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2022年08月03日

<純愛ディソナンス>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

<純愛ディソナンス>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

第7話ストーリー&レビュー

第7話のストーリー

>>>「純愛ディソナンス」第7話の予告をYouTubeで見る

コラボ企画の準備を急速に進めてきた正樹(中島裕翔)と路加(佐藤隆太)だったが、路加は記者会見当日に突然、別の不動産会社と組むことを発表し、正樹とモノリスエステート社を陥れた。モノリスエステートの社長であり、正樹の義父である碓井賢治(光石研)は路加の裏切りに激怒し、正樹に路加を潰すよう命じる。

さらに、正樹は、路加の企みを事前に知りながらも、自分にそれを伝えなかった妻・愛菜美(比嘉愛未)への不信感を募らせる。

コアスパーク社を訪れた正樹は、路加と対峙する。路加は、モノリスエステート社の下請け会社に勤めていた頃、賢治から受けた仕打ちを忘れておらず、復讐の機会を狙っていたことを認める。愛菜美に近づいたのも、そのためだという。そこで、「俺につかないか」と正樹に持ちかける路加。モノリスエステートのあくどいやり口の数々を調べていた路加は、裏付けとなる証拠が欲しい、と正樹に告げる。

一方、慎太郎(髙橋優斗)は、冴(吉川愛)がゴミ箱に捨てた小説を見つけ、冴に内緒で、新人小説コンクールに出す。

そんな折、コアスパーク社でアルバイトをしている冴が正樹の昔の教え子であることを知った北都(和田正人)は、冴を使って路加の会社の内情を調べさせようと賢治に提案する。それを阻止しようと画策する正樹だが……。

第7話のレビュー

一気にたくさんの人の思いを受け止めると、こんなにもしんどいことを知った「純愛ディソナンス」第7話。脱力し切った状態でこのレビューを執筆しています。以下、筆致に覇気がないことをお許しください。

冴(吉川愛)がようやく慎太郎(高橋優斗)の手を取った。今度は自分を好きになれる相手と幸せを掴もうとする冴。その選択は絶対に間違っていない。慎太郎は冴がゴミ箱に捨てた小説を内緒でコンクールに出した。そのおかげで冴は少なからず、第一審査に通るくらいの実力が自分にあることを知れたのだ。

もういいんじゃないか。二人でこのまま幸せになってくれ……と思いたいのに、正樹(中島裕翔)が私たちを安心させてくれない。妻である愛菜美(比嘉愛未)に裏切られ、会社での立場も崖っぷち。こんなの正樹を救えるのは冴しかいないじゃないか。

それでも上手く立ち回ろうとする正樹だが、ついに自分をちっとも信じてくれない愛菜美への不満を爆発させる。そのもどかしさも分かる。だけど、夫が自分とは違う誰かと心と心で繋がっていることを、実感せざるを得ない愛菜美の辛さが今回ばかりは際立っていた。

幼い頃から父・賢治(光石研)にはたくさんの愛人がいて、その鬱憤を母親からぶつけられてきたという愛菜美。相手を試したり、何かを奪って自分に助けを求めさせたり。そういう方法でしか、自分は愛されないと思っている愛菜美を誰か救ってほしいとすら思う。

そんな愛菜美に離婚届を突きつけた正樹は薄情に思えるかもしれないが、自分と一緒にいても彼女が救われることはないと分かっているからだろう。行動は嘘をつけても、心は嘘がつけないから。事実、正樹は愛菜美がゴミ箱に捨てた冴の小説を見て見ぬ振りができなかった。

それは冴も同じ。慎太郎のことを好きになろうとしても、そのキスを身体が拒否してしまう。なのに、正樹からのキスは自然と受け入れてしまう冴。本作はその対比を容赦無く私たちに突きつけてくる。

こんなにも苦しいのは、やっぱり高橋優斗が史上最強に切ない演技を見せてくれているからだろう。いつも冴に寄り添って、自分の気持ちを押し殺す時の泣きそうな笑顔がたまらなく悲しい。莉子(畑芽育)が思わず抱きしめてしまう気持ちが分かる。間違いなく、このドラマで一番愛のある登場人物だと思う。

「誰も傷つかない恋愛ってあるのかな」という晴翔(藤原大祐)の問いに答えるならば、答えはNOだ。でも正樹が言うように「嘘は真実を際立たせてしまう」から、最初から自分の気持ちに素直になれば、誰かに与える傷の具合は最小限に抑えられるのかもしれない。

正樹と冴の純愛は純愛のまま、終われなかった。事情はあれど、たくさんの人を傷つけてしまった。それでも、もう自分たちの気持ちに嘘がつけないならその手を離さないでほしい。


※この記事は「純愛ディソナンス」の各話を1つにまとめたものです。

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