「青天を衝け」血洗島・青春編 感想集


第12話のあらすじ&感想

第12話のあらすじ

役人に追われる栄一(吉沢 亮)と喜作(高良健吾)をボロ屋に引き込んだのは、円四郎(堤 真一)だった。

円四郎は一橋家に仕えないかと勧めるが、栄一たちは断る。

血洗島村に戻った栄一は、惇忠(田辺誠一)らと高崎城乗っ取り計画の準備をしていた。

そこに京都から長七郎(満島真之介)が戻り、涙ながらに中止を訴える。

計画を断念した栄一と喜作は、再起をはかるため、村を離れ京都に向かうことを決意する。

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第12話の感想

毎話思うことだが、今話は橋本愛の演技がとくに光る。

たまたま一橋家の家臣に知り合い、横浜焼き討ち計画を着々と進める栄一たち。血洗島へ戻ってきた長七郎の、命をかけての説得にほだされ計画は白紙となる。思慮浅く自らの命を投げ出そうとしたことを悔いる栄一に対し、「道は簡単ではありません。間違えても、ときに間違えて引き返してもいいじゃありませんか」と慰めながら、ともに泣いたお千代。

なんて健気で愛あふれる妻だろう……! 初めての子を病で亡くし、夫まで死んでしまうかもしれない怖さに苦しみながらも、栄一の意思を汲み取ろうとする。自分の寂しさ、そこから出る思いをぶつけることはなく、まずは夫のやりたいこと、目指す先を聞き想像しようとするのだ。なかなかできることじゃない。

新しく生まれた自分の子を抱きながら、みすみす死のうとしたことを後悔する栄一。しかし彼はもう百姓には戻れなかった。実家の儲けを拝借したことを父に詫び、あらためて政の道へ進むことを決意する。武家になることを夢見ていた父は止めない。「孝行というものが、まさか子から親ではなく、親から子へするものだったとは」と言いながら餞別を渡すシーンは、まさに涙なしでは観られない。

今話で血洗島編が終わる。栄一と喜作、ふたり揃って京へと向かうのだ。ここで思い出されるのは第1話の冒頭、草彅剛演じる後の徳川慶喜に対し「仕えさせてください!」と頭を下げるシーンだ。今後どのような流れであの場面へ繋がるのか。

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(文:北村有)

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