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2021年11月05日

<科捜研の女 season21>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

<科捜研の女 season21>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】


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木曜ドラマ「科捜研の女 season21」が、2021年10月14日(木)より放送スタート。沢口靖子主演の大人気サスペンスシリーズが、木曜の夜に帰ってくる。

画像分析やDNA鑑定などの科学技術を駆使し、難解な犯罪捜査に立ち向かう様を描いた本シリーズ。榊マリコ(沢口靖子)の活躍もさることながら、ともに捜査に精を出す刑事・土門薫(内藤剛志)の熱血ぶりも魅力だ。

cinemas PLUSでは毎話公式ライターが感想を記しているが、本記事ではそれらの記事を集約。1記事で全話の感想を読むことができる。

もくじ

・第1話レビュー

・第2話レビュー

・第3話レビュー

・第4話レビュー

・第5話レビュー

・第6話レビュー

・第7話レビュー

・第8話レビュー

・第9話レビュー

・第10話レビュー

・第11話レビュー

・第12話レビュー

・第13話レビュー

・第14話レビュー

・第15話レビュー

・第16話レビュー

・第17話レビュー

・第18話レビュー

・「科捜研の女 season21」作品情報

第1話レビュー



京都府警科学捜査研究所の法医研究員・榊マリコが科学の力で事件を解決していく「科捜研の女」。2021年に初の劇場版も公開されたテレビ朝日の人気長寿シリーズのseason21がついにスタートした。

京都府警に来たマリコの元夫・倉橋は、二つのことを持ちかける。一つはマリコの警察庁への異動。もう一つは事件の捜査依頼。倉橋の同僚・立岡が京都出張中に転落死したが、警察庁はなぜかこの事件に箝口令を敷いているらしい。元夫の願いを快諾したマリコは、日野所長が止めるのも聞かずに早速捜査を始める。やると決めたらなんとしてもやる。彼女はいつでもそうだ。

なお、マリコにはもう一つ特徴がある。それは、必要ならば上司でも誰でも平気でこき使うこと。今回その標的となったのは土門の部下・蒲原。マリコと一緒に現場で科学捜査をする羽目になり、「スパルタ教師だよ…」とぼやく姿には思わず笑ってしまった。思えばシーズン15で登場したときは土門らと対立していた彼。いつの間にやらずいぶん丸くなったものだ。

捜査の甲斐あってマリコと蒲原は現場で繊維片を発見。ごく小さなものだが、こうした些細な証拠こそ大切だというのが本作の定石だ。そして、事件当日に立石が訪れていたガールズバーが実は闇カジノだと判明。箝口令の理由はこれだった。

宇佐見が鑑定した結果、繊維片は男物のリュックのもの。立岡の所持品らしいが現場では見つかっていない。リュックが盗まれたのではないか…というマリコと土門の主張で藤倉刑事部長も捜査を認め、ようやくいつもの科捜研の鑑定がスタートした。

防犯カメラを解析する亜美に転落シミュレーションを試みる呂太。事件を通報した電話の音声を解析する宇佐見とマリコ。テーマ音楽にのって捜査員たちが科学技術を駆使するお約束の流れはいつ見ても心が躍る。筆者がこのドラマで一番好きなシーンだ。もちろん、土門と蒲原も捜査に動く。立岡は京都で民間の職業訓練センターを訪れ、警察の退職者向けの研修計画を進めていたのがわかった。

その後、立岡のスマホをたどっていった結果、立岡が闇カジノの用心棒・桑名と会っていたことが判明。桑名は元刑事。懲戒免職になった警察官のための研修を進めていた立岡に世話になっていたという。彼の証言によると、立岡は自身が管理していた懲戒免職者リストが暴力団の手に渡ってしまったのを取り戻そうとしていたらしい。そして、桑名は事件当日立岡の転落死を目撃。自身が疑われるのを恐れて立岡のリュックを持ち去ったのだった。事故を通報した音声が彼のものだったことをマリコが明らかにする。

桑名がカジノに隠していたリュックを鑑定する科捜研。結果、立岡を殺したのは職業訓練センターを主催する女性・奥沢だとわかった。リュックに彼女の腕時計のベルトと一致する繊維とチョークの成分が付着していたのだ(職業訓練センターには黒板とチョークがある)。立岡のリストを暴力団に流していた奥沢。それを知って告発しようとした立岡と揉めた末に突き落としてしまったのだった。

この第1話には人気声優・沢城みゆきがゲストで登場。立岡の元妻で数学者の和穂を演じたが、滑舌のよさとのびやかで艶のある声が聞いていて非常に気持ちがよかった。瞳の奥に影を宿して語る姿に学者らしい知性がそこはかとなく感じられ、非常に心に残る演技だったと思う。


なお、結果的に警察庁の面子を潰したため、マリコの異動は白紙になる。ただ、物語を見ていたかぎり、彼女の心の奥底にある答えはとうに決まっていたように思えた。劇中でごく自然に次のような言葉を口にしていたからだ。

「科捜研の仕事は私の天職だと思っています」

「私と土門さんで調べてみる」

科捜研の仕事をする。土門とともに捜査をする。結局はこれらがマリコの中にある揺るがない理念なのだろう。実際彼女はこの使命をずっと全うしてきて、これからもやり続けるに違いないのだから。

科学の力を信じ、周りの者たちを容赦なく巻き込んで事件に挑む榊マリコ。21年目のシーズンも初回から彼女はまったくブレていなかった。今後の活躍が楽しみだ。


※この記事は「科捜研の女 season21」の各話を1つにまとめたものです。

→元記事はこちら

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