<真犯人フラグ>1話~10話までの解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第2話ストーリー&考察
第2話のストーリー
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『お探しのものです』と書かれた荷物が届いたことで、一気に警察が動きだし、犯人扱いされる凌介(西島秀俊)。荷物のことは発表されなかったものの、マスコミの取材攻勢は、激しくなる一方だった。情報番組では、日野(迫田孝也)のインタビューが流れる。凌介の家族仲が良かったなど好意的な話をするが、一部の発言だけが切り取られ、「家庭崩壊」、「DV夫」、「旦那サイコパス説」といった悪意ある憶測がネットで広まる。
出社早々、「やってないんだよね!?」と部長の太田黒(正名僕蔵)から迫られた凌介は、きっぱりと否定する。しかしカスタマーサービス部には、9時の始業と同時に「DV夫に荷物を運ばせるな」「殺人犯を匿うつもりか!」などとデマを真に受けた苦情電話が殺到。集荷キャンセルの電話も次々とかかってくる。原因は、YouTuberぷろびん(柄本時生)が投稿した動画だった。
真帆(宮沢りえ)たちの失踪は、3人を殺した凌介の自作自演だと煽り、職場が晒されている。すでに再生数は10万回超え。苦情電話の対応に追われ、カスタマーサービス部は大混乱。凌介は太田黒から、厳しく責任を追及され…。瑞穂は、会社のためにも真帆たちを探す手伝いをすると凌介に言う。そんな二人を何者かが見つめていた――。
凌介は団地の住民たちからも白い目で見られ、ポストは嫌がらせのビラで満杯に。皆が遠巻きに凌介を見つめる中、真帆のママ友で整体師の朋子(桜井ユキ)が声をかける。朋子は団地に引っ越してきたばかりで心細かった頃、明るく話しかけてくれた真帆に感謝していた。朋子は凌介に、力になれることがあったら言ってほしいと告げる。
そんな中、真帆たちの最後の足取りが判明し……!?
第2話の時点での考察
衝撃のラストだった前回。凌介(西島秀俊)の息子・篤斗(小林優仁)と思われる遺体が、巨大な段ボールに入った状態で凌介の元へ。まさに「あなたの番です(通称:あな番)」を彷彿とさせる演出だ。
しかし、頬のあたりに2つのホクロがあるのを見た凌介は「篤斗じゃない」と口にする。篤斗ではない別の人間(小学生男子)の遺体だったようだ。
どっちにしろ、強いショックを受ける凌介。その後の調べで、段ボールに入っていた遺体には次のような特徴があることがわかった。
・少なくとも5年間は冷凍されていた
・擦過傷など、殴られたような痕が複数ある
・生きていたら15〜6歳くらい(つまり光莉(原菜乃華)と同じくらいの年齢)
・着用しているユニホームは広く流通しているもの
この一件によって結果的に事件性が増し、警察や世論が動いてくれたのが、不幸中の幸いと言えるのかどうか……?
警察によると、5年前に相良家が原因のトラブルが発生していたとしたら、それを逆恨みした人間が真帆・光莉・篤斗の失踪に関与している可能性が高いという。問われた凌介はとっさに「トラブルはない」と答えた。
しかし、真帆のママ友である菱田朋子(桜井ユキ)が団地に越してきたのは5年前だということがわかっている。当時、息子のキヨは保育園に通う年齢だった。この年数の一致は偶然だろうか?
仮に、朋子にもう一人子どもがいたとしたら、どうだろう?
