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2021年11月07日

<真犯人フラグ>1話~10話までの解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

<真犯人フラグ>1話~10話までの解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】


第3話ストーリー&考察

第3話のストーリー



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新居の基礎コンクリートから覗く片足のローファー。すぐに警察が駆けつけ、掘り起こし作業が始まる。ただのイタズラか、それとも…!?

凌介(西島秀俊)は瑞穂(芳根京子)に、配送車のドライブレコーダーから見つかった映像を見せられる。その映像では、赤い傘をさした真帆(宮沢りえ)らしき女性が篤斗(小林優仁)の手を引き、後ろには光莉(原菜乃華)とよく似た女子高生が歩いていた。これが3人だとすると、篤斗がサッカー教室に行く直前の17時18分、3人は一緒にいたことになる。

そんな中、凌介は林(深水元基)から、再び新居の建築を中断するよう勧められる。しかし、凌介は聞き入れない。林が新居建築を止めようとしたのは、ある事情で上司の井上(戸田昌宏)に命令されたからでもあった――。

凌介は見知らぬ男から「事件についてお話したいことがあります」というメッセージを受け取る。凌介は瑞穂と相談して、その男とコンタクトを取り、日野(迫田孝也)の店『至上の時』で会うことに。瑞穂と日野も、一緒に待ち構える。現れたのは、ベンチャー企業『プロキシマ』の社長・一星(佐野勇斗)。彼は、真帆たちが誘拐されたと断言する。さらに一星は、誘拐した犯人に心当たりがあると言い出し…!?
果たして嘘か本当か?一星は敵なのか、味方なのか!?

第3話の時点での考察


10月22日(金)朝の情報番組「スッキリ!」内で放送されていた「真犯人フラグ」考察スペシャルをご覧になっただろうか。

大人気番組「ゴッドタン」「あちこちオードリー」を手がけるテレビプロデューサー・佐久間宣行氏の考察をはじめ、犯罪心理学者の出口保行氏の解説がつくなど、興味深い回だった。

放送内で挙げられていたポイントは、主に以下の3つである。

・単独犯ではなく複数犯である可能性が高い
・犯人は刺激を求めており、愉快犯的な側面を持つ
・二宮瑞穂(芳根京子)と菱田朋子(桜井ユキ)に違和感がある

出口氏が瑞穂と朋子に違和感を覚えた理由は、凌介(西島秀俊)に手を貸すことを申し出る際に「ポジティブな様子だったから」だという。相手は一晩で家族が失踪してしまった”悲劇の男”。相手のことを思い、純粋な親切心から手伝いたいと思うのなら、神妙な顔になるのが一般的ではないか。笑顔で「なんでも手伝います!」と進言したふたりには、不自然さしか感じなかったという。

そう考えると、やはり瑞穂は怪しい……!



会社の上司というだけで、失踪した家族捜しを手伝うと言い出すだろうか。早起きして市場へ向かったり(凌介に送られてきた冷凍遺体の手がかりを探るため)、配送車ドライブレコーダーのデータを盗むよう図らったり……。やっていることが”部下の好意”から逸脱している気がしてならない。

彼女は屋上でカセットテープを聞いていた。2話の考察でも触れたが、瑞穂はカセットでしか聞けない音源を聞いていたことになる。くわえて、相良家が失踪した時期の週末に「実家へ帰っていた」との言及も忘れられない……。彼女に関して、偶然で片付けてはいけない要素が多すぎるのだ。

そんな瑞穂から、配送車のドライブレコーダーに残されていたデータを見せてもらう凌介。

そのデータによると、件の失踪当日、篤斗(小林優仁)が忘れ物を取りにサッカー教室へ寄ったという17:30よりも少し前に、真帆(宮沢りえ)・篤斗・光莉の3人で一緒にいた事が判明。真帆らしき人物が持っていた傘は、凌介が彼女の誕生日に贈ったもの。100本しか生産されていない限定ものなので、真帆に見せかけた別人である可能性は薄い。



瑞穂と同様、怪しさを拭いきれないのが菱田朋子である。

凌介を元気付けるためだろうが、大量なカレーの差し入れを持ってきた彼女。やけにテンション高めで、なんならこの非常事態にウキウキしているようにも見える。

くわえて、サッカー教室の先生・山田元哉(柿澤勇人)とも何やら繋がっている描写が。



必要以上に接触しないように気をつけていること、いざという時のために口裏を合わせておかなければまずいということ……。話していることがすべて怪しすぎた。

しかし、「あな番」スタッフがこのドラマを作っているのだと考えると、この時点での怪しい言動は総じてブラフだという可能性もあるため注意しなければならない。このふたりの会話をよくよく聞いてみると、ただの”不倫関係”を隠そうと画策しているだけのようにも聞こえる(つまり、相良家失踪事件とはまったく関係がない)。

