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2022年08月03日

<純愛ディソナンス>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

<純愛ディソナンス>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】


>>>「純愛ディソナンス」の画像をすべて見る

中島裕翔(Hey! Say! JUMP)が主演を務めるドラマ「純愛ディソナンス」(フジテレビ)が2022年7月14日スタート。

新任音楽教師と生徒の“純愛”を軸とする本作。高校を舞台にした第1部と大人の人間模様を描く第2部で構成され、タブーと隣合わせにある恋が次第に周囲を巻き込み“ディソナンス”(=不協和音)となっていく様を描く。

cinemas PLUSでは毎話公式ライターが感想を記しているが、本記事ではそれらの記事を集約。1記事で全話の感想を読むことができる。

もくじ

・第1話ストーリー&レビュー

・第2話ストーリー&レビュー

・第3話ストーリー&レビュー

・第4話ストーリー&レビュー

・第5話ストーリー&レビュー

・第6話ストーリー&レビュー

・第7話ストーリー&レビュー

・第8話ストーリー&レビュー

・第9話ストーリー&レビュー

・第10話ストーリー&レビュー

・第11話ストーリー&レビュー

・「純愛ディソナンス」作品情報

第1話ストーリー&レビュー

第1話のストーリー

>>>「純愛ディソナンス」第1話の予告をYouTubeで見る

新田正樹(中島裕翔)は、父・秀雄(神保悟志)が学校法人『立秀学園』の理事長、母・景子(舟木幸)が教師という規律正しい家庭に生まれた。優秀だった兄・幸助と常に比較され続け、強いコンプレックスを抱いていた正樹は、幸助が大学時代に事故で他界してからも、どうすれば周囲から良く思われるかを考えながら打算的に生きていた。

そんな折、勤めていたピアノ教室が倒産し、職を失ったばかりの正樹のもとへ、音大の先輩で、幸助の恋人でもあった小坂由希乃(筧美和子)から連絡が入る。私立桐谷高校で音楽教師をしていた由希乃は、もうすぐ学校を辞めるため、正樹に後任を任せたいのだという。最初はそれを断る正樹だったが、「来月からうちの学校に来い」という秀雄の命令から逃れるため、仕方なく由希乃の申し出を受ける。

赴任前夜、桐谷高校を訪れて教頭の影山勉(手塚とおる)に会った正樹は、2年3組の副担任を任せられる。その後、音楽室に立ち寄り、ピアノを弾き始める正樹。すると、ピアノの下に隠れていた2年3組の生徒・和泉冴(吉川愛)と目が合った。冴は、ともに映像研究部でもある同級生の朝比慎太郎(髙橋優斗)ら数人の仲間と学校に忍び込み、あるものを探していた。だが、影山に見つかってしまったためバラバラになって逃げ、音楽室に隠れたのだ。その騒ぎに巻き込まれた正樹は、逃げる際に冴が落としていった1枚の紙に気づき……。

あくる朝、職員室でも前夜の出来事が話題になる。2年3組の担任で社会科教師の加賀美理(眞島秀和)は、「新任早々災難でしたね」と正樹に声をかけると、由希乃のデスクを使うよう指示し、隣席の国語教師・碓井愛菜美(比嘉愛未)に、由希乃の私物の整理を頼む。実は由希乃は、「一身上の都合」とだけ書いた辞職願のメールを学校側に送り、それ以後、一切連絡が取れなくなっていたのだ。影山は、由希乃の退職理由については病気ということにする、と教師たちに指示していた。

加賀美は、2年3組の生徒たちに正樹を紹介する。すると慎太郎が、スマホに保存していた、由希乃がいなくなる少し前の動画を流した。その動画には、楽しそうに話している由希乃の姿が映っていた。こんなに元気なのにいきなり病気というのはおかしい――慎太郎たちはそう言って騒ぎ出すが……。


第1話のレビュー

中島裕翔演じる教師と、吉川愛演じる生徒による禁断の恋を描く「純愛ディソナンス」が始まった。“ディソナンス=不協和音”。純愛×ドロドロの“純ドロ”ストーリーが見どころらしいが、その概念は果たして両立し得るのか。

と、少々疑いながら観た第1話。結論からすると、両立できた。めちゃくちゃ両立できてた。

物語は、音楽教師としてとある高校に赴任してきた正樹(中島裕翔)と、夜中の学校に忍び込んだ女子生徒の冴(吉川愛)が出会うところから始まる。どちらも親から所有物のように扱われ、偏った価値観を押し付けられてきた。二人は失踪した前任の音楽教師・小坂(筧美和子)の行方をめぐり、急激に距離を縮めていく。

冴は裏表のある“おもしれー”大人の正樹に、一方の正樹は同じ境遇でも、自分とは違って他人に対する興味を失わない冴に、それぞれ惹かれていくプロセスがとても自然だった。

教師×生徒は年齢差もあって嫌悪感を抱きやすいけど、それが不思議とない。むしろ彼らを取り巻く人間たちが闇の住人すぎて、どうにか二人だけで幸せになって!という気持ちになる。

秀雄(神保悟志)も静(富田靖子)も子供のこと何だと思ってんだ?って感じだし、冴の貯金を盗んだ静の恋人は論外。静さん、また男選び失敗してますよ。

小坂の香水を使っている碓氷(比嘉愛未)とその香りに昔の女を思い出した風の加賀美(眞島秀和)も、裏サイトに小坂の悪口を書き込む教師(上谷圭吾)も、みんながみんな小坂を恨む動機がありそうで怪しすぎる。

もちろん、正樹と冴もキラキラ属性ではない。好青年の皮を被った正樹は打算的で人を見下している節があるし、冴は歪んだ大人たちに泥臭く立ち向かっている強さもあれば、ふとした瞬間に死に近づいてしまう心の闇を持つ。

一方で、どちらも根っこには純粋さがあるような気がするのだ。「純愛ディソナンス」という矛盾した二つの概念を、正樹と冴自身もはらんでいる。その不安定さがいとも簡単に深い闇へと引きずりこみそうで、不安を覚えた。

簡単には共感させてくれない、ミステリアスで儚げな中島裕翔と吉川愛の魅力に私たちも落ちていく。


※この記事は「純愛ディソナンス」の各話を1つにまとめたものです。

→元記事はこちら

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