<虎に翼・再婚編 >20週~22週の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第109回のレビュー
育児のための就業時短や休暇に関する制度の提案を「時期尚早」と冷たかった桂場(松山ケンイチ)でしたが、上に根回してくれていました。寅子(伊藤沙莉)はこの一歩を「確実に次の一歩につなげます」と強く誓います。若いときは、ひとりで怒って、だめにしてしまったけれど、落ち着いて考えて、適切な方法を考えて実行してみる、寅子はいつしかそういうことができるようになっていました。
桂場は、かつての穂高(小林薫)のように寅子をあきらめさせるのではなく、彼女の希望をかなえるべく尽力したのです。
誰もがこういう上司であったなら。
このドラマの趣旨は、能力のある女性の希望を、男性はできるかぎり叶えてあげるべきというものなのだと思います。悪気があろうとなかろうと、前提は、女性の話に耳を傾け、とにかく意に添うようつとめることが大事なのです。
帰宅すると、優未(毎田暖乃)と航一(岡田将生)と朋一(井上祐貴)と百合(余貴美子)が棚を導入する相談をしていました。家族が増えてものが増えたからです。優未がはる(石田ゆり子)が納戸の棚に番号をつけていたと話し、そのやり方を導入しようという話で盛り上がります。
亡くなった人を思い悲しむのではなく、楽しいことを思い出して、共有する。亡くなった人もうれしいことでしょう。
朋一は、おずおずと、新しい家族に馴染みはじめたような……。
航一も少しずつ、実子に近づいているようです。
でものどか(尾碕真花)が……。
昭和31年(1956年)の秋、ちょいちょい夜遊びしていたのどかが補導されてしまいました。
朝、のどかは遅れて朝食の席に現れます。その前は、寅子の明るさで、楽しくなっていた朝食の席でしたが、にわかに雲行きがあやしい。現実では、8時12分頃、台風が鹿児島に上陸というニュース速報が入りました。なかなかのタイミング。
のどかは寅子たちが好きになれないので、家を出ていくと言い出します。その気持はわからないではありません。籍を入れない家族のようなもの、佐田姓の謎のふたりが家に入ってある種我が物顔しているのですから鬱陶しいでしょう。しかも、これまで子供をかまってこなかった、口数の異常に少ない父が、優未には親しげなのもおもしろいわけないと思います。彼女なりに我慢して、父の好きにさせておいたけれど、ストレスが募り、爆発したのでしょう。
寅子は優未を連れていったん席を外します。
が、優未だけが戻ってきました。
優未は朋彦(平田満)が孫たちのおねだりを麻雀で勝ったら聞いていたことを覚えていて、それをやろうと持ちかけます。
優未が勝ったら、この家族のあり方をもう一度考えてほしいと。のどかは受けて立ちます。彼女が勝ったら家を出ていくと。
麻雀勝負は、久しぶりに心沸き立つ展開でした。
優未とのどかはいい勝負でしたが、途中で優未のお腹が痛くなります。優三(仲野太賀)に似てここぞというときにお腹が痛くなってしまうのです。
体調が思わしくなさそうな優未にのどかが気づいて、いったん休憩しようというやさしさを見せることにホッとします。
勝たなきゃと優未が無理にがんばろうとしたとき、寅子が呑気にたいやきを買って帰ってきます。
なにか問題があったとき、まっすぐぶつかり合うのではなく、いったん脇道に逸れたり、空気を変えたりすることがいかに大事か、勉強になります。
※この記事は「虎に翼」の各話を1つにまとめたものです。
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