<あなたがしてくれなくても>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第2話ストーリー&レビュー
第2話のストーリー
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会社で行われたお花見会。吉野みち(奈緒)を心配して連れ出し、2人きりになった新名誠(岩田剛典)は、自分もまた、パートナーとセックスレスになっていることを告白する。みちは夫の陽一(永山瑛太)を、新名は妻の楓(田中みな実)を愛しているからこその苦しみを打ち明けあって、新名は思わず、泣いているみちを抱きしめてしまった。その日、帰宅したみちは、眠れない夜を過ごした。
翌日、出社したみちは、廊下で新名を見かけるが、なぜか避けられてしまい、不安を募らせる。
その夜もみちと陽一のすれ違いは続く。よそよそしい態度をとるみちに、陽一は「みちを大事に思っている」と言うが、みちに触れることはなかった。一方新名も、仕事を家に持ち込む楓に取り付く島がない。みちと新名は、パートナーのいないベッドでやるせない夜を過ごした。
次の日、新名がみちの部署に来て書類の不明点を北原華(武田玲奈)に聞く。2人の微妙な空気を察知した華はあえて仕事のやりとりをさせようとするが、みちと新名は直接話さず、お互いの目を見ようともしないのだった。
新名が母の幸恵(大塚寧々)を見舞って病院を出ると、楓が来た。楓は幸恵に渡すものがあると新名に託し、すぐに行ってしまう。それでも、忙しい仕事の合間を縫って楓が幸恵を気にかけてくれたことが新名には嬉しかった。
一方、陽一が店長を務めるカフェに、近くの工事現場で働いていた三島結衣花(さとうほなみ)がやってくる。もう少しで現場が終わるという三島は、陽一にある提案をして…。
第2話のレビュー
この一週間、みち(奈緒)と誠(岩田剛典)の”その後”に、どれだけ胸を高鳴らせていたことだろう。第2話は、誠視点から物語がスタートする。
疲れた妻のためにカモミールティーを淹れたり、栄養バランスに細心の注意を払いながら料理を作ったり。ファッション雑誌の副編集長として働きに働く楓(田中みな実)をどこまでも献身的に支える、絵に書いたような優しい夫。
だが、そんな彼の優しさも、時には裏目に出てしまっているようだ。
極度の責任感とプレッシャーから、気持ち安らぐ人のもとではつい緩んでしまう気持ちはわかる。だが、それが強い衝動となって表れてしまっては、二人が一緒にいる意味を考えてしまうし、なによりも誠が不憫で仕方ない。
その反面、妻のことを思うがあまり、常に下手下手に出る誠の姿にイライラしてしまう楓の気持ちもわからなくはない。
これはもう、完全に夫婦のバランスが崩れてる。
吉野夫婦と新名夫婦の関係性は、”セックスレス”という共通点はあれど、似て非なるものだ。
なんでもない日に一緒に晩酌をしたり、暖かい季節にはピクニックに行ったりと、日常的なコミュニケーションは取れており、夜の関係を除けば充分に幸せそうな吉野夫婦。
対して、新名夫婦は一見誰もが羨む美男美女な理想の夫婦だが、コミュニケーションらしいコミュニケーションは取れていないように思える。会話は基本、LINEかホワイトボードで業務連絡のみ。結婚している意味は一体どこにあるのだろうと、心底疑問に思ってしまうほどだ。
せっかくの結婚記念日も、直前に仕事を理由にドタキャンしてしまう楓。
ただ、同性から見ても、彼女の気持ちも痛いほどにわかる。
人生において、結婚・出産・育児というハードルがある中、目指すべきキャリアを築いていくのは難しい。彼女も今がまさに正念場であり、誠もそのことを理解した上で生活を共にしている。
それでも、それでも。埋められない寂しさともどかしさが渋滞してしまうのは致し方ない。
きっと誠は、久しぶりに愛を確かめ合うことができると心から思っていたはずだ。
そんな中、「今日だけでも頑張ることはできない?」だなんて。頑張らないとできないセックスなんて、いらない。本人が一番わかってるはずなのに、ここまで言わせてしまう精神状態をひどく心配してしまう。
挙句の果てには「いいよ、それで誠が満足するなら」と服を脱ぎ捨てる楓。はい、ゲームオーバーです。
一方で、誠と楓の溝が深くなると同時に、みちと陽一(永山瑛太)のもとにもさらなる衝撃展開が訪れていた。
予想通り、さとうほなみ演じる謎の女・三島がやってくれました。
ガードマンを辞めて、陽一のお店で働きはじめた彼女。絶対コーヒー目当てじゃなくて陽一目当てでしょ、ねぇ。
カフェのオーナーである高坂(宇野祥平)が、奥さんにプレゼントする鞄がどちらがいいか聞いた際、若い彼女の場合と奥さんの場合の2パターンで回答した三島。この振る舞いを見た時、完全にやり手だと思った。「私、本命でも愛人でもどっちでも大丈夫です」という、意思表示に感じられた。
三島の掴みきれない魅力にするすると導き寄せられた陽一は、ある夜、彼女をバイクで送り届ける。バイクで二人乗りをすること自体にいやらしさなんて一切ないのに、夜景に包み込まれる二人の姿はほぼ前戯だったように思えたのは、私だけだろうか。
その後の展開は言うまでもない。
強いて言うなら、キスだけで留まった陽一を少しだけ褒めたい。
だが、のちにとった陽一の行動に、それはもうしっかりと呆れ果てた。
あの夜にタイトルをつけるなら、「罪滅ぼしの花とセックス」が最適だろう。
ミステリアスな雰囲気を醸し出してるにもかかわらず思考回路が単純すぎる陽一に、少し嫌気が差した。いや、かなり嫌気が差した。
それでいて、花もセックスも、受け取っては無邪気に喜んでいるみちのことが本当に本当に不憫だ。
そんなときに限って、誠はみちに助けを求める。
でも、みちは贖罪にまみれたベッドの中。
なんだかもう見ていられなくて、一度テレビの電源を消してしまった。この現実から、目を背けたくなった。
……ドラマなのに、感情移入しすぎていることは自覚しています。
さて、来週・第3話は、いよいよ陽一と楓にフィーチャーされる模様。
陽一は見えはじめてきているが、楓の本心が気になるところ。
愛にセックスは必要なのか、彼らそれぞれの思いや考えから紐解いていきたい。
※この記事は「あなたがしてくれなくても」の各話を1つにまとめたものです。
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