<PICU 小児集中治療室>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第9話ストーリー&レビュー
第9話のストーリー
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「俺が諦められる時間をください。母ちゃんと離れる覚悟ができるための時間を。」
“しこちゃん先生”こと志子田武四郎(吉沢亮)は、膵臓ガンの治療を拒否している母・南(大竹しのぶ)にそう言って頭を下げ、一度、東京の病院で検査を受けることに同意してもらう。
羽田空港に降り立った武四郎と南が向かったのは、丘珠病院のPICU科長・植野元(安田顕)から紹介してもらった東京中央記念病院の腫瘍内科医・原口裕二(平原テツ)のもとだった。そこで、いくつかの検査を受ける南。武四郎は、原口医師から検査の結果を聞かされて……。
第9話のレビュー
武四郎(吉沢亮)は、母の南(大竹しのぶ)を連れて東京にやってきた。植野先生(安田顕)に紹介してもらった東京の病院で、詳しく診てもらうためだ。
しかし、結果は北海道の病院と同じ。
要するに、劇的な治療法はないということだった。
明るく振る舞う武四郎だが、その様子からすべてを察した南。
そこからは2人で東京観光をすることに。
夜の宿での食事シーンは、圧巻だった。
武四郎の父親の話や、昔の思い出話、そしてこれからのことを泣きながら語る2人。
どうしても治療をして欲しい武四郎の訴えに南は、
「いろいろわかってるよ。お母さんだって死にたいわけじゃないよ。でもね、お母さんは病院じゃなくて武四郎のこと頭に焼き付けながら逝きたい……」
と小さな声で息子に懇願した。
大竹の演技が演技のようであり、演技でなかった。
死が迫りつつも息子のことが気になる母親そのもの、といった感じ。
せめて武四郎に奥さんや子どもがいれば少しは安心して逝けたのに……。
ここまでこの作品の脚本に何一つ不満はないが、幼なじみの桃子(生田絵梨花)と、武四郎に未来があるような設定にしてほしかった。
そして南は、東京から戻ってすぐに息を引き取った。
まさかのナレ死――。
ひとりぼっちになってしまった武四郎に追い打ちをかけるように、仕事でも辛い出来事が……。
長い間、PICUに入院していた圭吾(柊木陽太)の友だち、優里(稲垣来泉)が函館から1人でやってきて「なんで圭吾君のこと、見捨てちゃったの? お医者さんなら治してよ」と大粒の涙を流しながら、武四郎に怒りをぶつけた。
「本当にごめんなさい」と頭を下げるしかない武四郎。
これは辛い。
今の武四郎には酷だ。
優里と同じくらい武四郎も辛いのに……。
「医者ってなんなんでしょうね。わからなくなってしまいました」
植野にボソッと話した言葉は、本音だっただろう。
第9話は開始から30分、ほぼ吉沢と大竹の2人芝居だった。
へりくつを言いながらも、2人で寄り添い生きてきた親子の最期は、お互いを大切に想っていることを再確認できる時間だった。
どんどん痩せていく大竹を見ていると、これは最終回までには…と思っていたが、まさかこんな急展開になるとは。
もうあの親子の掛け合いが見られないなんて悲しすぎる。
見終わった後も静かに哀しみが押し寄せてくる。
次週、植野を敵対視する渡辺(野間口徹)がPICUを担当することに?
植野は東京の病院に戻ってしまうかもしれない。
そして、残酷すぎる運命に嫌気がさしてしまったのか? 武四郎は植野に辞表を出したよう。
最終回まであと2回。
また武四郎のあの優しい笑顔が見たい。
※この記事は「PICU 小児集中治療室」の各話を1つにまとめたものです。
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