内外でも反感を買っているという。小鳥遊は極端に自己評価が低い男で、社長の言うことだったらなんでも聞く、自分の意思がない人間だった。だからこそ、ビジネスの場では自分の感情を出さないようにしているのだろう。

そんな小鳥遊、なんと「社長の命令だから」という理由で、社長の娘とお見合いし結婚までしようとしている……! そこまで従うのか、と驚いてしまうが、それはとわ子にとっても同じだったようだ。少しずつ小鳥遊という男性に惹かれている自覚もあったのかもしれない。社長への恩義をどうしても忘れられない小鳥遊を家に呼び、カレーを食べさせてあげるくだりがとても良かった。

内心、小鳥遊だっておかしいと思っていたはずだ。「拾ってもらった」という恩義、「ここまで育ててもらった」という感謝……。重荷や責務みたいなものを担ぎながら生きてきた。とわ子だって、「かごめとの約束だから」という理由で、自分に向かない社長業から降りられないでいる。小鳥遊もとわ子も、自分からは下ろせない荷物を背負ってしまっているのだ。

「それ、分けませんか?」と言った小鳥遊の告白が、とても良かった……。とわ子にとって、これまでの三人の夫とはまた違った魅力を持つ小鳥遊。あまりにもサイコパスすぎて最初は引いてしまったけれど……なんだかんだ、合いそうかも? と思えるふたりだ。


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