「青天を衝け」血洗島・青春編 感想集
第10話のあらすじ&感想
第10話のあらすじ
幕府では、暗殺された井伊直弼(岸谷五朗)に代わって老中・安藤信正(岩瀬 亮)が、孝明天皇(尾上右近)の妹・和宮(深川麻衣)の将軍・家茂(磯村勇斗)への降嫁を進めていた。朝廷との結びつきを強めて幕府の権威回復を図った和宮降嫁は、尊王攘夷派の志士に火をつける。
一方、念願の江戸に来た栄一(吉沢 亮)は、尊王論者・大橋訥庵(山崎銀之丞)を紹介され、安藤の暗殺計画を知る。
長七郎(満島真之介)は、その計画のために命を捨てる覚悟を決めるが…。
第10話の感想
映画『大コメ騒動』でも描かれていた。幕府が日本を開国した途端に米の値段が上がり、市井の人たちの生活に影響が出た、と。国の行末を決めるのはいつの時代も幕府や政府だけれど、その影響をモロに受けるのはいつだって土着の人たちだ。変えようと思う人たちが立ち上がらなければ、いつまでも仕組みは変わらないままなのだろう。「変える」ために行動する人たちがいる。栄一はその目で江戸の様子を確認して、百姓であっても日本を変えるために行動を起こせると気づいた。刀を持たずとも、たとえ「知識だけ豊か」と嫌味混じりに言われても、できることがある、と。彼らひとりひとりが、得た違和感に対し誠実に向き合い知恵を絞ってくれたからこそ、今の日本がある。そう思うと、現代を生きる私たちには感謝しかない。
安藤を討とうと腰を上げかける長七郎が、栄一たちに止められ悔しそうに顔を歪めるシーンが強く心に痕をつけた。日本を変えるため、何かしたい。そのためには刀をとり、悪と決めた一点に向け振り下ろすしかないと信じている。そんな人間に対し、もっと根本的な解決をと説得するのは互いにやりきれない思いを生むだろう。
何が正解なのか、何が間違っているのか、誰ひとりわからない時代なのだ。
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