<なれの果ての僕ら>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
最終話ストーリー&レビュー
最終話のストーリー
▶︎「なれの果ての僕ら」画像をすべて見るネズ(井上瑞稀)が復讐のために発砲した相手は、みきお(犬飼貴丈)の母・亜夜子(雛形あきこ)だった。全てはこの実験が原因で、その元凶はみきおの母。倒れ込む亜夜子に、ネズはみきおが教えてくれた実験の意図とテーマを語りだす。クラスメイトたちは、理不尽な実験の理由に驚愕する。ネズは、息も絶え絶えの亜夜子に再び銃口を向けるネズ。ついに52時間に及ぶ残酷な”同窓会”が終わろうとしていたが…。
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最終話のレビュー
52時間の”残酷な同窓会”が終った。ネズ(井上瑞稀)が撃ったのは、みきお(犬飼貴丈)というモンスターを生み出した、母の亜夜子(雛形あきこ)だった。
みきおは、ネズに宛ててPCの中に最後のメッセージを残していた。
それによると、なんと小学校の頃からクラスメイトに向かって実験の種を蒔いていたという。
今回の同窓会で、その実験の成果を試し、クラスメイトの「なれの果て」を見たかったようだ。
そして、最後には「ネズ、いつかまた会えたら……」という言葉で映像は切れている。
©「なれの果ての僕ら」製作委員会 ©内海八重/講談社
腹部から血を流しながら亜夜子は、「みきおがやったことは素晴らしいことよ」と我が子を絶賛。
『なんて理不尽で身勝手な母子だろうか』と教室にいる全員が思っていたところ、亜夜子の反撃が始まった。
持っていた銃で葉月(紺野彩夏)を撃ち、教室から逃走。
しかし、亜夜子はみきおが前もって仕込んでいた“しかけ”によって息絶えた。
なんと母殺しもみきおが計画していたことだったのだ。
©「なれの果ての僕ら」製作委員会 ©内海八重/講談社
これですべてが終わったと思っていたら、最後の最後で担任だった桜庭先生(我妻三輪子)が狂った。
「私が不幸になったのはあんたたちのせいだ」と言って、拳銃を自分の生徒たちに向けた。
この展開に生徒も視聴者も「へ?」と驚きを隠せない。
みきおが生きていた時は、とにかく目立たないように鳴りを潜めていたというのに、最後の最後で銃口を生徒に向けるとは…。
しかも残っている生徒一人ひとり、名指しで悪口のオンパレード。
ネズに関しては「あなたのことが一番きらい」と言い、持っていた銃をネズに渡し、「5秒以内に私のことを撃たないと葉月さんを殺す」と倒れている葉月の傷口の上に乗っかるという無茶ぶり。
そんな思い切りのある人だったら、みきおがいる時になんとかしてよ!と言わずにはいられない。
仕方なく桜庭先生を撃ったネズ。
またもや殺人者になってしまった。
主人公なので仕方ないとは言え、ここまでネズはあらゆる選択と責任を負わされてきた。
なんて不幸な主人公だろうか。
©「なれの果ての僕ら」製作委員会 ©内海八重/講談社
3日間に及んだ事件は、逮捕者は4人、死者は13人。
事件発生から52時間23分で終わった。
刑期を終えたネズは、記者の星野(森カンナ)と向き合っている。
なんと星野は桜庭先生の親友だった。
星野は、親友の死の真相を知りたくて事件と向き合うことにしたようだ。
(スピンオフより)
ネズは最後に星野に向かって「孤独や絶望に負けないで、もう少し頑張ってみます」と言って、深々と頭を下げた。
この「もう少し」とはどういう意味だろうか。
とにかく日、一日をなんとか生きていきますというネズなりの宣言なのかもしれない。
この物語は、「もしあの場に自分がいたら……あなたはどうしていた?」という問題提起をしてくれたように思う。
自分だったら…?
真っ先にみきおに向かっていった?
それとも、逃げまどっていた?
いや、すぐに誰かに殺されていたかもしれない。
あそこまでひどい体験はないかもしれないが、それでも極限状態になったら自分はどうするのか?ということを考えさせられた。
ドラマ「なれの果ての僕ら」は、自分の奥底の感情に向き合うことのできる印象深い作品だったように思う。
※この記事は「なれの果ての僕ら」の各話を1つにまとめたものです。
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