映画コラム
碇シンジ“100億の男”へ!!『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の興行分析「これまでとこれから」
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碇シンジ“100億の男”へ!!『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の興行分析「これまでとこれから」
1月23日公開延期ショックと驚きのWithコロナ体制の公開初日決定!
映画の公開というものは他社の作品、同系統・同ジャンルの作品との競合を常に頭に入れながら編成していくものですが、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』が公開されれば大ヒットすることは間違いなく、多くの作品が1月23日以降の競合を避けていました。日本映画史上最もヒットした映画となった『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』と比べて考えてみても、過去のシリーズのヒットという実績があるという意味では『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の方が『鬼滅の刃』以上に確実にある程度の大ヒットを計算できるタイトルとしてとらえられていました。
ところが、そんなビッグタイトルの公開延期。結果として同時期公開の映画の並び大きな穴がぽっかりと空き、明らかに“弱い”モノとなってしまい、映画興行自体が下火になってしまいました。『花束みたいな恋をした』の興行収入27億円、動員200万人突破というサプライズヒットはありましたが、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の穴を埋めるほどではなく、エヴァンゲリオンの穴はエヴァンゲリオンでしか埋められないことを露呈しました。
こうなると、次の公開日がいつかと言うことが注目を集めます。映画の公開日の設定は前後の作品との競合を避けるといいましたが、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の公開日の再設定には多くの競合作品の存在がどうしても目についてしまうようになりました。先の公開作を見渡すと4月16日からは一年のお休みを経て公開される『名探偵コナン緋色の弾丸』、翌週4月23日には大ヒットシリーズ第4弾『るろうに剣心最終章The Final』、29日はマーベル大作『ブラック・ウィドウ』、GWを挟んで5月7日にはアニメ大作『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』、5月14日には『ゴジラVSキングコング』がそれぞれ公開待機中となっています。
さらに、初夏扱いで『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の総監督・庵野秀明が脚本を担当した『シン・ウルトラマン』、さらにさらに細田守監督の新作アニメーション『竜とそばかすの姫』が控えています。さすがに『シン・ウルトラマン』より後に『シン・エヴァンゲリオン劇場版』がされるわけにはいきません。
結果、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』が選んだ日付が2021年3月8日月曜日でした。これは緊急事態宣の(当初の)終結予定日の翌日でした。改めて宣言の延期が決まり、当初の想定とは変わりましたが、1月23日の公開延期を決めたときに“共に乗り越えましょう”というメッセージを出しただけあり“Withコロナ体制”でいくことを『シン・エヴァンゲリオン劇場版』公開日という形で示したことになります。
ただ、やはり月曜日を初日すると言うことは異例中異例であることは確かなことで、本当に驚かされました。
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