さて、相良家新居の土台に埋まっていたローファーの話をしよう。

やはり、埋まっていたのはローファーだけだった。

サイズは23.5cm。念の為にDNA鑑定をするといって、ローファーそのものは警察の手に渡った。埋まっていたのが光莉(原菜乃華)本人ではなかったことがわかり、いったん安心する凌介。しかし、ローファーが光莉のものである事実が後に判明してしまう……。

こんな事件が起こってしまったのだから、相良家のマイホーム建築を担当している住愛ホーム側としても、いったん工事を中断したいのが本音だろう。中止するか否かを話し合うため、喫茶店で話し込む凌介と、住愛ホーム・担当の林さん(深水元基)。その喫茶店で、新たに事件が起こった。

なんと、プロキシマ社長・橘一星(佐野勇斗)が凌介に接触してきたのだ!



後日、改めて「至上の時」(凌介の友人・日野(迫田孝也)がやっているバー)で落ち合った、凌介・瑞穂・日野・一星。やはり一星は光莉と付き合っていることがわかった。これまでの回で、GPSで誰かの行方を追っていたり、「たすけて」とメッセージが入っているのを確認したりしていたが、その相手は光莉だったのだ。

1年前にたまたまパン屋で知り合ったという一星と光莉。ストーカーらしき男に付きまとわれている光莉を助けたことを機に、一気に仲が深まった。

一星は母子家庭で、家を出ていってしまった父親から「病気になった」と連絡が来たことをきっかけに、再会するか否かで母親と揉めているという。そんなプライベートな悩みまで開示するほど、一星と光莉は互いに思いやる仲になっているということだ。



「僕にとっても大切な人なんです」ーーそう言って、ともに相良家捜しを申し出た一星。この展開だけ見ると、ものすごく良心的な青年に見えるが……彼から語られたことすべてが作り話という可能性も、大いにありえる。

その後、カップル専用アプリを元に光莉のスマホの電源が入ったことがわかり、現地(群馬県某所)へ急行する凌介・一星・瑞穂、そして凌介の友人であり週刊誌編集長の河村(田中哲司)。しかし、見つかったのは光莉のスマホ、そして真帆の指輪だけだった……。

凌介も言っていたように、指輪が勝手に外れて落ちてしまうことは考えにくい。やはり誰かが意図的に真帆の指輪を外し、その場に捨てたのだ(それか、真帆自身が捨てたのか……)。冷凍遺体、ローファー、スマホ、そして指輪。これらはすべて、凌介に強い恨みを抱いた人間によるメッセージだと考えられる。

群馬からの帰りだろうか、一星と瑞穂のふたりが車内で「あの人(凌介)はいい人だよ」とあらたまった調子で言葉を交わしていたのが、妙に気になった。

その後、カセットテープ(!!!)が回り、おどろおどろしいお経が流れてくる様子が……。このドラマを楽しみに観ている皆さまにはお馴染みだろうが、毎話のラストには衝撃の展開が待ち受けている。なんと第3話は、凌介の遺影写真が飾られている様子が画面ドアップに映されて終わってしまう……!

一星の人となりが明らかとなり、凌介たちの仲間として(少なくとも今のところは)動く展開となった今回。果たして、彼は本当に仲間なのか。我々は瑞穂のことを信じてもいいのだろうか。真帆のママ友・菱田朋子の真意と、サッカー教室の先生・山田元哉との関係は……?

勘ぐりたくなるポイントはまだまだ挙げられる。

・なぜYouTuberぷろびん(柄本時生)は、凌介の母校で発行されているサークル誌を持っていたのか?
・通称:バタコさん(クレーマー)が、亀田運輸へ「かがやきの土」を送ってきた理由は?
・ことあるごとに瑞穂へ意味深な視線を送る、配送ドライバーの望月鼓太朗(坂東龍汰)の真意は?(これはおそらく瑞穂のことが好きなだけかもしれない)

ああ、挙げればキリがない、まだまだある。

・住愛ホームへローファーの件を知らせた電話は公衆電話から発信された、女性であるのは間違いないのか?
・猫おばさん(平田敦子)がやたらと「魔王」(フランツ・ペーター・シューベルト作曲)を歌い上げる理由は?
・真帆の失踪直前に生命保険がかけられており、その受け取り手が凌介になっていると、匿名で情報提供をしてきた電話の主は?

これくらいにしておこう。繰り返すようだが、このドラマを制作してるのは「あな番」制作チームだ。第3話の時点で深読みしすぎたら、深い穴にそのままズブズブはまっていき、抜け出せなくなる可能性がある……。ひとまず筆者は、これまでの回をあと3回ずつ見直したいと思う。

※この記事は「真犯人フラグ」の各話を1つにまとめたものです。

→怪しいママ友:菱田朋子役「桜井ユキ」単独インタビュー

→元記事はこちら

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