「コタローは1人暮らし」第10話ネタバレ感想:優しくて未来ある最終回に涙腺崩壊!
第10話あらすじ&感想
第10話あらすじ
売れない漫画家・狩野進(横山裕)は、短期連載というまたとないチャンスを前に、まさに正念場を迎えていた。そんな状況でも、隣室で1人暮らしをする5歳児・さとうコタロー(川原瑛都)を気に掛ける狩野に、元カノ・新田あかね(高梨臨)はヤキモキ…。コタローに「進ちゃんの重荷になってるのがわからない?」と言い放ち、幼稚園の送り迎えもしばらくは自分が担当すると宣言する。その頃、弁護士・小林綾乃(百田夏菜子)のもとに、探偵・青田学(間宮祥太朗)から連絡が入る。コタローの父親から再度「息子の居場所を捜してくれ」と依頼があったというのだ!さらに、コタローの元施設仲間・岩永佑(松島聡)のところにも、父親が現れていた…。それを知ったコタローは、密かに綾乃にある頼みごとをする。
そんな中、『幼稚園の清水』では、恒例の『こどもおたのしみ会』が開催される。秋友美月(山本舞香)、田丸勇(生瀬勝久)には予定があるうえ、狩野はまさかの原稿の締め切り日…。新任教諭・花輪景介(西畑大吾)は、狩野らの姿がないためか、いつになく元気のないコタローを心配するのだが…?
忍び寄る父親の影――。その時、コタローが下した切実な決断とは…? そして、それを知った狩野らアパートの住人たちは――?
さらば、コタロー。
大人びた5歳児と日本一優しい大人たちの絆に、誰もがきっと涙する。『コタローは1人暮らし』、ついに完結!
第10話の感想:優しくて未来ある最終回に涙腺崩壊!
土曜の夜のわたしたちの癒やしが、ついに終わってしまった…。終わってしまったこと自体は悲しいが、「コタローは1人暮らし」らしい、優しくて未来ある最終回は想像通り素晴らしかった。敬意を表して振り返りたい。保育園のお迎えの時間だが、今日も狩野の姿はない。元カノ・あかねとしては狩野のためを思っての行動だってことは、もちろん理解できる。理解はできるけど、ほんの少し前のシーンで、狩野は編集者の矢野に、コタローの面倒を見ることとマンガの仕事を「両立します、ちゃんと」と、すごく純粋な目で宣言していた。明らかに、コタローの存在が原動力になっているのが伝わる表情だったからこそ、あかねには余計なことをしないでほしいと思ってしまう。
そんな折、弁護士の小林のところに探偵の青田から連絡が入る。コタローの父親から連絡があったことを教えてくれた。さらに、佑のところも、父親が訪ねてきたらしい。
あかねには「狩野の重荷」と言われ、佑からは「ここにいて大丈夫か?」と心配されたコタローは、小林と話をする。「わらわは強くなるために1人暮らしをはじめたのである。しかし、ここに来てからのわらわはみんなに助けてもらってばかりだと気付いたのだ」。それはそうかもしれないけれど…
お楽しみ会当日。あかね以外の大人たちの姿はない。センターでカスタネットを叩くコタローは、どこか上の空だ。
…と、狩野がやって来る。よかった、お楽しみ会を忘れていたわけじゃないらしい。
そんな狩野を、あかねは不満げに問い詰める。「隣人ってだけで、進ちゃんが面倒を見る義務はない」、この問いは、これまで色んな人から投げかけられてきた。狩野の答えは、「せめて記憶してやりたい。記憶は、生きている証」というものだった。だから、漫画家として成功したい。すごくまっとうな理由、まっとうな、仕事への原動力なんじゃないだろうか。大丈夫、これならコタローとの生活も上手くいくし、きっと漫画家としても成功するはず、と思えた。(とりあえず早くお楽しみ会を見ようぜ…! と考えてしまったのは置いておいて。)
そして、走ってやってくる田丸、そして美月。みんなそれぞれに生活があって、事情がある。でも、無理をしてここへ来たわけじゃない。行きたいから行く、その愛がどんなに深いものかと考えて、また涙が出る。コタローが小林に話した気付きが稀有であることを、みんなが行動で示してくれた。
全然歌ってなかったコタローだったが、アパートの清水の住人たちの姿を見、誰よりも大きな声で歌う。いい顔をして見つめる狩野。面倒を見ている、世話をしているとかいう一方的な関係じゃなく、支え合っているコタローと大人たち。これもまた、1つの幸せの形なんじゃないだろうか。
その夜。『とのさまん』の最終回を見終えた狩野とコタロー。すると、コタローが「わらわの父上と母上である…!」とテレビに向かって驚きの声を上げる。そこには、大事そうにお腹をさするお母さんの姿があった。食い入るように見つめる2人、そして、狩野が言った。「コタロー、お前はちゃんと愛されて生まれてきたんだな」…涙腺崩壊! このタイミングでのコタロー呼びはずるすぎる。
コタローの行方を捜していた父親には、調査報告に代わって、コタローからの手紙が届けられる。強くなったら会いたい、と記せるコタローは、その時点でもう十分強い。でも、その言葉を受けて、父親ももっと頑張らねばと思ったはずだ。あれは、コタローからのエールでもあったんじゃないだろうか。
「大きい家を建てみんなで住む」という夢を掲げたコタロー。照れる狩野に、こちらもくすぐったい気持ちになる。お楽しみ会の後、「またすぐに」と意味深なセリフを残していった美月も、201号室に帰ってきたようだ。コタローが日々の暮らしの中で作ってきた仲間たちを、最後までちゃんと登場させ続けてくれたことがうれしい。
新しくなったアパートの清水の看板を見つめ、「よいであるな」「だろ~?」と言葉を交わすコタローと狩野の距離が、また一段と近くなったように感じる。
いつかどこかで終わってしまうかもしれない関係だけれど、みんながそれを分かった上で、今を精一杯愛している。その姿に、教えてもらうことがたくさんあった。
土曜の夜にちょうどいいハートフルコメディは、ここで一旦は最後を迎えたわけだけど、彼らの生活は続く。もし機会があったら、この続きをまたのぞかせてほしい。
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