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2022年05月17日

<持続可能な恋ですか?~父と娘の結婚行進曲~>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

<持続可能な恋ですか?~父と娘の結婚行進曲~>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

第9話ストーリー&レビュー

第9話のストーリー


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晴太(田中圭)と「結婚を前提にお付き合いをしたい」と告白した杏花(上野樹里)だったが、晴太からは「もう終わりにしましょう」と別れを告げられてしまう。同じ頃、林太郎(松重豊)は明里(井川遥)からの交際の申し込みを断っていて。親子でダブル婚活を始めた杏花と林太郎は、父娘揃って失恋してしまい…
そんな杏花の元に、颯(磯村勇斗)から連絡が。杏花から晴太にフラれたことを聞いた颯は杏花のことを優しく抱きしめる。颯の前では明るく努める杏花だったが、颯の優しさに思わず…
そんな中、明里が職場で倒れて急遽入院したことを知る杏花。林太郎にそのことを告げると、動揺した林太郎は大慌てで病院へと駆け込む。そして林太郎は明里に自分の本当の思いを伝える決心をし…。
さらに、杏花から晴太と別れたという話を聞いた林太郎は、ある決意を胸に晴太の元へと向かう。そして杏花は、林太郎から隠されたある真実を告げられ…。
杏花と晴太、颯、そして林太郎と明里、波乱の恋はクライマックス目前!それぞれが決断する恋の行方は… !?


第9話のレビュー

父と娘の結婚行進曲がようやくサビに突入したと思った矢先、晴太(田中圭)、林太郎(松重豊)は、杏花(上野樹里)、明里(井川遥)に別れを告げる。

相手のことを必要以上に考えてしまうが故に、本心とは裏腹な言動をしてしまう彼ら。まったく、人思いが過ぎる。

優しさとか理性とか。
ときには必要だけど、ときには障害となるもの。
そんなものは飛び越えて、本能のままに動いてほしいのに。

”普通の幸せ”って、一体なんなんだろう。


杏花にとって転機となった恋がひとつ終わってしまったことで、こじらせは加速。
結婚なんて、恋愛なんてしない。仕事一筋で生きていく。

幸せの在り方は、人それぞれだ。
杏花がいいなら、それでいい。

でも、誰の目から見ても杏花は強がっているようにしか見えない。
本当に、これでいいのだろうか。

「失恋したってなんだって、生きていかなきゃなんないんだから」

焼肉をもぐもぐ食べながらたくましく励ます理歩(水崎綾女)、先週からずっとノンアルなのが気になるのは私だけ?まさか……?


杏花同様失恋してしまった明里は、体調が思わしくなく倒れ、入院してしまう。
そのことを知った林太郎は、慌てて病院へと駆けつける。

「明里がいる世界で生きていたい」と身に染みて感じた林太郎は、明里に改めて思いを伝える。
明里のいない世界なんて考えられない。明里がいる世界に、自分も生きることができたら。

見事二人は、真剣交際に発展する。
……待ってた!この日を待ってた!!大歓喜!!!

明里の病状は、更年期障害によるものだった。
じゃあ、あの胸の動機の正体は、まさか……恋の病?

林太郎の肩に頭にコツンと乗せては、「長くていい上腕骨」と満足の笑みを浮かべる明里。
メールにて、想いを表現豊かな文字に乗せて、改めて告白をする林太郎。
そんな彼らの姿に、テレビ越しの私達もまた微笑んだ。

幸せ絶頂の林太郎は、支配人に成り上がった(磯村勇斗)と再会。
杏花、林太郎、颯。久しぶりの3ショット、なんだかほっとする。

実家を出る。結婚もしない。これからはひとりで生きていくと宣言する杏花。

「生きているということは、変化していくということだ」

林太郎から発せられる言葉は、毎度とてつもなく重みがある。
愛する娘の人生、普通に幸せに生きてくれるならそれでいい。

でも、生きているということは、変化していくということ。
決めつける必要はない。人生、何が起こるかわからないのだから。

珍しく忘れ物をした颯は、杏花にすかさず「わざとだよ」と言う。
颯、「NANA」の幸子ばりにあざとい。
が、これくらいしたって、バチは当たらない。これくらいしないと、杏花への思いは伝わらないのだから。

「家出るなら一緒に暮らさない?」
「杏花ちゃんがずっと一人で生きていくと、俺はすごく困る」

そう言って、満月の月明かりの元、唇を重ねた颯。
長年杏花に思いを寄せてきた颯が、ついに本気を出してきた……!


