「青天を衝け」血洗島・青春編 感想集


第5話のあらすじ&感想

第5話のあらすじ

惇忠(田辺誠一)に薦められた本で、清がアヘン戦争でいかに英国に敗れたかを知った栄一(吉沢 亮)は、開国した日本の未来を危惧する。

そんな中、栄一の姉・なか(村川絵梨)は、自身の縁談を、“相手の家に憑き物(つきもの)がいる”という迷信的な理由で伯父・宗助(平泉 成)たちから反対され、ふさぎ込んでしまう。

一方、幕府の方針をなおも受け入れられない斉昭(竹中直人)は暴走。老中・阿部正弘(大谷亮平)と斉昭の側近・藤田東湖(渡辺いっけい)は斉昭を必死にいさめる。そんなとき、大地震が江戸を襲う。

 第5話の感想

1850年代、ペリー来航からの開国にともない、日本は混乱の最中にあった。異人が国内に入ってくることにより疫病や”たたり”が発生すると信じられていた時代。現代では到底考えられないことだが、いつの世も新しすぎるものは敬遠される傾向にある。

1850年頃と比べると、あらゆるものが良好に流れている気もする。女性の地位は向上し、外国人が道を歩いていても珍しくもなんともなく、アメリカや韓国の文化が根付き、ボタンひとつでインドやタイの映画も観られる時代だ。それでも、人の根っこには拭いきれない不安や恐怖があるのかもしれない。いつか、別の国に乗っ取られる日が来るのではないかと。

栄一の姉が、突如人が変わったように落ち込んでしまったのも、狐に憑かれたからだとして周囲から恐れられた。なぜ気落ちしていたのか詳しい理由が語られることはなかったが、栄一が得意の語りでエセ祈祷師を追い払ったのを影で見てからというもの、すっかり元の元気を取り戻すことに。おかしいことはおかしい、変なことは変だと言える人間がもっと増えれば、さらに違った世の中がみられるのかもしれない。

そして今回は橋本愛の演技もますます光った。「強く見える者ほど、弱きものです。弱き者とて、強いところもある。人は一面ではございません」ーーこれからの時代を生きていく私たちにとって、大事に心にとっておきたい名台詞のひとつだろう。人は複雑で、決して単純ではない。そのことをひとりひとりが忘れることのないよう生きていれば、無用な争いは起こらないのだと感じる。

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