<真犯人フラグ 真相編>11話~最終回までの解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第20話ストーリー&考察
第20話のストーリー
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凌介(西島秀俊)は日野(迫田孝也)とともに、対峙する瑞穂(芳根京子)と河村(田中哲司)を見つめていた。河村は瑞穂に、事件との関わりを話すようにと迫る。
瑞穂は、真帆(宮沢りえ)に接近した理由を話し始める。姉が林(深水元基)に裏切られて死んだことや、真帆と3年前から知り合いだったことをなぜ黙っていたのかと瑞穂を問い詰める河村。彼女は確かに、林に殺意を抱いていた。なぜ林を殺したのかと聞かれた瑞穂は――!?
拘留中の一星(佐野勇斗)は阿久津(渋川清彦)と落合(吉田健悟)から、SNSに投稿された例の小説について聞かれる。それは自分の“切り札”だと答える一星。小説には真犯人しか知り得ない事実も書かれているが、妄想なのか真実なのか…。
ついに“真犯人”が明らかに!!それは、信頼した部下なのか、支えてくれた友なのか、愛する妻なのか?それとも…!?
すべての謎が明かされ、最後に凌介が打つ、終止符とはーー!?
第20話終了時点での考察
真犯人は、被害者の最も近い場所にいる人間だ。黒幕は、絶対に怪しまれない場所でほくそ笑んでいる。
ミステリーのお決まり、常套手段、定番の流れ……と言ってしまえばそれまでだが、まさか……の結末だった。ここまで約半年の間、本当の黒幕は誰なのかを予想してきたが、まったくと言っていいほど筆者の予想はかすってもいなかった。完敗である。
「なんだかんだ言いつつ瑞穂(芳根京子)に違いない」と思いながら、今夜の最終回を見る直前には「実は凌介(西島秀俊)に惚れていた日野(迫田孝也)の仕業では……!?」と考えるに至っていた。すっかり朝の情報番組「スッキリ!」(日テレ)内で行われていた考察に引っ張られてしまっている。
筆者がギリギリまで瑞穂を怪しんでいた理由は、3年前にはすでに瑞穂と真帆(宮沢りえ)は知り合っており、一緒に占いにまで行っている事実があったからである。
自身の姉にまつわる、林(深水元基)への個人的な恨みがあったからこそ、瑞穂にも真帆に対する”殺害の動機”があったわけだ。林が真帆に本気で惚れさえしなければ、林は予定通り瑞穂の姉と婚約していたはずなのだから。
実際のところ、瑞穂は林と真帆がホテルで会っている現場を目撃しており、たまたま撮影した二人の写真をネットに流している。
しかし、瑞穂は黒幕ではなかった。あと一歩のところで一線を越えそうになったが、たまたま亀田運輸で凌介と同じ部署になったことで、真帆に対する復讐心を保つことができなかった。
その一線を、早々に超えていた人物がいる。
それが、今回の事件の発端をつくった人物であり、すべての鍵を握る黒幕だ。
河村(田中哲司)は、ずっと凌介に嫉妬していた。
学生時代はずっと文才で負け続け、真帆を取られたことで恋愛にも負けた。何ひとつ、凌介に勝てる要素が見つけられなかった。自分はこんなにも苦しんでいるのに、凌介は涼しい顔で、大した努力もなく、自分の一番欲しいものを易々と手にしていく。
歪んだ嫉妬心は静かに燃え続け、彼に、復讐のきっかけを与えた。
真帆と林が一晩の過ちを犯した夜、大物政治家のゴシップを追っていた河村は、たまたまその現場を目撃してしまった。その証拠を使って、かつて意中の相手だった真帆を自分のものにしようと企んだのだ。
すべては、凌介に対する嫉妬心と復讐心のために起こした事件だった。
SNS上にアップされていた小説は、河村が書いたもの。河村自身のPCに入っていたデータを、一星(佐野勇斗)が発見し、逮捕される前に瑞穂に託していた。
一星や菱田朋子(桜井ユキ)たちを脅していたのも河村、林を殺したのも河村、真帆の指輪を廃墟に置いたのも河村。流星群の写真を凌介に送ったり、真帆の声で電話をしてきたりしたのも河村の仕業だった。盗んだ相良家のホームビデオから音声を切り出したらしい。
すべては、真帆が生きていると見せかけるための工作だった。
そう、真帆は亡くなっていた。
とっくの昔に、河村の手によって殺されていたのだ。
嫉妬心がここまでのことをさせるのか。すべてのことを知っていながら、ずっと隣で手を貸し続ける。憔悴し切る親友の顔を見ながら、彼はどんなことを考えていたのだろう……。最終回を見たあとに1話を見たら、あまりのサイコパスっぷりに震え上がるかもしれない。
親友に裏切られたと知ったら、最愛の妻を殺されていたと知ったら、気が狂ってもおかしくなさそうだが……。凌介は、最後まで良い奴だった。河村のことを責めず、許すこともしない。目の前にある現状を受け入れ、残された子どもたちのためにも強く生きようとする姿が、たったひとつの希望と言えるかもしれない。
個人的には、シリアルキラー的結末を迎えたドラマ「あなたの番です」よりも、今作のほうが好きかもしれない。なんとも絶望的な結末だが、そこにはちゃんと理由があった。「殺したいから殺した」ではなく、ちゃんと理由があっての行動だった。凌介にとっては、少しも救いにはならないだろうけれど。
約半年。心ゆくまで考察を楽しませてもらった。ぜひ本作の制作陣に対しては、また時を挟んで、考察の盛り上がるミステリードラマを期待したい。
(文:シネマズ編集部)
※この記事は「真犯人フラグ 真相編」の各話を1つにまとめたものです。
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