颯の思いに困惑する杏花の元に、さらなる衝撃が訪れる。
以前より匂わせられていた、林太郎の杏花への”とある秘密”が、ようやく暴かれた。

林太郎と杏花は、血の繋がりがない。

あれは34年前のこと。
大学のゼミが同じだった陽子(八木亜希子)と7年ぶりの再会を果たした林太郎は、勢いと覚悟に身を任せて、赤ちゃんを身籠っている陽子との結婚を誓ったのだ。

これだけ聞くと話が唐突すぎるかもしれないが、そんなことはない。
陽子と再会する直前、お世話になった教授のお見舞いに行っていた林太郎は、教授から人生を変えられるほどの言葉をかけられる。

「君は優秀な学者になるだろうが、辞書編纂者にはなれない。それは、生きていないから」

自分の殻に閉じ籠もって生きてきた林太郎は、「生きている」という言葉の語釈を「呼吸をして、生存していること」と答えた。
対して教授は、生命を振り絞るかのようにして「変化していくこと」と答えたのだ。

言葉の語釈に正解はない。
それでも林太郎は、教授の言葉にハッとした。

人と共に、目いっぱい生きていく必要がある。
人生を豊かにする上で必要なことに気付いたタイミングで、林太郎は陽子と再会した。

大きなお腹を抱えてつらそうにしている陽子に「何か僕にできることありますか?」と声をかける。

「じゃあ、私と結婚してくれませんか?」

当時付き合ってた男性と別れた後に妊娠が判明し、体調も思わしくなかった陽子は、思わず本音、いや弱音がホロリとこぼれる。

そんな陽子に対し、「はい……結婚します」と答えた林太郎。

こんな結婚って、あるのだろうか。
でも、結果的に、林太郎も陽子も、そして杏花も、幸せな人生を送ってきたし、今も送っている。

血の繋がりがなくとも、親子ということに変わりはないのだ。

……完全に余談だが、林太郎と陽子の若き日を演じた細田善彦と見上愛は、まぎれもなく松重豊演じる林太郎と八木亜希子演じる陽子だった。


ひと足お先に杏花と林太郎の関係性を知った晴太は、林太郎による後押しのおかげもあって、杏花が開催するMOON NIGHT YOGAに行くことを決意する。

もちろん、颯も行く予定だ。

……見なくてもわかる、これから起こるであろう胸を締め付けられるシーンが。

杏花の元に先にたどり着いたのは、颯だった。

「杏花ちゃん、結婚しよう」
「俺の奇跡なんだ、杏花ちゃんは」
「俺と本当の家族になろう。家族は恋より壊れにくいよ」

颯の告白を目の当たりにし、何も出来ずにその場を立ち去ってしまう晴太の姿、切ない以外の何ものでもない。

「この恋あたためますか」の浅羽拓実(中村倫也)でさえ正々堂々と勝負したのに、ここで「おっさんずらぶ」のはるたんばりのヘタレ具合見せてくれるなんて、一体どうしたものか。


ここに来て颯の圧倒的な巻き返し、もはや惚れ惚れとしてしまう。
今まで諦めるポイントは多くあっただろうに、杏花のことを思い続け気持ちを伝えることをやめなかった颯に、拍手を送りたい。

次週、いよいよ最終回。
杏花と颯、ついに結ばれるの?でも、晴太はどうなる?林太郎と明里の”普通の幸せ”はどこに着地する?

気になることがありすぎて夜も眠れなさそうだが、今回のストーリーの集大成となるであろう一文を、ここに記しておく。

月が満ちて欠けていくように、永遠に変わらないものはありません。
形あるものも、ないものも。
笑ったり、泣いたり、心の揺れはときには自分でもままならないものです。
いっそ何も心を動かされなければ、穏やかな自分でいられるのに。
それでも変わるということは、生きているということです。
思い通りにならない心の満ち欠けを味わいながら、思いがけないことが起こる普通の毎日を、目いっぱい生きていきましょう。



※この記事は「持続可能な恋ですか?~父と娘の結婚行進曲~」の各話を1つにまとめたものです。

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