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「生きるとか死ぬとか父親とか」第12話ネタバレ感想:ついに家族になった蒲原家にカンパイ!そしてありがとう!



第10話あらすじ&感想

第10話あらすじ



父(國村隼)のことだけでなく、亡き母(富田靖子)のことについても、ありのままを書こうと決めたトキコ(吉田羊)は、お互い今まで触れてこなかった話を父に持ちかける。20代のころのトキコ(松岡茉優)は父と母を同時に介護する過酷な日々を送っていた。そしてある日、双方に決定的な事件が起こる。事態を1人で抱えることに限界を感じたトキコは、父の元に密かに通う「あの人」を頼るしかないと苦渋の決断をするのだった…。

第10話感想

1.母を書くということ

トキコ(吉田羊)は母(富田靖子)の理想化された姿ではなく、人間として苦しみや弱さを書くと決断する。トキコも父哲也(國村隼)も、悪い思い出を忘れて都合のよいパーツだけで母を作り上げてきた。母の脆い部分を書くことは自分と父の弱さに向き合うことでもあるのだ。

2.母と『ひまわり』のソフィア・ローレン

場面は過去に遡る。母は術後の回復が思わしくなく、トキコ(松岡茉優)が介護のために寝泊まりするようになった。母は回復したら観たい映画に『ひまわり』を挙げる。

ソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニ主演の『ひまわり』は、とても悲しい映画だ。ナポリで幸せな結婚生活を送っていた夫婦が戦争により引き裂かれる。妻のジョバンナは夫アントニオの帰りを待ち続けるが、戦争が終わっても帰ってこない。ついには一人ソ連まで探しに行くが、そこで目にしたのは、夫が自分を助けてくれた女性と家庭を作り暮らす姿だった。

トキコの母はソフィア・ローレンがほとんど泣かないのが好きだという。母はもしかしたら、ソフィア・ローレンに自分を重ねてはいなかったか。自分のほかに女性があるとわかっていても、泣かない姿に慰めや美点を見出していなかったか。病に冒され血の気の引いた顔が痛々しい。

3.「私はどちらの手をとればいいのか」は選べない選択肢

筆者も過去に働きながら家族の看病と家事を担った経験がある。看病は持久戦だ。一人では支えきれないから手数が必要になる。だから、トキコが介護の必要な母と父に挟まれて苦悩する姿はとても痛々しく思えた。別々の場所にいる父と母を同時に看病することはできない。吉田羊のナレーションが真に迫る。どちらの手を取ればいいかなんて選べない。

4.トキコが辛いことを書くのは、大切な母との記憶を忘れないため

追い詰められたトキコは父の看病を「あの人」に頼むことになる。決して父の不倫相手を認めていたわけではない。でも他に頼れる人がいなかった。トキコにとって父は父だったが、病室のカーテンの向こうで相手の女性と会話する父は、ひとりの男性だった。そしておそらく母も気づいていて、なにも言わなかった。母と娘は平気な顔をしながら父の不倫に傷ついていた。

今のトキコが昔の傷ついたことを書くのは、大切な思い出を忘れないため。傷心の記憶と大切な母との記憶はセットなのだ。どちらかに蓋をすれば、もう一方まで忘れてしまう。

5.トキコと母の静かな別れに涙

お母さんと幾度もよびかけるトキコ。父の名を口にすることもなく、「ひまわりまぶしいだろうね」と母は永遠に目を閉じた。静かな別れだった。トキコにはお母さん、どこにもいかないでと感情的に言うことはできなかった。傷ついていること、悲しんでいることを抱え込んで涙を静かに流す。母娘でそっくりなのが切ない。

6.最後に

今回は「あの人」の登場や、母との別れなど、いつも以上に感情が揺さぶられました。これから関係を保つために母を信仰の対象としていった父娘の過去に迫ります。目が離せません!


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