映画コラム

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2021年03月12日

碇シンジ“100億の男”へ!!『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の興行分析「これまでとこれから」

碇シンジ“100億の男”へ!!『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の興行分析「これまでとこれから」


 異例の尽くしの配給体制

異例と言えばこんなところも異例です。映画には配給会社という作品(制作)と劇場(興行)を繋ぐモノがありますが、“エヴァ”の映画は毎回配給会社(配給体制)が違っています。こんなこともなかなかありません。

最初の映画1997年3月公開の『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生』と7月公開の『新世紀エヴァンゲリオン劇場版Air/まごころを、君に』は東映が配給しました。

10年後の2007年9月公開の『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』と2009年6月公開の『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』は庵野秀明総監督が新たに設立した制作スタジオカラーとクロックワークスの共同配給。そして、2012年の『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』はカラーと東映系列のティ・ジョイの共同配給。そして、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』は東宝と東映とカラーの三社の合同配給です。

一つの作品を共同配給するということ自体が珍しいことなのですが、東宝、東映、松竹という邦画メジャーが共同で一つの作品を配給するということはかなりレアで、このこと自体も業界内ではちょっとしたサプライズでした。

配給体制が強固なものになれば映画は多くの恩恵を受けることができます。例えば公開規模と公開体制の確保や拡大についてです。3月8日月曜日という前代未聞の初日を設定できたのも今回の東宝・東映・カラーという大型共同配給網によるところが大きいと思えます。

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