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2021年11月05日

<科捜研の女 season21>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

<科捜研の女 season21>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

第4話レビュー



「靴だけきれい」

被害者のピカピカの靴を見てそう口にするマリコ(沢口靖子)。

殺された横沢(湯浅崇)は3年前に亡くなったプロ野球選手・上杉栄太(梅原勇輝)の異父兄弟。栄太の妻・明里(音月桂)が靴磨き職人だと知ったマリコたちは彼女に会いに行く。

明里の夫は生前横沢の借金を肩代わりさせられていた。つまり殺す動機があるともいえる彼女。しかし、事件当日は常連客の靴を磨いていたという。

彼女の話を聞いたマリコは、突然次のように言い出した。

「私に靴磨きを教えてもらえませんか?」



明里とともに靴磨きを始めるマリコ。しかも磨くのは土門(内藤剛志)の靴。サンダルを履いて「なんで俺の靴なんだよ」とぼやく彼がなんともおかしかった。丹念に指でクリームを塗るマリコ。見ていた蒲原(石井一彰)が「マリコさんて普段から靴磨きするんですか」とたずねると、「するわけないだろ」と土門は答える。いったい彼はどんな感情だったのだろう。

ただ、この靴磨きにはちゃんと理由があった。手がかりの入手だ。

科捜研は土門の靴を鑑定。付着した明里の指紋は被害者の靴の指紋と一致した。つまり横沢の靴を磨いたのは明里。しかもそれを隠していた。

その後、事件当日明里が急きょ外出していたとわかる。また店にあった靴職人の道具「ポンポン」が凶器の形状と一致。証拠が次々出てくる。しかし、間違いなく彼女が犯人だという確証にはなかなかたどりつけない。

結局、謎を解くカギとなったのは、横沢の手に付着していた油・木蝋(もくろう)だった。

明里の店の品々を鑑定した結果、木蝋が塗られていたのは栄太の遺品のグローブ。しかし、同品に横沢の指紋は付着していなかった。

そして、明里のスマホのメールから、彼女の外出は万引きした息子を迎えに行ったものと判明。息子・健太(栗田倫太郎)に会ったマリコは、野球をやっている彼に「グローブには木蝋を塗るものなの?」とたずねる。普通は専用のグリスを塗ると答えた健太。ただ、彼は木蝋を使う人物に心当たりがあった。

それは明里の常連客・赤宮公達(ダンカン)。かつて栄太の後援会長だった彼が遺品のグローブを木蝋で磨いたのだ。古いスポーツ用品を途上国に送る活動もしている赤宮の自宅ガレージには、木蝋で磨いたグローブが大量にあった



横沢の指紋があるか調べよう……と赤宮家から持ち込んだグローブを鑑定する研究員たち。普段は面倒な仕事にぼやきもする彼らだが、いざというときのチームワークは抜群。グローブを一つ一つ調べる気が遠くなるような作業に全員で取組む姿が気持ちいい。

努力の甲斐あって、マリコたちは横沢の指紋が付いたグローブを発見。つまり、真の犯行現場はグローブが保管されていた赤宮家のガレージ。殺したのは赤宮家の嫁・遥(村崎真彩)だった。

遥の夫は横沢の脱税の手助けをしていた。横沢がそれをネタに恐喝してきたため、遥は義母と協力して彼を殺害。明里の店から持ち出したポンポンを凶器に使ったのだった。

無罪だった明里。マリコと土門は彼女に謝罪し、健太が万引きした真意を明かしていく。自分が問題を起こして野球をやめれば母が無理に靴磨きをしないですむと考えた健太。母思いの息子に、明里はきれいな靴でお客が前向きになるのを願って磨くのはとても楽しい仕事なのだ……と伝えるのだった。

明里のような専門の職人が登場する場合も多い「科捜研の女」。プロの仕事の工程や道具が見られるのも本作の醍醐味で、今回も靴磨きの手仕事や道具のポンポンがなんとも興味深かった。

また、この4話で嬉しかったのは、今シーズン初の風丘早月(若村麻由美)の「まいど!」が聞けたこと。いつも解剖結果と差し入れ持参でやってくる彼女。今回のおやつはフルーツ大福だった。美味しそうなお菓子が出てくることもまた本作の魅力なのだ。


※この記事は「科捜研の女 season21」の各話を1つにまとめたものです。

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