<科捜研の女 season21>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第7話レビュー
特撮OB/OGの出演がなにげに多い「科捜研の女」。現レギュラーにも「仮面ライダーオーズ/OOO」の仮面ライダーオーズ/火野映司を演じた渡部秀と「仮面ライダーW」でヒロインをつとめた山本ひかるがいる。この7話では、「仮面ライダー鎧武/ガイム」の主役を演じた佐野岳、「仮面ライダードライブ」で敵のブレンを演じた松島庄汰らが登場。「仮面ライダー」出身者の豪華揃い踏みとなった。
アイドルグループ「TT-Nimo」のオーディション合宿に参加していた豊原輝(清水学)が殺される。容疑者は同じくオーディション参加者の大我(佐野岳)、剣人(松島庄汰)、ユズキ(川野快晴)らにプロデューサーのサニー(斉藤陽一郎)、さらにまかない担当者にダンス教師などだいぶ大人数だ。
マリコ(沢口靖子)たちが捜査のために合宿場を訪れると、候補生たちはダンスの真っ最中。踊り続ける彼らをやめさせようとマリコは輪の中に入るが、周りと同じ手振りで踊る羽目に。普段自転車移動で鍛えているおかげか、なかなかの機敏な手つきで楽しませてくれた。
現場で見つかったおもな手がかりは3つ。遺体の口と鼻に付着したピンクのフェイクファー、靴底に付いていたさつま芋(合宿場で候補生たちが干し芋を作っていた)、そして、縞模様で先がとがった謎の部品だ。
フェイクファーは残念ながら現場で見つかった他のアイテムと成分が一致しなかった。一方さつま芋はサニー、剣人、大我、ユズキの4人の靴にも付着。このおかげで容疑者を絞り込むことができた。
捜査を進めていくうちに、被害者の輝が泣き虫キャラのユズキはチューブのわさびをなめて涙を出している……とサニーに密告していたのがわかる。これを聞いたとき、筆者は思わず吹き出してしまった。すぐ涙をこぼすユズキによくこんなに泣けるものだなと感心していたのに、なんという小賢しさよ……である。そして、輝は「他にも秘密を持っている奴を知っている」という言葉を残していた。
その後、もう一つ残った手がかり=謎の部品は、TT-Nimoのオリジナルグッズであるぬいぐるみの一部と判明。ぬいぐるみはピンクのフェイクファーを使って作られていた。
そこで、マリコたちはポリグラフ検査を実施。これはいわゆる“嘘発見器”。容疑者たちに「凶器はぬいぐるみですか?」と質問して反応を測定する鑑定だ。
検査の結果、反応があったのは剣人と大我。剣人はかつて人をぬいぐるみで殺す役を演じた…と釈明するが、一方大我は激しく動揺。実は彼は昔の彼女との間に子どもがいて、ぬいぐるみは彼がTT-Nimoファンの娘のために手に入れたもの。元恋人から父親として認めてもらえなかった彼は、TT-Nimoに入れたら娘が見てくれるかもしれない……とオーディションに参加したのだった。
事件当日のことを明かしていく大我。あの日、大我の秘密を知った輝はサニーにばらそうとぬいぐるみを持ち出していた。輝と対峙した大我は「言いたかったら言えや」と告げて一度は立ち去ったが、ぬいぐるみにしまっておいた娘の写真を返してもらおうと戻った際に輝の遺体を発見。疑われるのを恐れてぬいぐるみを隠したと語った。
大我が隠したぬいぐるみを鑑定して見つかったのは、被害者の血が付着する指紋。真犯人=剣人のものだった。
かつて家庭内暴力をしていた剣人。事件当日輝からその過去をばらすと言われて動揺した彼は、昔出演した映画を思い出して輝をぬいぐるみで窒息死させてしまったのだった。
アイドル候補生たちの執念のもつれから起きたこの事件。結局、オーディションは中止。「無駄な努力しただけだった」と気落ちする大我だったが、マリコは彼にオーディション動画を見せる。生配信の際、大我の娘が応援コメントを寄せていたのだ。
彼の努力は決して無駄ではなかった。おかげで、かけがえのない家族のアイドルになれたのだから。
※この記事は「科捜研の女 season21」の各話を1つにまとめたものです。
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