<あなたがしてくれなくても>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
最終話ストーリー&レビュー
最終話のストーリー
▶︎「あなたがしてくれなくても」の画像をすべて見る
吉野みち(奈緒)は、夫の吉野陽一(永山瑛太)と、新名誠(岩田剛典)は、妻の新名楓(田中みな実)と離婚が成立した。「お互いのことが解決したら…」。そう伝えていた新名は、みちを水族館に誘う。新名の言おうとしていることがわかったみちは先に話そうとするが、新名は「今まで自分の気持ちは後回しにしてきたけど、あなたへの気持ちだけは大事にしたい」とそれを制して、「好きです。ずっと一緒にいてください」と捨て身の告白をする。新名の気持ちを正面から受け止めたみちは「気持ちには応えられない。誰にも頼らず1人で生きて行きたい」と正直な気持ちを返した。「ありがとう。ちゃんと振ってくれて」2人はセックスレスの戦友になれたことや、お互いを好きになったことを後悔していないと伝えあって別れた。
2ヶ月後、新名は陽一のカフェに呼ばれる。陽一は新名に、みちと別れたのかと聞く。口を濁す新名を見て、陽一は、みちと新名は付き合っておらず、新名は振られたことを知る。陽一がカフェに新名を呼び出したのは、ふと立ち寄ったカフェでみちと別の男がデートしている姿を見たからだった。「みちさんに限って」と否定する新名は、振られてから一度も会っていないと言う。そんな新名に、陽一は「みちは誰かがそばにいて見てやんなきゃダメじゃないの?」といら立つが、新名もまたいら立って「みちさんは1人で生きていますよ」と返す。
一方、みちは、1人で生きて行く決意はしているものの、実際に一人になってみて、不便さや寂しさを実感し始めていた。
そんな時、陽一の家に姉の麻美(紺野まひる)が来た。麻美は子供の音楽教室の発表会に行けないので、みちに代わりを頼んだと言う。自分も行こうとする陽一に、麻美は「あんたは来なくて良い」と告げるが…。
最終話のレビュー
「あなたがしてくれなくても」最終回、衝撃的展開すぎて、著者は今、心を落ち着かせながらこの記事を書いている。みち(奈緒)と陽一(永山瑛太)、誠(岩田剛典)と楓(田中みな実)、それぞれが別々の人生を歩みはじめた。
みちと誠は相変わらず、”戦友”として定期的に会っている模様。
あれから1年、別れたキッカケになった人となんの進展もないまま生活を送るだなんて、私にはできない。
そんな誠に対して解き放った楓の台詞、ど正論すぎた。
「なにと戦ってんの?いつまで心のセックスしてるつもり?寒気する!」
まるでスカッとジャパン。最高です、ありがとうございます。
「逃げるな、泥棒猫」
「あなたの顔見てると殴りたくなる」
「誠はむっつりなの。……今のは笑うとこ」
「大好きな相手でも、一緒に生活してたら億劫にもなるし、レスにもなる」
「結婚っていう鎧を着て、強くなったつもりでいたのかな」
楓から飛び出す台詞すべて、快感なうえに納得感がある。
彼女に関しては、離婚後の方が圧倒的にらしさが出ていて、最良の選択だったのではないかと思える。まさに開拓者だ。
GINGERの編集長としての姿を目に焼き付けたかったが、どんな場所にいても楓なら間違いなく輝けることだろう。
ただ残念なことに、『「ひとりで生きられそう」ってそれってねえ、褒めているの?』という幻想が、事実として浮き彫りになった感はある。
結局男は、みちのようなどこか危うげな女性から目を離すことはできないのだ。
とは言いつつも、みちと陽一のいつぶりかの戯れには見惚れてしまったのだが。
「離婚したのにキスしたダメな元夫婦の影」
まるで坂元裕二みたいな台詞を吐くのね、陽ちゃん。
あれだけ恋愛にアグレッシブだった華(武田玲奈)も早々に子供を授かり、まるでリリー・フランキーな高坂(宇野祥平)もセックスレスの妻と生涯を遂げる覚悟を決め、つまるところ、みんな落ち着く場所に落ち着くのだ。
仕事を相棒に生きていく楓。
みちに想いを寄せながらも彼女の幸せを願い生きていく誠。
そして、まるで誠とのことがなかったかのような元サヤ加減のみちと陽一。
ただこれは、離婚という過程を経たからこそ築き上げることができた”愛の形”なのではないかと思う。
離れてみて初めてわかることって、きっとある。
「あなたがしてくれなくても」に続く言葉は、「他に満たしてくれる人がいるから」ではなく、「それでもあなたと一緒にいたい」だったのだ。
……というように、自身を納得させることもできるのだが、著者はまぎれもなく”ドロドロ不倫劇”を期待していた側だった。
本ドラマは「昼顔」スタッフ再集結ということもあり、視聴者の大半がこちら側だったのではないかと推測する。
ただ、「昼顔」の放送から約10年、たとえいちコンテンツであっても世間からの目がどんどん厳しくなっている今、不倫を肯定する・養護するような内容にはできないという倫理観が生まれているのかもしれない。
それでも、ドラマだからこそ、人が取り乱す姿や道理から外れてしまう一瞬を垣間見たいと思うのが、視聴者の真の心情なのではないだろうか。
「綺麗事並べて自分たちに酔ってるみたいだから」
楓の台詞がフラッシュバックする。登場人物全員に対して、そうとしか思えない。
と、まぁ好き勝手言っておいてなんだが、結末としてはハッピーエンド。
もうひとつの衝撃ポイントとして、次週、特別編の放送があるそうだが、そこで空白の期間がどのように描かれるのか、気になるところである。
……最後に、まったくふさわしくないかもしれないが、これだけは言わせてほしい。
突然の野間口徹の贅沢遣い、ありがとうございました。
※この記事は「あなたがしてくれなくても」の各話を1つにまとめたものです。
→元記事はこちら
→目次へ戻る
無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。
無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。
(C) フジテレビ