映画コラム
碇シンジ“100億の男”へ!!『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の興行分析「これまでとこれから」
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碇シンジ“100億の男”へ!!『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の興行分析「これまでとこれから」
異例の初日の数字~碇シンジは“何億の男”になるのか?
そんな中で初日、2021年3月8日月曜日の『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の興行収入と観客動員の数字が発表されました。興行収入は2012年に最終興行収入52.6億円、観客動員382万人を記録した前作『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』の初日の数字を大きく上回る興行収入8.2億円(対『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』比123.8%)、観客動員53万人(対『Q』比121.7%)を記録しました。
『シン・エヴァンゲリオン劇場版』は9年ぶりの新作であり、25年に及ぶシリーズの完結編でもあるために当然のごとく大ヒットを記録することは想像できたので、この数字は驚くと同時に納得の数字でもあります。
しかし、ここは強く言っておきたいことですが、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』の数字は2012年11月17日“土曜日”の数字であり、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の数字は2021年3月8日“月曜日”の数字であることです。
映画の公開日の平日初日ということでは2018年の春ごろから金曜日に公開初日を設定するようになってきていますね。これは生活様式の変遷から、いわゆる“週末”を金曜日からカウントるようになったことと、その考えを促進することの一環でもあります。
これまで公開初日の金曜日で最も稼いだ映画は(やはりと言うべきか)『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』(興行収入12.6億円、動員91万人)です。『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の月曜日の数字はこの『鬼滅の刃』に続く記録となりました。しかし何度も言いますが『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の初日は平日であると同時に月曜日です。祝祭日でもない限り最も映画館が混まない曜日で、歴代2位の数字を叩き出した『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の興行力・ポテンシャル、そして何よりファンの熱意はすさまじいものがありますね。
初日の数字から見える展望
この初日の数字を(平日・土日であること無視して)これまでのヒット作と比較してみます。そこから『シン・エヴァンゲリオン劇場版』のこの先に見える数字を予想できるかと思います。今回ピックアップした作品と数字は以下の通りです。現在興行収入380億円を超えて、日本記録を更新し続けている『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』の初日の数字、興行収入12.6億円、観客動員91万人(やはり破格です)。最終興行収入141億円を記録した2019年の大ヒット作『天気の子』の初日の数字、興行収入4.6億円、動員32万人(実は初動だけ見ると『君の名は。』を上回る数字でした)。そして同じく2019年に公開され最終興行収入93.7億円を記録した大ヒットシリーズ23弾でシリーズ最高記録を更新した『名探偵コナン紺青の拳』の初日の数字、興行収入4.2億円、観客動員31万人です。これを『シン・エヴァンゲリオン劇場版』初日の興行収入8.2億円と観客動員53万人という数字と比較していきます。対『鬼滅の刃』で興行収入で65%、観客動員で58%となります、さすがに『鬼滅の刃』と比べると分が悪いですね。
しかし『天気の子』と比べると興行収入で178%、観客動員で165%、『名探偵コナン 紺青の拳』と比べると興行収入で195%、観客動員で170%の数字となっています。この数字だけ見てもまず少なくとも『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』の数字を超えて“エヴァ”映画史上最大のヒット作になることは確実と言えるでしょう。
また90億円以上を稼いだ『コナン』、140億円を超えてきた『天気の子』と比べても『シン・エヴァンゲリオン劇場版』は数段ギアの違うレベルのロケットスタートを切っているので大台(=興行輸入100億円)突破へ視界は良好といったところでしょう。
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