「生きるとか死ぬとか父親とか」第12話ネタバレ感想:ついに家族になった蒲原家にカンパイ!そしてありがとう!
第3話あらすじ&感想
第3話あらすじ
父(國村隼)から、食物アレルギーの疑いがあると一報を受けたトキコ(吉田羊)は、病院に連れていくことに。
しかし、診断結果は何事もなく、せっかく来たからという理由で突然「顔のシミを取りたい」と言い出す父。
呆れたトキコは学生時代からの女友達である北野(中村優子)とミナミ(石橋けい)に愚痴を言う。いまや「男性の美容」は普通のものだと頭ではわかっているはずのトキコだったが……。
第3話感想
毎回くどいけど、主人公トキコ(吉田羊)がラジオパーソナリティーを務める「トッキーとヒトトキ」の相談コーナーが今回もいい。アナウンサー東七海(田中みな実)がリスナーの相談を読む間合いも耳に優しい。
「夫(元々頭髪は寂しいほうだった)がなんの相談もなくカツラで過ごすようになり、それが生理的にいやでいやで泣きそうと」。そんなペンネームおかめソーダさんの相談はとてもラジオらしい内容。
こういう大事件でもないけど、モヤモヤして話しにくいことも投稿できるのがラジオの良いところですよ。
なぜか熱心に櫛で髪をとかしているラジオディレクターの中崎(オカモト”MOBY”タクヤ)はなにを意識しているんだろう?それをガン見する構成作家・近田(森本晋太郎)もいい味出してます。
ラジオネーム:おかめソーダさん(女性)私は48歳の夫と6歳の娘の三人暮らしの主婦です。
夫は出会った当時から頭髪が寂しく、最近は坊主頭が板についていたのですが、数日前に突然、カツラ姿で帰ってきたのです。
急に知らない人が家に入ってきたと思い、驚いて叫んでしまいました。
娘も「それ、お父さんの新しい帽子?」と困惑気味。
最初はパーティーグッズ的に私たちを驚かせようとノリで被ってきたと思ったのですが、どうやら今後、これで通すつもりらしいのです。
坊主頭を見慣れた身からすると、黒々フサフサとした頭が似合っているとは思えず、嫌で嫌でたまりません。
夫の友人や会社の同僚たちも困惑するでしょうし、近所の人やママ友だって、口には出さなくても、相当ざわつくことでしょう。
「坊主頭の方が似合っているよ」と言っても、「君だって化粧して外出するだろう」と頑なな姿勢を崩しません。
いくら夫婦でもデリケートな問題なのでそれ以上は何も言えませんでした。
私はありのままの姿でいてほしいのですが、周りを困惑の渦に巻き込むリスクを冒してでも、頭髪がコンプレックスだとしたら、認めてあげた方がいいのでしょうか?
でも、夫のカツラ姿にはどうしても抵抗感があり、生理的に嫌で嫌で涙が出そうになります。トッキーさん、私どうしたらいいんでしょう?
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質問に対し、それはおかめソーダさん自身の意識の問題ですと答えるトキコ。
「男性の美容」は当たり前の現在。とはいえ、いざ自分の父・蒲原哲也(國村隼)が美肌に目覚めて顔のシミを消したことに動揺(しかも元々は食物アレルギーかどうかを検査してもらうために病院に行った)。
そしてそれを学生時代からの女友達に偏見だと指摘されてしまう。
うーん、もしこれが自分の父だったらどうするだろうと想像しました。
自分の父親(仮に70代とする)がですよ、ある日突然、「身だしなみに年齢は関係ありませんよ。若い頃から気になってて、いつか取りたいなと思っていて、でも普段の暮らしで忘れてしまって。それをたまたま思い出して」といって顔のシミを消してもらったら。
そして口笛を吹きつつ鏡の前に立ち、自分の体にクリームを塗っていたら。どんな反応をしますか?
やっぱりすぐにはやったね!とは言い難いかもしれない。
これが知り合いとか友達なら、そういう方面に力を入れ始めたんだね!と言える。私もしっかり「男性の美容は一般論として理解できるが、身内だと動揺する」枠にはまっていました。ここは落とし所がむずかしいかもしれないな。
でもね、美肌に力を注がなくても、自分の顔を鏡でみた時にむくんでたり、くすんでいたら大抵は落ち込むわけで。女子会経由で大胆かつおおらかなマッサージ(荒っぽいということ?)を受けるトキコと女友達の北野(中村優子)の気持ちもわかるなあ。
「トッキーのお父さんも刺激が欲しかったんじゃない?」
北野の言葉をきっかけに父の言動と自分を振り返るトキコ。「老いた父が自分で自分を励ますことのなにがいけないのか」。そう思って、一度は父の美肌活動に反発したことを反省するのが可愛らしい。
「見た目とか美容とか」のタイトルだけど、本当は年齢を重ねてたからこそ余計に自分で自分を励まし続けることが大事であるってことなんだろうな。
トキコの父哲也にとってはその手段がたまたま顔のシミを取ることだったり、自分の体に磨きをかけることだっただけで。
トキコに LINEで「アレルギーじゃなかったのでそばとゆで卵とヨーグルトを食べたよ」と返す哲也がまたいい。三國隼さんの声が脳内再生される。
生きているとどうしようもない感情ってあるものね。美肌だってマッサージだって、どんな手段にしろ自分を肯定する行為は必要です。
今週は序盤と終盤のラジオディレクター中崎さんのヘアセットが印象的でした。来週を楽しみに待ちます。
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(c)「生きるとか死ぬとか父親とか」製作委員会