「コントが始まる」第10話までネタバレ感想:「人生は、コントだ!」
第5話あらすじ&感想
第5話あらすじ
つむぎ「努力してなんにも結果が出なかったときのことばかり想像して、一歩も動けなくなった……」
瞬太「ボクが「マクベス」に入れて貰ってからの5年間は、楽しい思い出ばかりだった……」
コント『カラオケボックス』。ステージに現れる中年カップル役の瞬太(神木隆之介)と潤平(仲野太賀)。そして、カラオケ店員役の春斗(菅田将暉)。制限時間を告げる店員の前で、中年カップルは『延長』をめぐって揉めだして……。マクベスによるとりとめのないコントの『前フリ』が始まる―――。
里穂子(有村架純)と共に生活をし始めてから1年半の月日が流れたつむぎ(古川琴音)。今流れる時間に不満はなくとも、このまま姉の家に居座り、横で世話をし続ける日々に疑問を感じ始める。
しかし、変えなくてはいけない現状を理解しつつも、何かの一歩を踏み出すことに恐怖に似た感情を持つつむぎ。―――その横には無邪気な顔で夢を追いかけ続けるように見える瞬太が居た。
一方の瞬太は自身がプロゲーマーを引退し、春斗や潤平と共にマクベスとして活動を始めてからの煌めくような日々を思い返していた。だが、少しずつ今の自分たちの姿はその時から「変化」を持ち始めていることにはずっと気付いていて……。
20代後半。それは一つの決断の瞬間でもある。様々な現実と夢との境界線。「変わる」ということには勇気とそして恐怖が伴うことは分かっている。
マクベスと中浜姉妹、それぞれの現状を維持すべく「延長」を続けた果てにこの日下す決断とは!?
5人の生き様が大きくうごめき始める始める必見の第5話。一度でも夢を目指したことのある人、夢を抱いたことのある人、そして誰かと大切な時間を過ごした経験のある全ての人に突き刺さる、共感の物語が今始まる。
第5話の感想
これまでとは少し毛色が変わって、少々重たい回だった。いつものコントも、より考えさせられるテーマ。10年間続けてきたマクベスを終わらせるか、それとも続けるか……。ついに最後の選択を迫られた春斗、潤平、瞬太の3人。彼らにとって、解散することはポジティブな未来に繋がると信じたい。浅香航大演じる高校時代の同級生・勇馬が、事務所を通してマクベスに仕事を依頼してきた。「俺は忙しいからさ」とマネージャーの責任を放棄した楠木の代わりに、打ち合わせを兼ねて勇馬に会いに行く春斗。実は勇馬は、潤平の彼女である奈津美の高校時代の元彼だった。
当時のしがらみがいろいろと残っているはず、どうして今更自分たちの仕事の依頼をしてきたのか……と不信がる春斗。しかし、勇馬は高校時代のことなんてことなんて一切意に介していない。「高校時代で時間が止まっちゃってるんじゃないの?」の一言に、思わず引っかかってしまう。
勇馬がマクベスへ仕事を依頼してきたのは、「応援したいから」「力になりたいと思ってるから」だった。その気持ちに嘘はないと思うが、春斗には受け入れられない。「同級生に仕事を恵んでもらうほど、落ちぶれてない」と言い返し、依頼を断ってしまった。
今回、最も唸らされたシーンはここだった。力になりたいと言った勇馬の気持ちは本心だと思う。だけど、仕事を発注することで繋がりを持とうとしちゃダメだよね……! と思ってしまった。定期的に連絡するとか、マクベスのライブを見にいくとか、そういう形で応援している意思を伝えた方が良かったと思う。芸人としてのマクベスを尊重したいんだったら、なおさらだ。
けれど、勇馬だけが悪いとは言えない。春斗自身、もはや「成功している他人」はイコール敵になってしまっている。自分の中の固定概念を崩して人と接するようにしなければ、耳に入ってくる言葉をすべて卑屈に受け取ってしまう。だからこそ、勇馬からの賛辞に素直に反応できなかったのだ。
春斗と里穂子が、明け方の公園で語るシーンも外せない。
「努力って、報われると思いますか?」
あえて私の答えを述べるなら、「本人が報われたと感じたら、した努力は報われたことになる」だ。どれだけ売れたか、どれだけファンが増えたか、どれだけ目標に近づけたかじゃない。そこは思いっきり、自分の主観に頼っていいと思う。
じゃないと、報われなかったと思う回数が増えるたびに、努力しなくなってしまうんじゃないか……? マクベスが解散したあと、誰が一番心配かって、春斗が一番心配だ。
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