<PICU 小児集中治療室>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第2話ストーリー&レビュー
第2話のストーリー
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丘珠病院のPICUは、解決のめどすら立たない深刻な人手不足問題に直面したままだった。志子田武四郎(吉沢亮)は、何かの役に立てるならと、休日を返上して出勤する。だが、同僚医師の綿貫りさ(木村文乃)や看護師長の羽生仁子(高梨臨)から「ひとりにカウントできるとは思えない」「ギリギリ半人前かどうか」などと冷たくあしらわれてしまう。
同じころ、PICUの科長・植野元(安田顕)は、「北海道PICU推進に向けた意見交換会」で、参加した北海道内の医師たちに協力を呼びかけていた。そこにやってきた札幌共立大救急科科長の渡辺純(野間口徹)は、PICUに必要な経験と実力を兼ね備えるほどのスタッフならば手放すはずはない、と植野に告げる。続けて渡辺は、PICU設置に動いた北海道知事・鮫島立希(菊地凛子)のことに触れ、彼女がやっていることは、次の選挙に向けての票集めでしかない、と言い放つ。
そんな折、丘珠病院に火傷を負った急患2名が救急搬送されてくる。9歳の姉・佐渡莉子(田中乃愛)は軽傷のようだったが、6歳の弟・理玖(中村羽叶)は右肩全体に重度の火傷を負っていた。植野は、救命医の東上宗介(中尾明慶)や麻酔科医の今成良平(甲本雅裕)らの協力を得て理玖の治療を開始。武四郎には、姉弟の母・京子(紺野まひる)と莉子についているよう指示するが……。
第2話のレビュー
女性誌がおこなった「国宝級イケメンランキング」殿堂入りを果たした吉沢だが、初回から“イケメン”を見事に封印し、自信のない小児科医を熱演している。PICUに小児科医として配属されたものの、自分が戦力になっていないことに落ち込む武四郎(吉沢亮)。
休日も誰かの役に立ちたい、仕事を覚えたいという焦りから出勤するも科長の植野(安田顕)らに休むことも仕事だと諭され、帰ることに。そんな時、一台の救急車が丘珠病院に到着。重度の火傷を負った姉弟が運ばれてきた。武四郎は軽傷の姉、莉子(田中乃愛)の手当をすることに。莉子の喉に異変を感じた武四郎は、植野に報告。莉子の気道熱傷をいち早く見抜いた武四郎は植野に「よく気づきましたね」と褒められる。
この時の武四郎の表情はまるで、お父さんに褒められた息子のように照れくさそうにしていた。
莉子の母親、京子(紺野まひる)と病院とのディスカッションの場で京子は合唱をしている莉子が今後、歌うことはできるかと質問。しかし、植野は元のように歌える可能性は低いことを伝えた。京子の願いでこのことは莉子には伏せておくことに。
莉子とも筆談でコミュニケーションを取れるようになり、小児科医として少しだけ自身がついてきた武四郎。ある日、莉子から「私は歌えるようになりますか。本当のことを教えて」と聞かれ、元のように歌うことは難しいと伝えてしまう。自分は莉子のために嘘をつかずに正直に話せたと満足していたところ、莉子が「歌えないなんて死にたい」とノートに綴り、自分の体についた器具をすべて外してしまい病室では大騒ぎに……。このことを知った植野は武四郎に激怒。普段は優しい植野が執拗に叱る姿は、鬼気迫るものがあった。
思いっきり落ち込んだ武四郎が自宅に帰ると母の南(大竹しのぶ)が好物を食卓に並べて元気に迎えてくれた。
「なにくよくよしてんのよ、嬉しくても悲しくても辛くても食べるの。食べればひとまず、エネルギーになるのよ。エネルギーがないと立ち上がろうって元気がなくなっちゃうから。ひとまず、食べる。いい?」
素晴らしいセリフだ。
また、大竹しのぶが発すると心にポッと灯がともったような気持ちになる。
そうだ、どんな時も食べなければ元気は出ない!
このセリフに多くの視聴者が救われたのではないだろうか。
底抜けに明るい母の存在に救われた武四郎だったが「だから太るんだよ」と、嫌味をぼそり。
すると母は「それがさ、痩せたのよ」と。
「嘘つけ!!」と笑う武四郎。
何気ない母子の会話に頬が緩んだ。
母のエールのお陰で武四郎に笑顔が戻った瞬間だった。
武四郎と一緒になって、「うふふふふ」と笑った母だったが
「本当に痩せたんだけどな……。」
と小さな声でつぶやいた。
ん??
これはもしや伏線か?
ドラマ中盤で母の南が倒れる予感がするのは筆者だけだろうか。
そう思うと心なしか、大竹が一回り小さくなったような……。
これも役作りなのか? と勘繰ってしまう。
翌日、莉子の母、京子から猛烈なビンタをお見舞いされてしまった武四郎はさらに落ち込む。
そこへ「向いていないと思う、この仕事。いつか訴えられるよ」という救命医の綿貫(木村文乃)の容赦のない言葉。
キ、キツイ……。
一般病棟に移った莉子と再会した武四郎は「ごめんなさい」と膝をついて謝った。
武四郎の涙が頬を伝う。
一方、植野は今成との会話の中で
「落ち込んで折れそうになっても立ち上がって学ぶ。それの繰り返し」
と武四郎に向けてエールを送っていた。
出演している俳優陣全員の演技があまりにも自然なため、医療系のドキュメンタリーを見ているような気持ちにさせてくれる。
内容はセンセーショナルだが、週の始めに心をじんわりと温かくしてくれる。
頑張れ、武四郎!!
今後の展開が本当に楽しみだ。
※この記事は「PICU 小児集中治療室」の各話を1つにまとめたものです。
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