菱田朋子が5年前に団地へ越してきたのは、相良家が間接的な原因となった何らかのトラブル(いじめなど)によるもの。その「5年前のトラブル」によって菱田朋子のもう一人の子どもは亡くなってしまった(それが、凌介に送られてきた遺体の人物)。
以前住んでいた場所にはいられなくなった菱田家が、相良家に復讐するために近くへ越してきたのだとしたら。
同じ年齢の子どもを持つ親として、朋子が真帆に近づくのは自然だ。同じサッカー教室に通わせるのも、よくある話だろう。菱田家が一方的に相楽家へ恨みを持ってるのだとしたら、1話で凌介が朋子と接触した際に見せた不穏な表情にも(そして、キヨが怖がる表情を見せたのにも)納得いく気がする。
何よりも、凌介が個人的に菱田朋子の連絡先を登録していたのが、どうしても気になる! 凌介は実はバツイチで、過去に朋子と関係を持っていたということは考えられないだろうか。
「孤立していた自分に、真帆が優しく声をかけてくれた」「私もそんな人になりたいと思っている」——そう朋子は語っていた。相良家に恨みなどないように見えるが、果たして……。
日野(迫田孝也)が良かれと思ってインタビューに答えるも、恣意的な切り取りによって凌介はますます窮地に立たされることに。そこに追い討ちをかけるように、YouTuber・ぷろびん(柄本時生)が投稿した考察動画によって、亀田運輸にもひっきりなしにクレームの電話が……。メンタルをやられた凌介も失踪してしまわないか心配である。
いきなり家族全員が失踪してしまい、加えて世間も周囲の人間も疑惑の目を向けてくる状況——満身創痍の凌介。しかし、瑞穂(芳根京子)が凌介を懸命に擁護したことにより、社内の空気感は一転する。
彼女が「自分が行方不明になった時、誰も必死に捜してくれなかったらショックじゃないですか!?」「誰かに迷惑をかけてしまうことと、家族の命は、天秤にかけられるものじゃないと思います!」と熱く呼びかけたおかげで、凌介に向けられた疑惑の目が明らかに沈静化した。
その後も瑞穂は、段ボールの発送先である「(株)石原水産」まで凌介とともに出向いたり、遅くまで残業しながらクレーム電話を洗い出したりして、なんとか手がかりを探そうと尽力してくれた。
「まさか殺人犯だと間違われる日が来るなんて」と意気消沈する凌介に対し、「わからないって怖いんですよ。あくまで大衆心理ですから、気にしない方がいいです」と励ます瑞穂。たびたび、厄介なクレーマー・小幡(通称:バタコ)のクレーム対応に駆り出されているのを見ても、彼女には心理学の教養があるようにも思える。
助けてくれること自体、凌介にとってはありがたいだろうが、前回に引き続き、視聴者としては怪しさ満点である。彼女がここまでして凌介に手を貸すのはなぜなのか? まさか、日野の店「至上の時」に凌介・瑞穂・河村・日野で集まった時に仄めかしていた凌介への好意は、冗談ではなく本物……?
相良家が失踪した時間&場所の範囲を走っていた亀田運輸の配送車。そのドライブレコーダーのデータを盗むよう計画したのも、瑞穂だ。
瑞穂は社内でも有能で人格者だと思われており、人望もある。だからこそ、怪しい。彼女が河村や日野と繋がったことでますます動きやすくなることを考えると、今後も注視が必要な存在だ。そして、彼女が屋上でカセットテープを聞いていたのも気になる点だ。今の時代にカセットテープ? カセットでしか聞けない音源があるのだろうか?
怪しい人物といえば、あともう三人いる。
まず、1話目に出てきた謎の女=本木陽香(生駒里奈)は、おそらく葬儀屋スタッフであることが判明。
そして、ITベンチャー企業の社長・橘一星(佐野勇斗)は誰かにGPSをつけ、その行方を逐一監視している様子だ。一星のスマホに「たすけて」とメッセージが入っている描写もあった。
もしかしたら、一星は光莉と付き合っているのだろうか?
回想シーンで、光莉に彼氏がいるのかどうか、凌介が心配する場面があった。「ダメだ、私、彼氏ができても絶対(お父さんには)言わないわ」と言われている。これが伏線だとしたら、一星という彼氏ができたとしても、凌介にだけは秘密にしていた可能性もなきにしもあらずだろう。
この回想シーンでもう一点気になったのは、「イケガミさん」の存在である。篤斗が室内でサッカーボールを蹴っていたところ、真帆が「また下のイケガミさんに怒られちゃうでしょ!」と叱っているのだ。
1話に出てきた「毎朝ゴミチェックをするおばさん」=「イケガミさん」であることがわかっている(亀田運輸ドライバー・望月鼓太朗(坂東龍汰)が配送の荷物を受け渡す相手に対し「イケガミさん」と呼びかけている)。今後、何かの展開に関連してくるだろうか。
そして、最も怪しく見えたのは、相良家の新居建築を担当している住愛ホームの林(深水元基)だ。電話で済むような内容でわざわざ亀田運輸を訪ねている(新居建築をこのまま続けても問題ないか、凌介に確認をとっている)。加えて、夜遅くに「新居まで来てくれないか」と凌介を誘い出してもいる。
「新居のコンクリートに何かが埋まっていると連絡が入ったから」というのがその理由だが、確実性もない話でわざわざ顧客を夜に呼び出すだろうか(ちなみに、このとき住愛ホームに公衆電話から連絡を入れたのは、筆者の予想だとおそらく一星である)?
実際に凌介と林が連れ立って新居へ行ってみると、コンクリートに埋まっていたのは……光莉のものと思われるローファーだった……!?
おそらくこれは、段ボールに小学生男子の遺体が入っていた時と同様、本当に人が埋まっていたとしても光莉ではないだろう。段ボールが第一のメッセージだとしたら、ローファーが第二のメッセージだ。おそらく、真帆も光莉も篤斗も生きている。
ここで大胆に予想しておきたい。これらのメッセージを送ってきているのは、きっと……真帆だ。
※この記事は「真犯人フラグ」の各話を1つにまとめたものです。
→怪しいママ友:菱田朋子役「桜井ユキ」単独インタビュー
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