<明日、私は誰かのカノジョ>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第10話ストーリー&レビュー
第10話のストーリー
>>>「明日、私は誰かのカノジョ」の画像をすべて見る萌(箭内夢菜)は、楓(高野洸)に会いにホストクラブへ通うお金を稼ぐ為に、風俗で働き始めていた。実は優愛(齊藤なぎさ)も同じ仕事をしていることを知り、2人はさらに仲を深める。そして一緒にホストクラブへ行った2人は、ハルヒ(藤原樹)と楓との4人でアフターを共にし、ボーリングで楽しい時間を過ごす。満たされた気持ちになった萌は、さらに稼ぎを得るため、風俗の仕事に力を入れるようになる。そんな中、楓の誕生日が近付き、楓の売上に貢献できるよう高額なボトルを入れようと画策する萌。その反面、大学の仲間とは距離を感じ始め、萌の楓を思う行動はますますエスカレートしていく…。
第10話のレビュー
萌(箭内夢菜)と楓(高野洸)、優愛(齊藤なぎさ)とハルヒ(藤原樹)のダブルデートが描かれた「明日カノ」第10話。顔が緩むような微笑ましい光景をずっと息が詰まるような思いで見守った。ホストの楓と少しでも長く一緒にいるため、ついに風俗で働き始めた萌。4人を相手にして、一日で稼いだ額は4万。この調子でいけば、親に借りたお金も返せるし、使ってしまった奨学金の分も戻せると萌は安心する。でも、仕事とはいえ、知らない男に身体中を触られて“本番”まで迫られた萌の心はボロボロだった。
こんな思いまでして楓に会いたいのか。一瞬、冷静になりかけた萌をすぐに夢の中へ引き戻すのが楓だ。萌がこれで最後にしようとかけた電話に応答して、「何かあったらすぐに連絡してね」と優しい言葉をかける。しかし、萌が泣いていることが分かっても、以前のように駆けつけてはくれない。そういう細かい変化が、視聴者の心にもグサグサと突き刺さる。
その後、萌は「風俗で働いている」という共通項が生まれたことでより仲良くなった優愛と“アイバン”することに(指名ホストの異なる客同士が一緒に来店し、相席すること)。優愛とハルヒの前でも、「萌ちゃん、今日の髪型かわいいね」「(僕のことを)いつもどんな風に惚気てるのか知りたいな……」と甘々な言葉をかけまくる楓。
あの、あなたは欲しい言葉をくれるBOTかなんかですか? もしくは乙女ゲームばりの台詞を吐く楓に、優愛が「すぐ雰囲気エロくするのやめて!」とつっこむ場面は思わず笑ってしまった。でもそんな楓に萌は心を奪われまくって、ついに“掛け”に手を出してしまう(客がその日にお店で支払うはずだった飲食代を、指名ホストが立て替えること)。つまりは借金なのだが、楓は心配するだけで止めてはくれない。
一方、後から味わうことになる地獄のような現実と代償に、萌が手に入れたのは夢のような一夜だった。4人でアフターを共にし、ボーリングで楽しい時間を過ごした後は楓とふたりきりで神社の境内を歩く。萌が泣いている時に楓が駆けつけてくれた思い出の場所だ。
そこで初めてのキスを交わす二人。ロマンチックだよね……ロマンチックなんだよ……彼らが本当の恋人同士ならば、の話だが。結局はその場所で楓に電話をかけなければ、そして楓が来なければ、萌は傷つかずに済んだかもしれない。だけど、少女漫画の主人公になったみたいな幸せも味わうことはできなかっただろう。
リナ(横田真悠)のようにキラキラとした女子にコンプレックスを心に抱きながらも、そのモヤモヤを打ち消すように、行きつけのバーで「恋愛だけがすべてじゃない」って持論を貫いていたはず。その未来と今の現実、どっちが良かったかなんて分からない。どっちにもそれなりの幸せと、それなりの地獄があるだけ。
こんなにも現実的で心を揺さぶられる物語は後にも先にもないかもしれない。そんな風に感じられるのも、箭内夢菜、高野洸、齊藤なぎさ、藤原樹というキャストたちの素晴らしい演技があってこそ。次週で「ホスト編」は幕を閉じるはずだが、彼らが演じるキャラクターとお別れするのが寂しくて堪らない。
※この記事は「明日、私は誰かのカノジョ」の各話を1つにまとめたものです。
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