映画コラム
碇シンジ“100億の男”へ!!『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の興行分析「これまでとこれから」
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碇シンジ“100億の男”へ!!『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の興行分析「これまでとこれから」
公開前夜
『シン・エヴァンゲリオン劇場版』がまず動き出したのが2015年、ゴジラ映画の新作(=のちの『シン・ゴジラ』と共に制作している旨が語られました。翌年2016年には『シン・ゴジラ』の完成報告会見の場で庵野秀明総監督によって併せて『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の制作中であることと、進捗が当初の予定より大きく遅れていることへの謝罪の言葉が語られました。本格始動は2018年7月20日。映画『未来のミライ』の公開に合わせて事前告知なしで予告編が投下されました。これ以降も『シン・エヴァンゲリオン劇場版』は“まず告知の第一歩は映画館で”という映画館第一主義を貫いていくことになります。
翌2019年7月6日には「0706作戦」[25]と称されたイベントにて、「シン・エヴァンゲリオン劇場版 AVANT1(冒頭10分40秒00コマ)0706版」(EVANGELION:3.0+1.0 -LE FILM AVANT 1 (Du début Jusqu'à 10:40) Version 0706)と題されたアバンタイトル10分40秒分が、パリのJapan Expo、ロサンゼルスのANIME EXPO、上海、札幌、東京、名古屋、大阪、福岡にそれぞれ会場を確保したうえで世界同時上映され、LINE LIVEでも生配信されました。直後の7月19日には『天気の子』の公開に合わせて新たな予告編が投下され、公開日が2020年6月(のちに6月27日)となることが発表されました。
しかし、2020年になると新型コロナウィルスの感染が拡大し、最初の緊急事態宣言が発令されたりと混乱が拡がります。そんな中で『シン・エヴァンゲリオン劇場版』はこの影響のために6月27日の公開を延期することを決定します。その後、2020年10月16日『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』の公開に合わせて予告編第3弾が公開され2021年1月23日の公開が発表されました。2020年末には宇多田ヒカルの新曲「One Last Kiss」がメインテーマソングに決定したほかIMAX、MX4D、4DXでの公開も決まりました。
しかし、しかし年が明けた20201年1月初頭に新型コロナウィルス感染の再拡大による2回目の緊急事態宣言が発令され、またもや1月23日の公開はさらに延期されることに。
この時は事前に『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 DEATH (TRUE)2 / Air / まごころを、君に』、や『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』を庵野総監督全面監修のもと、2Kフルサイズで全カット再撮影したIMAX版『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q EVANGELION:3.333 YOU CAN (NOT) REDO.』がリバイバル上映されたり、金曜ロードSHOW!で『序』、『破』、『Q』が放映された入りと1月23日に“全集中”モードでした。
しかしながら公開延期。入念に配された事前の準備がすべて吹っ飛んでしまいました。この影響は映画業界的にも決して小さなものではありませんでした。
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