<鬼滅の刃・遊郭編>最終回までの全話の感想/解説まとめ【※ネタバレあり】
第8話ストーリー&レビュー
第8話「集結」ストーリー
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鬼化が進み人に襲い掛かろうとする禰?豆子を、炭治郎は子守唄でようやく寝かしつける。一方、宇髄は堕姫の頚を斬り落とすが、堕姫の中から新たな鬼が現れる。妓夫太郎——堕姫の兄であり、もう一体の上弦の陸。堕姫と妓夫太郎、二体の鬼に宇髄は立ち向かう。
第8話「集結」レビュー
上弦の陸は堕姫(だき)だけではなく兄・妓夫太郎(ぎゅうたろう)の兄妹二体であること、後から現れた妓夫太郎の圧倒的な強さだとわかった第7話。
見た目も醜く、僻みっぽい性格の妓夫太郎は「お前違うなぁ。今まで殺した柱たちと違う、お前は生まれた時から特別な奴だったんだろうなぁ。選ばれた才能だなぁ」と言うが、宇髄さんの返しはこうだ。
「才能? ハッ俺に才能なんてもんがあるように見えるか? 俺程度でそう見えるならテメェの人生幸せだな」
「俺が選ばれてる? ふざけんじゃねぇ。俺の手の平から今までどれだけの命が零れたと思ってんだ」
「この国はなぁ 広いんだぜ……」と自分以外の柱たちの自分よりすごいところを思い浮かべ、さらに心の中で(そう 俺は煉獄のようにはできねぇ)と自嘲する。
煉獄のようにはできねぇ、というのは、一人も死なせなかった煉獄さんへの尊敬がこもった言葉だと思う。そして、いつも自信満々で自己肯定感高そうな天上天下唯我独尊男の宇髄さんが、自分が助けられなかった一般の人たちや仲間の人たちのことを思い、仲間たちのことを尊敬しているのがあらためてわかって、ほんと宇髄さん最高にかっこいい人だな……と思った。
そしてそんなことを知れたのも、忍の世界から自分の力で抜け出して外に出たからこそ。そんな宇髄さんが自分たちのいた世界から抜け出せず、自分より恵まれて見える人を妬み恨み言を言う妓夫太郎と堕姫に言っている言葉なのが重い(伝わらないだろうけど)。
しかし鬼の存在が観ている視聴者には二次元なわけだが、鬼である堕姫が「忍なんて江戸時代に絶えてるでしょ! 嘘つくんじゃないわよ!」みたいなことを言ってるのに、若干のシュールさを感じてしまった。
自分たち兄弟に厳しい訓練を強いて、果ては殺し合いをさせた父と、兄弟の中で自分ともう一人だけ生き残った父そっくりな弟。あんな人間にはなりたくない、という思いと、そんな風に生きていこうという自分に礼を言って褒めてくれたお館様への感謝。あらためて今の宇髄さんが出来上がった背景が丁寧に描写されていた。
宇髄さんは元忍で毒への耐性があり、妓夫太郎の武器の毒ですぐに死にはしないものの、確実に毒がまわってきてしまっていた。カラーだと毒が回った部分が青紫になっていて痛々しい。しかし宇髄さんの戦い、速くて美しい。毒が回ってるのに何でこんなスピードで動けるのか。そして
集結した炭治郎・善逸・伊之助を「下っ端が集まったところで幸せな未来は見えない」「頼みの綱の柱も毒にやられてるんじゃなぁ」と嘲笑われるが、宇髄さんが「毒が回るぐらいのハンデがあってトントンなんだよ!」と強気発言し「こいつらはみんな優秀な俺の継子だ……」と褒めるの(今までずっとけなしてたのに)、そして隣に煉獄さんの姿が浮かぶの、ちょっと泣いちゃう。伊之助の空気を読まない感じ、こういうとき助かる。
この鬼は、二人同時に頸を斬らないと死なないらしい。二手に分かれて戦いが再開される。
炭治郎は自分が宇髄さんを助けなきゃと思うけど、そもそもの実力差があるうえにかなりの重傷を負っていて結局助けられてしまう。ド派手にと言いつつ戦況の分析はめちゃくちゃ冷静な宇髄さん、そんなところもかっこいい。
宇髄さんと妓夫太郎の戦い、速すぎてガンダムのモビルスーツ同士の戦いを見ているようなエフェクトだ。その速さに脱帽すると同時に、上弦と柱の格が違う戦い、しかも柱も炭治郎もダメージを負っている……という状況から煉獄さんのときを思い出して、嫌な想像をしてしまう。
堕姫の相手は善逸と伊之助がする。寝ている善逸、やっぱ強い……!久々に霹靂一閃の鮮やかなエフェクトを観られてうれしかった、かっこいい。寝ていながらも「耳を引っ張って怪我をさせた女の子に謝れ」「自分がされて嫌なことは他人にしちゃいけない」と迫る。善逸、孤児だし人に騙されまくっているし結構しんどいことも多かっただろうにそう言い切れるの、いい子だな……。
「人にされて嫌だったこと苦しかったことを人にやって返して取り立てる。自分が不幸だった分は幸せな奴から取立てねぇと取り返せねえ」
「それが俺たちの生き方だからなあ 言いがかりをつけてくる奴は皆殺してきたんだよなあ」
堕姫の額に妓夫太郎の目が現れ、攻撃がパワーアップしている。避けるのに精いっぱいだけど避け続ける善逸と伊之助、結構すごいよなぁ。
宇髄さんの嫁の一人・雛鶴さんが投げたクナイ。斬撃で天蓋を作り、宇髄さんはクナイが自分に刺さるのも気にせず間合いを詰め、クナイが妓夫太郎に刺さったのを見計らってその部分を斬ると再生ができない。クナイには藤の花の毒が仕込まれていたのだ。それを見透かし、さらに自分にせまってくる炭治郎を見て「やるじゃねぇかよぉ、短時間で統制が取れはじめた、おもしれえなああ!」とニヤつく妓夫太郎、余裕あるしめっちゃ褒めてくれるじゃん……。
そして今回、何といっても次回予告がやばかった。
真っ暗な中後ろ姿の宇髄さんが「煉獄、お前ならどう戦う? 俺は、お前のようにできないかもしれない……」とつぶやく。
すると「俺だってお前のようにできはしない」と声が聞こえ、振り返ると煉獄さんが立っている。「煉獄……!」と驚く宇随さん。
「お前の剣技は美しい! 妻はちょっと多すぎるがな、はっはっはっは!」と笑う煉獄さん。煉獄さん……!
「竈門少年を、黄色い少年を、猪頭少年を、頼んだぞ、宇髄」
そういって煉獄さんの姿は消える。
笑った宇髄さんの口元が見え「派手に任せておけや」と言う。
こんなの泣いてしまうやろ……。
宇髄さんと煉獄さんがお互いを尊敬し、信頼し合っていたのが見えていい。
ちなみに漫画に全く同じシーンはないのだが、おそらくファンブック2の柱の他の柱への印象というコーナーを元に作られている。
今回明かされた宇髄さんへはもちろん、煉獄さんが本当に人のいいところを見つけて讃える気持ちの良い人だったことがよくわかるので、未読で気になった方はぜひご一読を。他の柱たちの煉獄さんへの印象もみんなよくて、本当に太陽のような人だったんだなぁとわかる(涙)。
※この記事は、鬼滅の刃「遊郭編」の各話を1つにまとめたものです。
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©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable